userさんからの質問:
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日本語と英語のバイリンガルなロミさんに質問です。アメリカの声優はあまり上手ではないとよく耳にしますが、実際のところ比べてみてどうですか?
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そうですね…技量について言えば、アメリカ側もがんばってはいるんだけど、今ひとつ、というのが率直な意見です。
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私がはじめて和製アニメの英語吹き替えを見たのは「Star Blazers」です。英語名に名前を変えた「宇宙戦艦ヤマト」です。当時はまだ英語もよく話せませんでしたので、吹き替えの出来を判断することはできませんでした。 ただ、「Robotech」と名前を変えた「超時空要塞マクロス」はテレビで少しだけ見たことがあります。やたらと「Huh?」と言っていたり(おそらく日本語で「え?」となっていたのでしょう)、詰め込みすぎた棒読みのセリフというのは、英語ができなくてもわかりました。
あれからもう20年以上たつわけですが、当時に比べると吹き替えは格段によくなっていると思います。それでもまだ違和感を感じることがあります。
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自然と、なぜ?…という疑問が沸きます。
アメリカでアテレコする際には、すでに日本国内で完成している作品の映像を見ながら収録するわけで、キャラクターの表情やシチュエーションなどは把握しやすいはずなのです。そういうところで日本の声優さんはすごいなあ、と関心させられます。
日本ではアフレコする際に、絵のついていなこともしばしばあるわけで、そんな中、監督や演出家、音響監督の指示に従って演技ができてしまうわけですから。
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ただ、これについてはアメリカの声優さんたちだけの責任というわけでもありません。ローカライズ(現地版制作)を取り巻く環境の悪さにあると思います。
最近ではエウレカセブンがよい例ですが、放映がはじまると同時に海外でも展開、あるいはそれに向けた準備がはじまってしまいます。
まだ作品が完結していない中、翻訳やアテレコを行わなければならず、先の読めない作業は翻訳から演技指導まで、苦労の連続でしょう。 |
ここで一言:
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日本で使われる「アフレコ」「アテレコ」ですが、こちらでは吹き替えはvoice overやdubbing (dubb)と呼ばれています。収録はrecordingです。「アフレコ」はafterrecordingの略ですが、こちらでそう言うことはまずありません。
おそらく和製英語でしょう。調べてみると「アテレコ」は映像に声を「充てる」ことから「アフレコ」をもじった言葉ですが、もう死語となりつつあるようですね。
ここではすでに完成した映像にローカライズとして声を「充て」ていることからあえて「アテレコ」としました。
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では次に、いくつかあげられる理由を説明します。
・口パクという制約
すでに映像ができているということは、口パクも合わせなければなりません。これがなかなかに難しく、聞いた話ではアメリカの口パクと日本の口パクとはまったく違うそうです。
確かにアメリカの口パクって、日本にはない、口の中が白い=歯を見せているのや、口を突き出してるやつとかがありますよね。まあ口が上下にしか開かなくて首カクカクもありますけど…とにかく、口が動いている間にしゃべらなければなりません。
日本語では短い言葉でも、翻訳するとどうしても長くなってしまう言葉もあります。それを無理に詰め込もうとするので、棒読みになってしまったり、あまり感情のこもらない言い方になってしまうようです。
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逆に、日本語オリジナルではセリフの入っていないところでもしゃべっていたりすることがあります。これは口パクに入りきらなかった分を補うためではあるものの、ちょっとやりすぎなこともあります。
どうやら常に誰かがしゃべっていないと子供が飽きる、理解できない、と勘違いしているところがあるようで、絵で見せる演出意図を台無しにしてしまうこともしばしばです。
配給会社によってはそうした意図的な「改変」を認めているところと、一切認めていないところ、両方あります。
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ここで一言:
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口パクはmouth flapと言います。大抵flapと短く言うのですが、flapとは翼をはためかせたり、旗がなびいたりと「パタパタ」あるいは「ヒラヒラ」する、という意味です。
口を「パクパク」させるから「口パク」と呼ぶのと似ていますね。
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・集団同時収録 vs 別取り 大抵の場合、こちらのアテレコは「別取り・オンリー録り」と呼ばれ、日本のように集団でマイクの前を入れ替わり立ち替わりしての同時収録はありません。
掛け合いなど、息の合わせ方が難しいのじゃないか、と私は思ってしまいます。やっぱり演技するにも、相手方の出方を見ながら、というのと一人芝居とでは違うんじゃないかと。 ただアメリカだと、声優を同じ時間に一ケ所に集めるのは至難の業。土地が広いですし、住んでいるところもかなりバラバラですから、皆揃って収録するより別々の方が結局は効率的なのかもしれません。
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・声優の地位
声優というポジション自身、アメリカではあまり高いものではないのです。
日本では今では声優さんたちはアイドル化され、CDを出したり、サイン会を行ったり、と人気な職業ですが、こちらでは俳優を目指す人たちが一時的に行う仕事、と少々見下した感じがします。
「オレは声の演技で食っていくんだ!」という仕事に対する意気込みというか、姿勢が感じられない場合があるのです。いかにもバイト感覚で「自分のセリフのところだけ読みました」っていうのがわかってしまうのです。
モチベーションをいかに上げていくかが課題ですが、最近では声優もアニメコンベンションなどにゲストで多数参加するようになり、意識的にもだいぶ変わってきているように思えます。
「将来、声優になりたい!」とはじめから声優を目指している人も出はじめているようです。今のアメリカ人は小さい頃からアニメを見て育ってますから、今後はよりアニメキャラ寄りの声色と演技も出せるようになるでしょう。
この点については時間が解決してくれるので、あまり心配はなさそうです。
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それでは次はもっと根本的で根深い問題点について説明しましょう。 その2に続く
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