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2007年04月16日
調査・レポート ]
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 世界各地域の日本コンテンツ産業の調査をしている日本貿易振興機構(JETRO)は、このほど新たにブラジルにおけるコンテンツビジネスの現状を調査した「ブラジル・コンテンツ産業調査」のレポートを公表している。
 この調査はブラジルにおける日本のエンタテイメント・コンテンツ産業全体をフォローするものだが、これまでの調査同様にアニメ・漫画を主要カテゴリーとして詳しく調査している。アニメ・漫画以外のカテゴリーでは、映画、テレビ番組、音楽、ゲームの4つが取り上げられている。

 これまでのJETROの調査は、日本のコンテンツ関連企業が海外の主要市場とする北米、東アジア、西ヨーロッパで行なわれてきた。今回は初めてこの主要3市場以外での調査になる。
 ブラジル市場の重要さは調査のまえがきにあるように、人口が多い成長市場で、経済的には中国、インド、ロシアと並ぶBRICsの一角であることだ。また、エンタテイメント市場にとって重要な要素である若年人口の多さも挙げられる。

 しかし、調査の内容はブラジル市場についても、他国と同様に市場規模の確定値が計れないという問題が存在している。例えば調査報告書によれば、アニメーションの市場規模のデータや日本マンガの市場規模に関する情報は入手出来なかったとしている。
 このためアニメ・漫画分野については、市場で実際の展開されている作品のリストや聞き取り調査が中心となっている。しかし、これまでこうした情報がまとめられること自体がなかったので資料価値が高い。業界の仕組みや市場での主要プレイヤーの一覧は、ビジネス関係者にとって有用なものとなるだろう。

 また、情報を他国の事情と照らし合わせることで、ブラジル市場固有の特徴も浮かび上がって来る。調査では日本コンテンツの現地の認知度は高くないとしているが、報告書の内容を見る限り、むしろ北米市場よりもビジネスの環境は良いように感じられる。
 例えば北米の地上波から日本アニメがほとんど姿消しているに対して、ブラジルでは7作品が放映されている。またケーブルテレビもカートゥーンネットワークのほか、アニマックス、Jetix、ニコロデオンと複数のテレビ局が日本アニメを放映している。

 こうした番組も詳細にみると北米と異なる特徴も見える。北米ではあまり成功しなかった『とっとこハム太郎』や『AstroBoy 鉄腕アトム』が放映されていることや、北米でテレビ展開されなかった『サクラ大戦』や『明日のナージャ』がカートゥーンネットワークで放映されていたりする。
 
 マンガ市場についても、今回の調査を見るとブラジルが今後無視出来ない存在になる可能性が垣間見える。それは、インタビュー調査に特に表れており、調査のインタビューのなかであるマンガ出版社はマンガの売上げは1タイトル3万部から4万部、市場のニーズに合えば10万部としている。また、別の業者は通常の作品は8000部から7万部、『ポケットモスター』は月間25万部を記録したとしている。
 これは国外の日本マンガの2大市場である米国やフランスにも匹敵する数字である。昨年アメリカでは、『NARUTO第12巻』が単独のマンガとして年間で初めて10万部以上を販売し話題となり、フランスの『NARUTO』の最新刊の売上げは13万部である。特にマンガの価格が日本の単行本と同じ量で10レアル(500円程度)と、決して安くないのでなおさらである。
 ブラジルはアメリカより人口が少ないうえ、可処分所得に余裕がある中間層以上の消費者が両国より遥かに少ないことを考えれば相対的な市場の大きさと可能性が感じられる。
 調査で挙げられた様々リストや表は、このように市場を読み解くうえでも貴重な資料となる。

日本貿易振興機構 
ブラジル・コンテンツ産業調査(輸出促進調査シリーズ) 2007年3月

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posted by animeanime at 23:59 | コメント (0)
2007年04月14日
本の紹介 ]
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 3月30日に講談社から『やわらか戦車流 Web2.0発エンタメ・ビジネス戦記』(やわらか戦車連合軍 (著)、講談社刊)が発売された。『やわらか戦車』はインターネットで誕生し、2006年にキャラクタービジネスの常識をひっくり返しつつ、日本中を席捲したウェブアニメである。

 こうした『やわらか戦車』現象はこれまでもあちこちで取り上げられたが、実際に誰がどうやってビジネスとしていったか十分取り上げられてこなかった。
 それゆえに大手企業?によるブーム捏造疑惑まで巻き起こしたほどである。しかし、実際の『やわらか戦車』は、1人の無名のクリエイターとネットアニメに特化するという無謀とも思える小さなベンチャー企業ファンワークスの夢から始まっている。
 『やわらか戦車流』では、そうした『やわらか戦車』に関わった人たちの思いを描きだしている。それと同時になぜ『やわらか戦車』だったのか、それを取り巻く人たちが何をやりたかったのか、そしてブームのなかで何を感じたのかが語られている。

 本を読むにあたって一番期待したのは、いかにブームを起こしたかについてである。しかし、本のなかではそれに至る経緯はあるが答えはない。というよりも答えは最初からなかったのかもしれない。
 おそらくそこにあったのは偶然と言う名前の小さな必然の積み重ねでないだろうか。つまり、才能あるクリエイターとそれを助けたいという人の出会いである。 
 本を読み終わった後に感じたのは、そういった幸せなビジネスの構図である。しかし、それと同時に今後のウェブアニメのビジネスに対する疑問も残った。
 つまり、ラレコの才能とスタッフの魅力が語られれば語られるほど、今回の『やわらか戦車』のケースは特別なケースかもしれないという気持ちである。こうした幸せな仕組みは今後も起こりえ、一般化出来るものなのだろうか。

 『やわらか戦車流』に書かれたビジネス戦記が特殊な成功例になるのか、一般化して行くのか、今後のウェブアニメのビジネスを考えるうえでとても重要になるに違いない。よく言われるように、続けて成功するのは非常に難しいからだ。
 しかし、だからこそ『やわらか戦車流』でいかに『やわらか戦車』が成功したのかを明らかにすることは大切なのかもしれない。『やわらか戦車』のケースがそう簡単に真似出来るものでないとしても、『やわらか戦車流』を読んでいる中から第2のラレコや第2のファンワークスが生まれてくるはずだからだ。
 『やわらか戦車流』の一番の持ち味は、『やわらか戦車』にかかわった人たちがいかにも楽しく、生き生きとビジネスを展開したかを描きだしていることにある。

 

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posted by animeanime at 23:59 | コメント (0)