前回はファンサブの歴史を見てきましたが、今回はファンダムの言い分について見ていきましょう。
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《ファンサブの大義名分と実際》
ファンサブを実際に行っているファンたちはどういう理由で違法行為を行っているのでしょうか?
自分たちが違法行為をしていることをどう思っているのでしょうか?またファンサブを見ている人たちはまったく罪悪感を持っていないのでしょうか?
ファンサブグループやファンサブを見ている人たちの言い分は、大体こんな具合です:
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「ファンサブは利益目的の“海賊版”とは違う」
多くのファンサブグループが自分たちは利益をあげるために活動しているのではない、ファンダムのためであり、またアニメ作品の知名度を上げるのに貢献しているんだ、と主張しています。
ファンサブで出回ったタイトルも、こちらでライセンス契約が結ばれたと公表されればただちに配布を止める、としています。しかしWinnyのウィルスで流出してしまったファイルと同じく、一旦出回ってしまったものは回収することなどできません。ネットのどこかでいつまでも残っているのです。
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「ファンサブの方がクオリティは高いから」
正規版の出来をやり玉にあげるところもあります。でもこれはファンサブの回でお答えしたように、かなり疑問です。
誤訳はもちろんのこと、英語の綴りや文法的な間違いが多く、文字の詰め込みすぎ、字幕表示のタイミングの悪さ、などファンサブグループによってはクオリティがあまりにも低く、正規版と比べものになりません。
いい仕事をしているファンサブグループもあるよ、と反論されるかもしれませんが、いい仕事をしていようといまいと、同じファンサブによって粗悪なものが出回っている以上、ファンサブはひとからげで悪者(著作権を侵害し、企業活動を阻害するもの)、と見なされてもしかたのないことです。
また、コアなファンは非常に日本的な設定やシチュエーションが原作どおりでないと認めない傾向にあります。
ギャグものが特にそうなのですが、文化的な違いから文字通り翻訳しても意味が通じない場合にはアダプト(翻案:内容をローカライズ先に馴染みやすいもの、わかりやすいものに置き換えること)しなければどうしようもありません。
しかし、ファンサブはそうしたところにも注釈を入れるなどしているため、親切だ=クオリティが高いと勘違いしているようです。ファンサブを見ている人たちは日本語がわからないから翻訳字幕を頼っているのであって、どれほどの人がファンサブのそうした説明内容が実際に正しいかどうか判断できるのでしょう?
…もっともらしくなっていたとしても、ファンサブの説明を鵜呑みにするのは危険です。
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「日本ではアニメはタダなんだから、いいじゃない」
いいえ、アニメはタダではありません。
地上波としてテレビ放映されているものはスポンサーやCMの広告収入などがあるため、視聴者が無料で視聴することが可能なのです。ケーブルや衛星放送などは、もちろん視聴料を加入者が支払っていますよね。
アニメの制作費はDVD、関連商品などの売上でまかなっているのです。それに日本国内でも地方では見たくても放送をみられない人たちだってたくさんいるのです。DVDを買うか、レンタルするしかないという状況は、アメリカとなんら変わりません。
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「ローカライズするとき吹替版しかリリースしなかったり、内容を編集・修正するから」
より一般層への浸透を目指す場合、市場のテイストに合わせたり「馴染みやすくするため」の判断として、字幕版をリリースしなかったり、内容を若干変更したり、画像を編集・修正することがあります。
しかし若年層向けの作品は別として、そうしたことも近年では少なくなってきています。ファンがそうした改変を喜ばないことを企業側も知っているからです。
コアなファンへ考慮して、一般層向けバージョンとは別に、無修正版(Uncut Version)をリリースしているところもあります。
昔から良心的な企業では、コアなファン層のために採算を度外視して字幕版のビデオもリリースしていました。タイトルにもよりますが、本数が出るのはやはり当初から吹替版の方でした。
一般のアメリカ人は字幕よりも吹替えを好むためです。DVD販売が開始されると、同じパッケージで字幕・吹替えの選択ができるようになったので、この問題は解消されました。
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「どのタイトルがアメリカで人気が出るか、実は企業はファンサブを市場調査に利用している」
これはきっぱりと否定している企業もあります。いくら人気の高いものでもファンサブがすでに出回ってしまったら、DVDの売上が期待できるでしょうか?
ファンサブで観て気に入った作品は必ず正規版を購入して作品を支持すべし、という不文律(暗黙のルール)もあるようですが、これが守られる保障はどこにもありません。
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「ライセンス獲得を公表してもいっこうにリリースされないから」
ライセンスされたものに関してはファンサブ配布を取りやめる、という不文律はどうしたのでしょう?
ディストリビューターもファンサブ対応のひとつとして、作品の権利獲得を急務としています。ところがそうした結果、買い付けた作品数が増えすぎ、現地版制作のペースが追いつかずにリリースが遅延になるという悪循環に陥っているようです。
それに権利獲得が発表、もしくはすでにわかっているものでも、ファンサブはあいかわらず出回っています。先に述べたように、一旦出回ってしまったものは回収することができないのです。
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「ファンサブが実際に訴訟問題になったことはないから黙認されている」
訴訟問題になったためしはないから黙認されている、とは限りません。多くの場合、企業がファンサブに対応できるだけの余力がないのです。
また、そうしたことに人材や時間、予算を割くのであれば、ひとつでも多く作品の権利を獲得したり、現地版制作にまわしたり、作品のプロモーションをかけたいはずです。やはりファンサブは企業に余計な負担を強いている、としか結論付けられません。
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こうした議論はネットのいたるところで、毎日のように展開されています。しかしいくら説いても、現地企業やアニメ市場に与える打撃について理解を得ることは非常に難しく、逆にflame war(攻撃的な口論、誹謗中傷)に発展することがしばしばあります。
熱心なファンほどファンサブ擁護派が多く、彼らの言いたいこともわかるので、掲示板などで攻撃的な書き込みを読むにつれ、そうしたところでファン同士がいがみあわなくても、と心が痛みます。
当然のことながら、反対派も擁護派もお互い主張を譲りませんから、ファンサブ論争で決着をみることはまずありません。終わることなく、果てしない論争が長年続いているのです。
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ファンダム側の主張としては、こんなところでしょうか。
今回、現地企業側の対策や姿勢についても述べる予定でしたが、長くなりそうなので次回にしたいと思います。
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というわけで、つづく!(長々とスミマセン、憂鬱は続きます。)
To be continued…
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ファンサブ論争に思う『アニメ業界の憂鬱』 その3はこちら その1はこちら
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| ではまた次回。 |
| Ciao, |
| Romy |