フランスのアニメ市場のレポート
7月24日の記事で日本貿易振興機構のアニメ市場のレポートについて 、“また、米国やアジアに較べて影が薄くなりがちな欧州地域についてのレポートも望みたい。” と書いたが、ジェトロはフランスに関するアニメ市場のレポートもアップした。『フランスにおける日本ア
コラム・レビュー
レポートは33ページで構成されておりやや短めだが、アニメやマンガ市場の情報や統計が少ないヨーロッパ市場の中で、出来る限りの情報と数字を集めている。また、これまでは断片的な情報が多かったフランスにおける外国作品の放送規制や、フランスにおける日本アニメの歴史についてなどがまとまられている。
レポート全体を通じて判るのは、フランスが米国や他のヨーロッパに比べても群を抜いて早い段階から日本のアニメ・マンガコンテンツを受け入れてきたことと、フランス市場での日本アニメの存在感の大きさである。個々の数字だけ取ると判り難いが、フランスの人口が日本の半分、米国の1/5であることを考えるとその大きさが理解出来る。
とりわけそれを感じさせるのが、マンガとアニメDVDの売上高である。フランスのマンガの売上高は米国の1億5000万ドルに対して2億2000万ドル、DVDは米国が1億8000万ドルに対して1億1200万ドルとその規模において米国に遜色がない。市場が大きいと思われている米国、中国の陰で実はフランスを中心としたヨーロッパは日本にとって非常に有望なコンテンツの輸出市場であることが判る。
しかし、ヨーロッパ市場についてもこれまでの米国市場と同様、日本アニメの存在感の大きさの割には、それが実際の日本企業の収益に結びついているかというと疑問が残る。こうした環境をからより効率的なビジネスに結びつけるためにも、今回のようなレポートが必要とされていると言えるだろう。
/日本貿易振興会
『フランスにおける日本アニメを中心にするコンテンツの浸透状況』
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財団法人デジタルコンテンツ協会も資料をだしています。
フランス、スペインのアニメーション市場視察報告書 ダウンロードは/ここから