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【2009年から13年を目指す】
国のコンテンツ産業分野の戦略をまとめる知的財産戦略本部は、コンテンツ産業振興の中核のひとつとしてブランド戦略を打ち出している。アニメやマンガ、映画、ドラマ、音楽、ゲームといったエンタテイメントコンテンツに加えて、食やファッション、デザインといった分野も含めたソフトパワー産業と位置づけて、産業振興や海外展開を進めるものだ。
こうした中で知的財産戦略本部のコンテンツ・日本ブランド専門調査会は、この3月に今後の日本ブランド戦略の指針となる「日本ブランド戦略(案)~ソフトパワー産業を成長の原動力に~」をとりまとめた。これは2009年度から始まる国の知的財産戦略第3期、5年間の基本方針をサポートするものである。
日本ブランド戦略(案)には、日本ソフト産業振興のため3つの目標とそれを実現するための5つの戦略を提示している。基本戦略の3つの目標は「創造力の強化」と「発言力の強化」、「体制の構築」である。
そしてそれを支える戦略としてさらに、次の5つを挙げている。
戦略1 ソフトパワー産業の振興<クリエイターの活動の場を創出する>
戦略2 創造基盤の整備 <創造を支える環境を整備する>
戦略3 外に向けての発信力強化 <ターゲット・方法を重点化する>
戦略4 訪日促進等を通じた認知度の向上<日本ファンを世界に広げる>
戦略5 推進体制の構築 <官民挙げての日本の力を結集する>
【期待の大きなアニメ・マンガ分野】
また報告書の中では、アニメ・マンガ関連については、分野を特定して言及されるケースも多くなっている。報告書の出だしも「日本のアニメ、マンガ、ファッション等は、日本の文化的土壌の中で育まれてきたものであり、海外で高く評価されているにもかかわらず・・・」とあり、日本ブランド、国内ソフトパワー産業におけるアニメ・マンガの存在感と期待の大きさが表れたものになった。
実際の施策では、これまでも進められている文化資源のアーカイブ化、若手クリエイターの育成、中小企業の活性化、海外展開のサポート、デジタル時代のビジネスモデルの構築などが従来どおり述べられている。
一方で新しい視点も盛り込まれている。例えば、アニメ・マンガの分野でも、海外からの人材を受け入れることを提言している。国際化する製作体制や日本文化の波及などからも期待されるものだ。労働市場の規制により障害がある分野だが、今後の変化が待たれる。
さらにアニメ・マンガ分野の顕彰制度の充実を述べるなど、海外に対するブランド価値の拡大と同時に、国内での産業地位の向上も視野に入れている。
【インターネット上の権利侵害行為対策も】
また、今回の戦略(案)とそれに合わせて議論された第3期知的財産戦略の基本方針の在り方について(案)の中では、これまで以上に日本コンテンツの海外の海賊版や違法行為に対する言及が増えている。特にこれまでの実物の模倣品、海賊版に触れることが多かったが、今回はインターネット上での海賊行為に多く言及している。
映画や音楽、アニメ、そして最近はマンガに至るまで、現在海賊行為の中心はインターネット上に移行しているので、合理的な判断である。実際にアニメやJ-POPの分野での海外での権利侵害による被害は深刻で、現在はそれがマンガにも広がりつつある。
対策の方法としては、模倣品・海賊版拡散防止条約(仮称)の早期妥結や二国間や多国間協議の場を通じた侵害発生国・地域に対する取締りに向けた働き掛けの強化が挙げられた。しかし、速攻性のある効果が期待出来る対策は少なく、今後の課題になるだろう。
海賊行為対策は法制度やコストの問題もあり、個別企業単位での対策は非効率である。それだけに行政による強力なリーダーシップが期待される部分である。
アニメ作品への権利侵害がインターネットで氾濫している欧米地域では、日本アニメのDVD業界は既に壊滅状態と言われている。インターネット上での海賊行為に対する動きが、遅まきながらこうした状況に何らかの威力を発揮することが期待される。
【日本ブランド戦略推進委員会(仮称)を設立】
コンテンツ・日本ブランド専門調査会は、最後に、こうしたブランド戦略推進のために新たな体制の構築を提案している。クリエイターを中心とする懇談会と省庁連携・官民連携による官民合同メンバーを構成員とする「日本ブランド戦略推進委員会」(仮称)である。
日本ブランド戦略推進委員会は現在の専門調査会と同じ構成となっている。日本ブランド戦略を継続して討議することで、提言だけでない継続的な戦略実行体制の構築を目指すものとなりそうだ。
知的財産戦略本部 http://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/
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