今年12月、日本とフランスが共同製作する初の長編アニメーション『よなよなペンギン』が劇場公開する。日本ではまだあまり例がないフルCGアニメーション作品である。劇場アニメーションで定評のある日本のマッドハウスとフランスのCGアニメーション制作を代表するデニス・フリードマン・プロダクションが手を組んだ。 日本からはキャラクターデザインに寺田克也さん、脚本には金春智子さんらが制作に参加する。そして、日仏のスタッフを『銀河鉄道999』や『メトロポリス』で知られるりんたろうさんが監督としてまとめあげる。現段階で日本、フランスを含めて、ヨーロッパ、東アジアを中心に世界18ヶ国での劇場公開が決定している。『よなよなペンギン』は、世界でも大きな注目を浴びる大型劇場アニメーションである。 7月13日、この『よなよなペンギン』製作報告記者会見が、東京・飯田橋にある東京日仏学院で行われた。日本とフランスの企業が参加する大型プロジェクトということもあり、会場には丸田順悟マッドハウス社長、デニス・フリードマン氏のほか、駐日フランス大使のフィリップ・フォール氏も訪れて、映画製作への喜びを語った。 また、会場では最新プロモーション映像を上映し、そのきらびやかな映像の魅力を紹介した。そして、りんたろう監督、主人公ココ役の声を担当する森迫永依さん、その友達チャーリー役の田中麗奈さん、そしてやはり声優として出演する爆笑問題の太田光さん、田中裕二さんが挨拶に立った。 『よなよなペンギン』の映像は3DCGアニメだが、どこか2Dアニメのテーストを残したほかのCGアニメーションとは異なるキャラクター作りが魅力となっている。 この映像について りん監督は、日本らしさに拘ったことを強調する。「CGアニメーションにはピクサーなどもあるが、同じことをやってもかなわない。日本のアニメーションのDNAで、新しいCGアニメーションを作った」という。それは過去60年間、日本の2Dアニメーションが培ってきたノウハウをフルCGに注ぎ込んだもの、絵本がまるで動き出したかのような世界になるという。 そうした映像世界は、プロモーション映像からも十分伝わってくる。溢れる色彩のなかのキャラクターは、確かにどこか日本のにおいを感じさせる。CGアニメーション自体は既に海外の映画でも多くあるが、それとは全く異なる見たことのない映像が『よなよなペンギン』では期待出来そうだ。 その主人公を演じる森迫さんはとても重要な役柄だが、悪いものは悪いと言えて、友達思いの真っ直ぐな女の子を存分に演じきった様子だ。田中麗奈さんは、男の子役だったのでアフレコの時にちょっとした仕草が女の子っぽくなってしまったことで苦労したと話す。 報告会の中でも軽快なギャグの連発で会場を沸かせた太田光さんは、へそまがりで素直なザミーを演じる。一方、田中さんは悪役ブッカ・ブー役、とても田中裕二さんの声とは思えない演技が注目だ。 映画の公開まではあと半年、まだ少しばかり時間があるが、制作は既にポストプロダクションに入っており完成間近とのことだ。この冬注目の大作アニメーションから目が離せない。 『よなよなペンギン』 /http:// www.yonapen.jp12月全国ロードショー【スタッフ】監督: りんたろう脚本: 金春智子 キャラクターデザイン: 寺田克也制作: マッドハウス/DFP 配給: 松竹(c)りんたろう・マッドハウス/「よなよなペンギン」フィルムパートナーズ・DFP