――昨年のジャンプフェスタに寄せられた松本先生のコメントに、「めちゃくちゃアフレコ現場に参加するタイプなので、今後もたびたび顔を合わせることがあると思います」とありました。キャラクターについて何かお話されたことがあれば教えてください。
加藤：原作に描かれていないレノのバックボーンを自分なりに想像して演じていたのですが、それを松本先生に確認する機会がありました。そこで、まだ明かされていないレノの裏話を聞けたりして、本当にありがたい環境にいるなと。セリフの解釈に迷ったときもすぐに聞けるので、安心して役作りに臨めます。役者だけではなく、制作の方々もそう感じているのではないでしょうか。
福西：私はこれが初めてのアニメ主演作なので、慣れない立場できっと時間をおかけするだろうと思い、初回収録に臨む前は居残りも覚悟していました。
ところが、ありがたいことに大きく軌道修正するようなディレクションはなく、自分が持っていったカフカ像を先生にも監督にも肯定していただけて、ホッとしました。しかもその後、先生に「自分が考えていたカフカそのものでした」という言葉までいただいて……！ そこからさらに、生き生きとカフカを演じられるようになりました。
――先ほど「おじさん主人公」という言葉があったように、カフカはジャンプの中でも異色な主人公です。とくにどんな視聴者に見てほしいと思っていますか？
福西：もちろん老若男女関係なく見てほしいですが、挫折や失敗をしたことがある人には特に刺さる主人公だと思います。私がカフカの生き様を演じて思ったのは、「これまでやってきたことは、絶対どこかで活きてくる」ということ。私は環境が合わなくて、一度高校を辞めたことがあるんです。その後、別の高校に入ったのですが、そこがすごく楽しくて。一度失敗したからこそ、よりプラスになる場所にいけたという経験が自分にもあるので、それをカフカに当てはめると、より共感して楽しんでもらえると思っています。
加藤：僕もそう思います。仕事がないときに友人とやっていた遊びのおかげで、今回この『怪獣８号』に出演できたように、きっと経験は未来に活きてくると思います。
――本作は、怪獣が人々をおびやかす世界が舞台。お2人がもしこの世界に生きていたとしたら、防衛隊を目指しますか？
福西：私はその世界に生きていたとしても、表現する仕事をしていると思います。命の危険が近くにある人たちを、表現で勇気づけてあげたい。こういう世界だからこそ、いわゆる“推し活”が大事になってくると思います。防衛隊の中にも“推し隊員”とか作っちゃったり（笑）。
――その場合、カフカを推しますか？
福西：……カフカじゃないんだろうなぁ（笑）。スマートに仕事をこなす方が好きなので、保科（宗四郎）さん推しになっている気がします（笑）。
――（笑）。加藤さんは？
加藤：どの世界に生まれても、自分の向き不向きはあまり変わらない気がします（笑）。防衛隊に入っても戦うことは無理だから、メディア戦略部門とかやりたいです。隊員のスター性を確立させるようなことを企画します。それが人々の希望にもなりうるでしょうし！
――最後に、放送を楽しみにしている視聴者にメッセージをお願いします。
福西：作品を愛してやまないクリエイターたちの魂の結晶が、もうすぐ皆さんの元に届きます。『怪獣８号』ファンの私が、自信を持って皆さんにオススメできる最高のアニメになっています！ ぜひじっくり楽しんでください。
加藤：福西さんと同じ思いです。とにかく見てほしい！ 一度見れば、その面白さに夢中になると思います。
――ありがとうございました！
放送情報
4月13日より毎週土曜23：00～
テレ東系列ほかにて放送
X(Twitter)にて全世界リアルタイム配信
スタッフ
原作：松本直也（集英社「少年ジャンプ＋」連載）
監督：宮 繁之 神谷友美
シリーズ構成・脚本：大河内一楼
キャラクターデザイン・総作画監督：西尾鉄也
怪獣デザイン：前田真宏
美術監督： 木村真二
色彩設計：広瀬いづみ
3D監督：松本 勝
撮影監督：荒井栄児
編集：肥田 文
音響監督：郷文裕貴
音楽：坂東祐大
怪獣デザイン＆ワークス：スタジオカラー
アニメーション制作：Production I.G
キャスト
日比野カフカ/怪獣8号：福西勝也
亜白ミナ ：瀬戸麻沙美
市川レノ ：加藤 渉
四ノ宮キコル：ファイルーズあい
保科宗四郎：河西健吾
古橋伊春：新 祐樹
出雲ハルイチ：河本啓佑
神楽木葵：武内駿輔
（C）防衛隊第3部隊 （C）松本直也／集英社
