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| 米国のアニメDVD売り上げ不振の理由 |
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DVDの売上低迷に関しては、ファンサブ以外の要因が3つあがっていますが、個別に見ていきましょう。
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■(アニメ業界だけでなく)映像業界全体でのDVDセールスの落ち込み
これまでDVDはVHSに換わるメディアとして、しかも画質のクオリティなども向上したことから、出せば売れる、という右肩上がりの状況でした。ここ数年の間に皆さんのDVDライブラリやコレクションもかなり充実してきたのではないでしょうか?
ところが、順調に見えていたDVDの販売数も、ここのところ陰りが出てきはじめました。
End of the DVD Party?
http://www.businessweek.com/bwdaily/dnflash/jul2005/nf2005071_7277_db035.htm
2005年7月と1年以上も前の記事ですが、ICv2などの業界内だけでなく、BusinessWeek Onlineでも記事として扱っているあたりがアニメに限った現象ではないことを示しています。
すでにこの時点でDVDセールスの勢いが失速しはじめており、アニメ業界もそのあおりを喰らったのです。
記事の中で述べられたDVDが売れなくなった主な理由:
1. 映画公開時に作品がヒットしなくても、DVDの売上で製作費の回収や利益を見込むようになり、映画作品がDVD化されるまでの期間がどんどん早まっていること。(88日後にはDVD化、というケースもあるようです。)
ヒットしたテレビシリーズも同じく次々にDVD化されているため、小売店の商品棚スペースが足りなくなり、売れない作品は次々返品されてしまう。
2. 最近ではテレビやゲーム、インターネットなど、視聴者はDVD鑑賞以外の娯楽に時間を割くようになっている。
3. ケーブルや衛星放送が(契約特典としてでしょうか)ほとんどタダ同然で視聴者にデジタルレコーダーを浸透させているので番組は録画保存し、DVDは買わなくなってきている。
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また、すでにこのコラムでもお馴染みとなった業界情報サイトICv2でも今年の年明け早々にこのような記事を掲載しています:
Home Video Sales Drop In 2005
http://www.icv2.com/articles/news/8010.html
興味深いのは、The Incredibles(邦題:Mr.インクレディブル)が2005年のベストセールストップ5に入っているにもかかわらず、その前の記事(BusinessWeekly Online)ではそうしたヒット作でさえ返品という憂き目にあっている、と報じていることです。業界全体に暗雲が広がり始めている様子がおわかりいただけるでしょうか?
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そして、来年2007年はというと…このような予測がされています:
Analyst Sees DVD Sales Decline By 2007
http://www.icv2.com/articles/news/7787.html
すでに発売中のタイトル(catalog listあるいはbacklistと呼ばれていて、市場の40%を占める)が打撃を受けるだろうと予測しています。(市場の残り60%が新規発売タイトル)
そして、売れ筋のタイトルもそろそろ大方出尽くしてしまう、とも。
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■DVDリリース数のあまりの多さ
上述したように、DVD販売数減少の理由のひとつとして挙げられるのが供給過多によるDVD市場の飽和状態です。[注1]
とにかく今はアニメにしてもマンガにしても、作品数が新旧ごちゃまぜで溢れています。これではせっかくアニメにはじめて興味を持ってくれた人でも一体何から買えばいいのか、皆目見当がつきません。
また商品を販売する店舗でも、商品スペースは限られているため、また在庫を抱えるリスクを減らすために売れ筋のものしか置かなくなります。
日本国内でも最近顕著が著しい「売れるもの」と「売れないもの」―この二極化がアメリカでも進んでいるのです。
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■アニメDVDが他のメインストリームの作品に比べて高価なこと
日本国内の普通のアニメDVD販売価格と比べると、アメリカのアニメDVDは安いと感じられます。(マンガの場合は逆に日本の方が安いのですが…)
例えば、2005年発売のサムライチャンプルーのDVDは日本国内では全13巻・各巻税抜価格で5800円です。米国Amazon.comで調べてみると、これが全7巻・各巻税抜の参考価格が$29.98、セール価格が税抜で$28.48となっています。確かに安いです。
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こころのつぶやき:
あれ?なんでアメリカではSamurai Champlooが全7巻なの?途中で打ち切り!?と思われた方もいらっしゃるかと思います。
アメリカでは、アニメDVD1枚に4話収録が通常なのです。そして第1巻目に4話〜5話入れることもあります。これは、まずDVD第1巻で作品を気に入ってもらい、続巻を買い続けてもらうためにこうした「お得感」を演出します。
北米版Samurai ChamplooのDVD収録話数はこのようになっています:
Vol.1 Episodes 1, 2, 3, 4
Vol.2 Episodes 5, 6, 7, 8
Vol.3 Episodes 9, 10, 11, 12
Vol.4 Episodes 13, 14, 15, 16
Vol.5 Episodes 17, 18, 19, 20
Vol.6 Episodes 21, 22, 23
Vol.7 Episodes 24, 25, 26
日本では各巻2話収録となっていますから、全シリーズ集めると税抜きで75400円。アメリカでは税抜の参考価格基準でも$209.86と、だいぶお得ですね。
【ご注意】!アメリカとはリージョンコードが違いますので、アメリカ版を日本のリージョン2DVDプレーヤーで再生することはできません。
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しかし日本から見て安く思える価格でも、アメリカ市場、特にメインストリームの代表格であるディズニーのDVDなどに比べてしまうと、それに対抗できる価格設定は非常に難しいといえます。
やはり出荷数の桁が違うため、メインストリーム作品に比べると価格が高くなってしまうのです。例えば先ほど2005年のトップ5にランクインしたThe Incrediblesですが、こちらはディズニーのウェブ販売で税抜価格$20.99です。米国Amazon.comでは税抜の参考価格が$29.99、セール価格が税抜で$19.99となっています。
サムライチャンプルーと参考価格はほぼ同額なのに、セール価格では$8.89もの差があります。(日本円で1000円弱)
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日本でも最近はコンビニなどでヒット作の廉価版が売られていますが、あれと同じ感覚でこちらではDVDがとにかく安いのです。Costcoや大型のディスカウントショップではさらに値段が安くなっている場合もあります。大量に仕入れて大量に売るから可能な価格設定なのです。
でもサムライチャンプルーはTVアニメだし、ディズニーの劇場版(The Incrediblesの制作はピクサーですが)と比べるのは…と思われる方もいるかもしれませんね。
同じ劇場作品の「イノセンス」を調べてみました。米国Amazon.comでは、税抜の参考価格が$29.98、セール価格が税抜で$26.99となっています。まだやはり差があります。(ただし、「イノセンス」は日本国内での価格設定は低くなっています。
同じく劇場アニメである「COWBOY BEBOP天国の扉」が8190円なのに対し、「イノセンス」は税込参考価格が3990円、税込価格が3121円!)
中には人気作「劇場版 鋼の錬金術師」[注2]のように、ディズニーよりも安くなっているものもあります。米国Amazon.comでは税抜きの参考価格が$29.98で、税抜のセール価格で$17.99です。
セール価格ではThe Incrediblesよりも$2安いです。(日本でも「イノセンス」のように税込参考価格が3990円、税込価格が3129円と、価格設定が低いです。)
これはかなり意欲的な価格設定といえるでしょう。
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しかし、例えアニメとしてはヒット作である「鋼の錬金術師」にしても、The Incrediblesに匹敵するほどの本数が売れるとはどう見ても考えられません。
それにアニメ視聴者は「じゃあなぜ他のアニメ作品も安くならないの?」とも思うでしょう。それを受けてか、最近では旧作でヒットした作品は、廉価版やBoxセットが出ています。
例えばこちらで人気の「トライガン」は日本ではDVD各巻税抜価格が5800円ですが、こちらではGeneon Signature Series(ジェネオン代表作)として各巻税抜$19.98となっています。The Incrediblesとほぼ同額です。
ここのところ、こうした値引き合戦はどんどんエスカレートしており、企業の収益はますます細っていっているのです。DVD市場においてもやはり、アニメ配給会社の置かれている立場は厳しいといえます
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●その4(最終回)-3:悪いのはファンサブではない?
ファンサブ論争に思う『アニメ業界の憂鬱』
その1はこちら その2はこちら その3はこちら その4のトップ
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和製アニメ・マンガ海外事情に関する質問募集中です。
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| ではまた次回。 |
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Ciao,
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| Romy |
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