コンテンツ産業と有料放送市場のレポート | アニメ!アニメ!

コンテンツ産業と有料放送市場のレポート

 少し古いレポートになって恐縮だが、今年の2月にみずほコーポレート銀行産業調査部から「コンテンツ産業の育成と有料放送市場 -映像コンテンツ産業の発展に資する流通市場を構築するために-」という興味深いレポートがでている。日本のコンテンツ映像における有料放送

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 少し古いレポートになって恐縮だが、今年の2月にみずほコーポレート銀行産業調査部から「コンテンツ産業の育成と有料放送市場 -映像コンテンツ産業の発展に資する流通市場を構築するために-」という興味深いレポートがでている。日本のコンテンツ映像における有料放送市場の可能性についてまとめたレポートである。

 レポートは、アニメをはじめ映画、スポーツなどの個別の事例を取り上げ、日本の映像コンテンツビジネスは広告収入を主な収入とする地上波放送への依存度が高くとしている。そして、これらのコンテンツ産業が広告市場の動向に影響を受けやすく、コンテンツ流通の可能性を阻害する要因になっていると指摘している。
 そのうえで今後進むであろう放送の多チャネル化により、有料放送市場に大きな可能性があるとしている。有料放送市場は、現在は伸び悩んでいるが今後さらなる成長を遂げるという。また、デジテル化、多メディア化の中の新しいコンテンツ市場だとしても重要だとしている。

 アニメ市場については、日本の子供市場への依存が少子化と番組の当たりはずれを避けるスポンサーの存在により、地上波放送に馴染まないビジネスになっていると指摘している。深夜アニメは効率の良いビジネスだがそれだけでは問題があるともしている。
 レポートでは、マンガ原作、マニア作品で安定収入を得ながら「ポケモン」のような大ヒットを狙うのが合理的としている。また、有料放送市場の広がりは、広告市況に影響されない手段としてアニメ市場の発展に貢献するだろうと結んでいる。

 このレポートの中で、筆者は有料放送市場の未来をアメリカや中国のテレビ市場のような無数の放送局が連なる状況を想定しているようだ。そこまで行くかどうかは判らないが、長期低落傾向にある日本の地上波放送の視聴率が今以上に下がる可能性は高い。
 また、多くのアニメ作品がますます地上波の一般的な時間帯での放映が難しくなることが想像出来る。しかし、そうなれば地上波放送出来る知名度の高い人気アニメ作品と有料放送の中で放映される作品との間の二極分化はさらに進んで行くことになりそうだ。

/みずほコーポレート銀行
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