『Halo Legends 』日本のトップスタジオが世界的ゲームをアニメ化
                 
スタッフ陣とSTUDIO 4℃に聞く(1)

■『Halo Legends』 
世界累計2700万本以上を販売した「Halo」シリーズが、7つのストーリーからなるアニメ作品となった。
2009年7月23日に米国で行われたサンディエゴ・コミコンでのマイクロ・ソフトの発表は、このアニメ化プロジェクトに話題騒然となった。そして、特に注目を集めたのは、この7つのストーリーをボンズ、カシオエンターテイメント、プロダクション I.G、STUDIO 4℃、東映アニメーションという日本のトップアニメスタジオがそれぞれ担当することだ。
作品は「Halo」の世界観を統括する開発ディレクターのフランク・オコナー氏、クリエイティブ ディレクター 荒牧伸志氏、押井守氏、そしてプロデューサー ジョセフ・チョウ氏の協力で実現した。


■ STUDIO 4℃ http://www.studio4c.co.jp/
STUDIO 4℃ は、田中栄子氏とアニメアーティスト森本晃司氏によって設立された日本を代表するアニメスタジオである。代表作に『アニマトリックス』、『鉄コン筋クリート』などがある。その先鋭的な映像は、日本だけでなく世界中から高い評価を勝ち取ってきた。
『Halo Legends』では、二村秀樹監督による「Origins」と菅野利之監督による「The Babysitter」を制作する。世界的なブランドゲームとのコラボレーションが注目されている。




今回アニメ!アニメ!では、『Halo Legends』の開発ディレクター フランク・オコナー氏、クリエイティブ ディレクター 荒牧伸志氏、プロデューサー ジョセフ・チョウ氏、そしてSTUDIO 4℃ の田中栄子プロデューサーと「The Babysitter」の菅野利之監督にお話を伺った。
国境を越えた大型プロジェクトの誕生とその作品世界を紹介する
。


■ Halo Legends 世界を驚かせたプロジェクトのはじまり 

アニメアニメ
(以下AA
)

まずプロジェクトのはじまりについて伺わせてください。『Halo』をアニメ化する、映像化するといった時点で、多くの人が驚いたと思います。 
しかもそれが日本アニメだと、日本人にとっては非常にうれしいことです。これを映像にしよう、しかも日本アニメスタイルにしようと思ったのはどういった理由でしょうか。


フランク・オコナー氏
(以下オコナー)

『Halo』のスタッフにはアニメのファンがかなり多いのです。実際に『Halo』はアニメから影響を受けている部分も大きいのです。それは脚本や武器や乗り物など広い範囲に及んでいます。

また、私たちは『Halo』の世界に多様性を持ち込みたいと話し合って来ましたが、その時にアニメは非常にいい素材だったのです。

ジョセフ・チョウ氏
(以下チョウ)

私はプロデューサーとして、荒牧さんと『EX MACHINA』に参加していました。
それが終わった時に、次はどういう作品がいいでしょうかと話していました。ちょうどその時は『Halo 3』が出たばかりでした。「これ、かっこいいと思いませんか」 という話をしたら、荒牧さんが「俺、レジェンド プレーヤーなんだよ」と言って、最高難易度レベルのプレーヤーだったんです。

そこでほかのプロジェクトをやりつつも、いつかは『Halo』をやりたいと思っていました。 
ちょうどその時に実写映画化の話があり、今回の提案をしたところ、非常にいい話になりました。
私はもともと『アニマトリックス』の作品に参加していたので、「アンソロジー、オムニバスのかたちにして、日本のトップのクリエーターと、日本のトップのスタジオさんが一緒になれば最高だね」という考え方から始まったんです。 

AA

そのときにふたつの質問があります。
ひとつはアニメにする時に、ストーリーは今までの『Halo』という大きなストーリーの中で既に用意されていたものを利用したのか、あるいは全く新たに書き起こしたのかということです。


オコナー

ほとんどの物語は、私たちが既に持っていたものから生まれました。既にある『Halo』の中からスタジオや監督が興味持った部分を発展させて行くかたちです。スタジオが制作をする中で、イメージがどんどん広がりました。
時にはごく単純な話から全く異なったものが出てくる時もあったのですが、それは調整しながらです。
いずれにしても、全ての話は『Halo』の世界の一部分となっています。

チョウ

それに加えると、彼らのストーリーディレクターから最初に我々がもらった資料と荒牧さんがすでに持っていた知識をベースにしました。「じゃあ、こういう話はどうでしょうか?」と話し合いました。 
でも、一番重要だと思ったのは監督の裁量に任せようということです。結果、監督の意向やアイデアで変わっていった面もかなりあります。

荒牧伸志氏
(以下荒牧)
いろいろありましたよね。
プロダクション側の監督さんからこういう話がやりたいとあり、フランクさんがそれをどういう風に『Halo』の世界にフィットさせるかとやりとりしたものもあります。また、フランクさんからこういう話がやりたいから、これを映像化してくれとあり、各スタジオの監督さんにアレンジしてもらって映像化したものもあります。

いろいろやりとりをしながら、エピソードごとに落としどころ見つけていきました。 
でも、基本的には全部、フランクさんが承認しつつやっています。『Halo』のユニバースから外れないようになっています。


.
AA

ふたつめですが、7つの物語があり、そこに日本のトップアニメスタジオが並ぶというのがこの作品の魅力です。ストーリーとスタジオの組み合わせや選択は、どのようにされたのですか。

荒牧 

最初にどのスタジオにお願いしようかと相談しました。正直、あまり十分なスケジュールではありませんでした。チョウさんや僕が直接知っている中で、ぜひここはお願いしたいと相談しました。

その時に既にフランクさんから幾つかストーリープロットが出ていましたので、このストーリープロットはきっとこのスタジオだったらみたいなところも含めてです。
特に4℃(STUDIO 4℃)さんは、大変なんだけどきっとこういうのを頼めそうかなとお願いしました。それぞれのところで非常にいいかたちなったと思います

チョウ

4℃さんは我々が非常に追いましたからね(笑)。

AA

『アニマトリックス』のときから、その後の『ゴッサムナイト』もありましたが、常に4℃さんの名前が挙がります。そこまで惹かれる魅力は何ですか。

荒牧

僕らはもういくらでも理由はあります。でもそれは4℃さんに伺った方がいいですね。

田中栄子氏
(以下田中)

『アニマトリックス』で初めてやらせていただいた時から、日本のクリエーターの人たちに対して、リスペクトの高い仕事を回していただいた印象が強いんですね。
『バットマン』の『ゴッサムナイト』の時も、クリエーターの持っている日本の力、監督の力、スタジオの力を絶対的に信じていいチームを作ってくれます。
今回もバラエティーのある作品の中から、一番難しいところをチョイスしていただいたので、うちとしてはもう逃げられないような状態の中で作りました。 
 
『Halo』という作品の根幹となる『Origins』の歴史の部分を、今回はパート1、パート2として紐解いて、皆さんに紹介出来ることとになったのがすごくうれしいなと思っています。

■その2に続く 『Halo Legends』の世界とSTUDIO 4℃




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