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2005年11月30日
調査・レポート ]
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 社団法人コンピュータエンターテイメント協会(CESA)が、「東京ゲームショウ2005来場調査報告書」の日本語版と英語版の公開を行っている。現在、CESAの公式サイトよりダウンロードが可能になっている。「東京ゲームショウ 来場調査報告書」は、毎年CESAがゲームショウの会場で来場者に行ったアンケート調査をまとめたもので、ゲームファンの幅広い意見や動向をまとめた貴重な資料として利用されている。2005年の調査数は1160人(うち有効1084人)であった。

 本年の報告書は日本語版が70ページからなり、例年調査される基本属性やゲーム経験、保有機種などの基礎調査以外に、本年から「家庭用ゲーム機本体カラーの好み」、 「新作家庭用ゲームソフトの購入タイミング」、 「携帯ゲーム機の諸機能に対する関心・利用状況」、 「ホラーに対する関心とゲームプレイ意向との相関性」、 「プロレス・格闘技に対する関心とゲームプレイ意向との相関性」などの調査も行われている。
 また、本年大きな話題を呼んだ年齢制限問題を背景に、「レーティングマークの認知状況」の調査も強化した。

 調査対象の基本属性は全体に大きな変化は見られず男性約8割、平均年齢は24.2歳となっている。ゲーム以外の趣味では「マンガ・アニメ」、「パソコン・インターネット」が多くなっているのも例年通りである。
 保有ハードウェアは、プレイステーション2がやはり強く、かつ毎年所有者比率を上げている。また、人気のあるゲームジャンルでは、7割以上の回答者があげたロールプレイングゲームが圧倒的に強かった。 

 アニメ関連として興味深い質問では、PSPやニンテンドーDSのゲーム以外の利用である。現在、これらのハードで音楽・動画を楽しんでいる利用者は15.3%と少数であるが、今後の利用に関心があるとした回答が50.1%と半数を超えている。今後は、こうした携帯ゲーム機をアニメや映画などの動画を観るための利用が広がる可能性を感じさせる結果となっている。
 同様に、携帯ゲーム機のネットワーク利用も利用経験者が9.5%であるのに対して、関心がある層は57.1%であった。携帯ゲーム機は、これまで考えられている以上に可能性の秘めたエンターテイメントメディアといえるだろう。

 また、今年話題を集めたゲームソフトのレーティングについては、レーティングマークの認知度(知っており見たことがあると知っているが見たことがないの合算)が2003年の27.9%から2004年の36.9%、本年の48.2%と急激に増加していることが判る。しかし、依然、半数以上の人がその存在を知らないという問題があることも明らかになっている。
 この他、調査では携帯電話ゲーム、パソコンゲーム、ネットワークゲームなど多岐に亘った結果が発表されており、現在のゲームユーザーの姿を知るのに欠かせない資料といえるだろう。

社団法人コンピュータエンターテイメント協会 
 東京ゲームショウ2005来場調査報告書(ダウンロード)
東京ゲームショウ 

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2005年11月28日
雑誌 ]
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 国内外のアニメーション産業の現状がいまだきちんと把握されていないなか、米国のアニメ市場の動向について統計・数字によって分析出来る数少ない専門家に米国WOWMAXメディアの海部正樹代表がいる。海部氏はこれまでも「米国アニメ市場の実態と展望」など、幾つもの調査をまとめている。

 この海部氏が今月25日発売の雑誌「NewWORDS」に、米国のアニメ・マンガ市場について興味深いレポートを寄稿している。レポートは『“アニメバブル”崩壊!?-北米アニメ、マンガビジネスの最新レポート-』とかなり刺激的なタイトルになっている。
 内容は2004年より縮小し始めた米国の日本アニメビジネスの状況を取り上げて、こうした状況を「バブルの崩壊」とするべきなのか、「ビジネスの進化」とすべきなのかの問いかけである。
 海部氏は、近年囁かれていた米国市場での日本アニメビジネスの縮小をDVD販売の縮小とライセンス収入の減少、日本アニメの地上波放送枠の減少によって証明する。また、こうした背景には、DVDの販売タイトル数の増加や男児・女児がおもちゃよりもゲームに興味を持つようになったことにも原因があるのではないかと考えている。

 しかし、こうした状況にもかかわらず、海部氏は米国で成長し続けるアニメコンベンションや好調なマンガ出版などにも触れ、アニメマニアの数自体は減っていないという。海部氏は、日米の企業によって増えている新しいタイプの共同制作の中に「一段と進化したクリエイティブとビジネスのスキーム」があるとレポートをまとめ終えている。

 海部氏のレポートは、米国における日本アニメ・マンガ市場の現況を的確に捉えているといえる。ここ数年、日本の行政やメディアが喧伝してきた日本のアニメはすごい、世界中で圧倒的に強いといったイメージは、少なくとも米国ではだいぶ前に終わっている。
 しかし、それを理由に日本アニメが米国市場で全く問題にならないかというとそれも間違いである。少なくとも、日本アニメはブームと言われた1990年代以降に着実な足場を築いており、10年前には全く存在しなかった新しいマーケットを維持し続けているからだ。
 そして、海部氏の指摘のとおり、日本アニメマニアは減っているというよりも、むしろ増えている可能性のほうが強い。

 問題なのは、1990年代後半以降、日本が米国で作り上げたアニメビジネスの王道である地上波放送とキャラクター商品販売を組み合わせるキッズ向け市場モデル、マニア向けのDVD販売ビジネスモデルがいずれも通用しなくなって来ていることである。その理由には、子供の視聴者自体を切り捨てようとしている米国の地上波放送局の存在や、ますます盛んになるインターネット上のP2Pを使った動画交換などの動きもある。
 重要なのは、こうしたメディアの変化やテクノロジーの発展に対して適応する能力である。少なくとも、日本のアニメは米国で既に終わったと喧伝することではない。そして、そうした解決策のひとつに、日米共同製作があるのは間違いない。

 日米共同製作の動きは日本側からみれば、当初から日本の市場でなく米国市場に向けて作品を作ることで、日米の文化の違いといったビジネスのリスクを軽減出来る。また、製作資金の一部が米国企業から出ることで資金負担の軽減が可能になる。制作当初より、作品の放送媒体が確保されている点も重要だ。
 現在、国内アニメ市場が飽和し、米国市場では日本アニメの供給過剰に陥っている。日米共同製作は、市場拡大のために残された数少ない未開拓領域である。
 一方、米国企業にとってもメリットが大きい。最初から米国市場を意識することによって、日本の人気作品が持つ暴力シーンなどによる放映不可能リスクを避けることが出来る。さらに、これまで日本企業が保有していたライセンス、2次利用権の一部が直接手に入ることも重要である。今では米国企業も、日本アニメのビジネスの本質が2次利用権にあること、一旦ヒットするとそれが巨大ビジネスに変わることを理解している。
 こうしたアニメ作品と関連商品の販売、2次利用権と結びつけたビジネスは依然日本アニメに大きな強みがあり、日本企業と組みながらライセンスを手に入れられる共同製作は米国企業にとって魅力が大きいと言っていいだろう。

 しかし、日米共同製作は変化している市場に対応する方法のひとつに過ぎない。今後は日米共同制作だけでない全く新たな「進化したクリエイティブとビジネススキーム」も現れて来るに違いない。そして、それが出来る企業だけが米国市場で生き残ることが出来るのだろう。

NewWORDS 
米国アニメ市場の実態と展望 

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2005年11月17日
そのほか ]
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 企業が作成する有価証券報告書は、本来は投資家が企業を知るためのものである。しかし、その内容の正確さや深さから投資家でなくても、その企業や企業の関連業界の状況について知る資料になる時がある。
 11月17日に、ジャスダック市場に上場申請が承認されたプロダクション I.Gの『上場のための有価証券報告書』もそのひとつである。アニメーションビジネスの仕組みは複雑で、業界構造が活字としてまとめられることが少ない。
 そうした中で、有力アニメ制作会社のひとつであるI.Gが有価証券報告書で説明する自社の事業説明は、一般的なアニメビジネスの枠組みを理解するにも役に立つ部分が大きい。それは、制作事業のワークフローや契約の状態、資金の流れなどあまりメディアに報じられることのない部分などである。
 企業にとっては、自社の現状を丸裸にされてしまい怖いものでもある。しかし、そこまで公開出来るという事実によってその会社に対する信頼感も出て来るといえるだろう。

 また、やはりあまり語られることのない企業の方向性・状況などについても知ることが出来る。今回のI.Gの提出した『上場のための有価証券報告書』からも、これまであまり触れられることのなかった同社の方向性・状況が見て取れる。その中から幾つか気になった点をピックアップしてみた。

■ 版権ビジネスの大きさ
 I.Gによれば、同社の2次利用における収益分配と窓口手数料は、平成17年5月期で売上高の31.0%とされている。事業における版権事業の割合が高いのは東映アニメーションやGDHも同様である。アニメ制作会社が安定したビジネスを行なうには、版権事業を獲得出来るかが大きなポイントといえるようだ。
■ あらたな大型劇場映画の可能性
 有価証券報告書によれば、『イノセンス』のような大型劇場映画を制作した場合に会社の業績が大きく変動するリスクに言及している。また、今後も『イノセンス』と同規模、もしくはそれを上回る規模の劇場映画を制作する可能性があるとしている。
■ 攻殻機動隊の存在感の大きさ
 売上高に占める『攻殻機動隊』関連作品の割合は、15年で21.6%、16年で50%、17年で34%である。I.Gにおける同作品の重みをあらためて感じさせる。ひとつの作品に依存するリスクの高さはあるが、同時に大ヒット作を持てるかどうかが会社の命運を分けるアニメビジネスの特徴を示しているだろう。
■ マニア向けから一般層へ
 同社はマニア層への依存が高いとして、キャラクタービジネスの展開できるキッズ向けを含んだ一般アニメユーザー向けの作品を複数企画しているとしている。今後、これまでのI.Gとは異なった幅広い作品が公開される可能性もありそうだ。

プロダクション I.G 
ジャスダック証券取引所 
  プロダクション I.Gの『上場のための有価証券報告書』

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