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2005年02月17日
調査・レポート ]
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 大手調査会社の大和総研が、『サザエさんの視聴率と株式市場の不思議な連動性』と題した大変面白いレポートを公表している。このレポートは、正味1ページしかないのだが、なんと大真面目にサザエさんの平均視聴率と東証平均(TOPIX)との相関関係を調べているのだ。しかも、研究の発端が明るいはずの『サザエさん』が『サザエさん症候群』なんて不名誉な名称に使われているのが残念という理由から来ている!何しろ、“ところで、サザエさんが社会現象に繋がるのであれば、株式市場にも少なからず関係があるのでは?との考えが浮かぶ”とさらりと言ってのけているが、強引に論理を展開してしまう証券マンもびっくりの素晴らしい発想力である。
 結論から言ってしまうと、『サザエさん』の視聴率とTOPIXは比較的強い逆相関の関係があるそうだ。つまり、『サザエさん』の視聴率が上がれば株価は下がり、逆に視聴率が下がれば株価はあがることになる。
 詳しく説明すると、サザエさんの視聴率の26週間移動平均線(毎週過去の26週間の数字を平均してその平均値の推移をグラフ化したもの:説明するとややっこしいので大和総研のレポートを見てください。)とTOPIXの26週間移動平均線が-0.86という強い逆相関関係にあるという。相関関係は1.0の時は全く同じ動き、―1.0の時は正反対の動きになり数字が小さくなるほど連動関係が薄れる。つまり、-0.86はほとんど正反対の動きをしていることを意味している。レポートによると連動性が高いと言われるニューヨーク株とTOPIXの相関係数が0.58であるとしているから、-0.86がいかに強い逆相関関係にあるかが理解出来る。
 なぜ、このように強い逆相関関係にあるかについてレポートは、景気が悪くなると外出せずに家にいる人(つまり家でサザエさんを観ている人)が多くなることと関連があるのでないかと結んでいる。

 ちなみに、このレポートを出しているが、研究所の中でもクオンツ分析の専門家であることも面白い。クオンツ分析は金融工学を駆使した定量分析が中心となり、経済の流れを大まかに語るストラテジストといった人達よりも、より厳密な数字の世界にいるように思える。そうした、定量分析の結果『サザエさん』の視聴率がTOPIXの株価と連動性があるというのは、なんとなく頼もしい。(^^)

大和総研 
大和総研のレポート サザエさんの視聴率と株式市場の不思議な連動性

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posted by animeanime at 14:03 | コメント (0)
2005年02月04日
本の紹介 ]
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 この本は、大塚康生氏が1970年代の終わりから1980年代にかけて関わったテレコムが製作した日米合作の大作アニメ『リトル・ニモ』を巡る物語である。大塚氏はプロデューサー藤岡豊氏を物語の中心に据え、その立ち上がりから顛末までを淡々と語っている。その途方もない製作費や宮崎駿氏、高畑勲氏、メビウス氏、レイ・ブラッドベリ氏...、今では考えられないようなスパースターが次々にこの作品に関わって去っていくのは、何か現実離れしたドラマのようにも写る。そして、それだけの予算と才能にも関わらず実質的に『リトル・ニモ』は商業上の失敗作だった。

 このリトル・ニモを巡る話は、様々なことを考えさせる。それは、この本の主題である日本アニメの海外進出や日米合作映画の難しさ、さらに劇場アニメとテレビアニメの違い、フルアニメーションとリミテッドアニメーションの違いまでも含めてだ。リトル・ニモの経験は、現在増えつつある日本のアニメ製作会社の海外志向にも多くの示唆を与えるだろう。
 しかし、この本の一番のテーマは、夢ではないだろうか。それは、この本で大塚康生氏が生き生きと描いたプロデューサー藤岡豊氏の成功への夢であり、著者を初めとする日本のアニメーターのフルアニメーションや米国アニメーションへの夢でないだろうか。
 そして、1980年代当時で55億円という莫大な製作予算が、製作の途中で尽きてしまった時に、それぞれの人が見た夢は弾けてしまったのだろう。日本アニメーションが米国市場で、世界市場で大成功出来るかもしれないという夢がである。それは、あたかも夢の世界を冒険したリトル・ニモが最後に目を覚まし現実に戻るがごとくのようだ。

 このリトル・ニモのあとにも、幾つかの日本アニメーションが米国上陸を図ったがいまだに本当に成功した作品は『ポケットモンスター』だけである。『ポケットモンスター』が、極めて日本的な低予算のリミテッドアニメの作品であることは、皮肉な話である。
 『リトル・ニモの野望』を読んでいると、日本側の関係者が米国市場で売るという夢を追うあまり、多くのことで妥協し過ぎてしまったようにみえる。それが、一番の失敗の原因でなかったのでないかと。それが、今だから言えること、当事者でないから言えることであるかもしれない。当時の日米の状況がそれを許さなかったかもしれない。
 しかし、米国と同じやりかたなら、米国人がやったほうがうまく出来るのが当たり前である。結局、日本が勝負するのは、日本アニメの表現の仕方しかないと思える。これは、生まれてからずっと長い間リミテッドアニメを観ながら育った僕の感想である。

アマゾンへのリンク
リトル・ニモの野望
大塚康生
徳間書店 1470円

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posted by animeanime at 12:58 | コメント (0)