5月31日から6月5日まで浙江省杭州市で開催された「中国国際アニメ・マンガフェスティバル」は、中国初の国家レベルのアニメ関連イベントとして日本でも大きな話題を呼んだ。7月11日にアジアITビジネス研究会では、同フィェスティバルの日本企業への窓口を務めた佐々木潤二氏を招いて同イベントの成果と、マスメディアにもしばしば取り上げられた同イベントで海賊商品が出展されたなどの問題点について説明した。また、日本企業が中国に進出する際どうすればいいのかといった点について話した。 講演は、全体に中国の実態について素直な意見が多く興味深い内容であった。特に、昨今の日本を含む海外アニメの排斥とも言える中国の政府の動きを、中央の動きと地方の動きは別で分けて考える必要があるとの考え方は判りやすいものであった。 つまり、中央が国家として海外アニメを排斥しようとする意図があったとしても、地方や民間レベルでは日本の商品やライセンスを欲しがってビジネスをしたい企業は多い。そうした企業とならビジネスが出来るだろうという。地方から市場を攻略するという考え方である。 また、海賊商品については地域で信頼出来るパートナーを見つけること、本物を低価格で供給することで本物の良さを伝えることが一番の対策とする。一方で、海賊商品産業の一部は地場産業化して地方政府と結びついているケースもあるとし、この問題の根深さを明らかにした。 しかし、「中国国際アニメ・マンガフェスティバル」の海賊商品が会場で指摘されながら、最終日まで撤去されなかったことについては、権利侵害を主張した企業が政府や団体に対して何らかの妥協をしたのではないかと示唆したのみで歯切れの悪さが残った。 いずれにしても、今回の「中国国際アニメ・マンガフェスティバル」の開催は、中国市場の潜在的な大きさと依然大きな問題である市場の未成熟という問題があるということをあらためて認識させたという意味で価値のあるものだったといえるだろう。『第1回 中国国際アニメ・マンガフェスティバル報告会』講師:佐々木潤二氏主催:アジアITビジネス研究会/アジアITビジネス研究会
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