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アニメアニメ
(以下AA)
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いま、マンガが海外に広がっていると主張されることが増えています。海外の読者が増えている。そうであれば、海外でもマンガ家の志望者が現われても不思議ではありません。
そうした中でモーニング編集部では、海外に向けた国際新人漫画賞を今回始めました。国際新人漫画賞は多くの人の関心を集めていると思いますが、まず、国際新人漫画賞を立ち上げたきっかけ、経緯をお聞かせてください。
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島田英二郎氏
(以下敬称略島田)
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モーニングは、今年(07年)で25周年ということでこれまでもいろいろな企画を行っていました。そのなかでお前も何かやらないかと言われて考えたわけです。
もともと2年ほど前からMANGA OPENという新人賞のチーフをしています。この新人賞はマンガでもいいし、原作でも、小説、CG、フィギュアでもいい、とにかく面白いものだったら何でも受付ける。優れた才能に与える賞です。
この時に才能の種類について垣根を取り払うなら、地域的なものも取り払うべきだという考えが半ば必然的に私の中に生まれていました。それが今回の国際新人漫画賞です。
MANGA OPENの国際化を考えた時は簡単な気持でいて、10年以内には世界的な賞にしたいと思っていました。また試しにWEBを使って英語や韓国語やフランス語といった多言語でやってみたいとも思っていました。
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AA
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今回の賞は日本に比べて海外のメディアがインターネットを中心に非常に盛り上がっている印象を受けました。
こうした反応は期待通りですか?あるいは期待以上なのでしょうか。
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島田
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期待以上でしたね。海外のメディアで盛り上がっていると聞きましたし、応募作がこんなに来るとも思っていませんでした。
当初はもっとささやかなつもりで立ち上げたのですが、予想を超えて大きくなったと思っています。
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AA
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実際の応募作の内訳はどうだったのですか?私たちの感覚ではアジアが多いのではないかと想像します。ヨーロッパやアメリカ、あるいは10ヶ国語のうちのマイナーな言語での応募もありましたか?
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島田
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10ヵ国語はもちろん、国別では30ヵ国ぐらいありました。ただ、英語圏でないかたも英語でも応募するケースもありますので言語的には英語が一番多くなりましたが、地域的には偏り無く送られてきています。
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AA
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応募者の絵のレベルについてはどうですか。私は今回大賞になったremさんの絵を見て驚くほどうまいなと思いました。
専門の方から見ても今回の応募者のレベルは高かったのでしょうか?受賞者以外の作品、あるいは全体的なレベルについても教えていただけますか。
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島田
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『影の祭』はずば抜けて上手いですね。ただ、これは日本の新人賞でも同じですが、上位10%の応募作とそれ以外の作品のレベル差は大きい。ひとにぎりの人達とそれ以外の人達の差というのはありますね。
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AA
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今回の受賞者のレベルはマンガ連載するにおいて十分な水準でしょうか?また、実際に連載を任せてみたいお気持ちはありますか?
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島田
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連載は可能です。私個人の考えですが、新人賞では、賞を与えるということはデビューしてもらい、継続的に描いてもらうことが前提であるべきなのです。私がかかわる全ての新人賞はそういう意図でやっています。
彼らにはいろいろなことを根底から変えていってもらいたいと思っています。
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| ■ 海外マンガ家に流れる日本マンガとのつながり |
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AA
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応募作品の内容についても聞かせてください。日本の漫画賞と比べた文化の違いとかはあるのでしょうか?
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島田
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応募作のバリエーションは日本の漫画賞のほうが広いですね。国際新人漫画賞は300本近くの応募作品があり、それなりのバリエーションはあったのですが、日本の漫画賞の応募のほうががジャンルは広いです。日本の漫画賞は数では300本を下回りますが、バリエーションとしては遥かに大きい。
日本はマンガ先進国といわれていますが、漫画にレベルの差をつけるのは非常に難しい。構図やデッサン力など、技術的にはレベルの優劣をつけることも可能かもしれないけれど、漫画が評価されるのは、結局のところ面白いか面白くないかです。煎じ詰めれば面白いかどうかは主観の集積なので、優劣の差をつけるのは難しいしナンセンスだとすらいえます。
つまり日本のマンガが海外のマンガに比べてレベルが高いか低いかを考えるのは無意味なのではないでしょうか。私はマンガを評価するとき「レベル」の代替物として「ジャンルの広さ、大きさ」を提唱したい。
もしある国のマンガのバリエーションが他国のそれより明らかに広いといった時に、その国のマンガは他国のマンガより何かが上だと考えるわけです。
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AA
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日本のマンガのほうが、より多くの人たちを満足させる可能性があるというわけですね。
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島田
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そう。そしてバリエーションが豊富だということは、それだけ新たな「突然変異」が生じる可能性も高い。それが日本のマンガの強さの最大の要因だと感じますね。
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AA
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応募作品のバリエーションが狭かったのは、応募者が自分たちの持つ日本のマンガのイメージに引きづられてしまったというのはあるのでしょうか。それとも、彼らの文化のほうがより色濃く作品に出ているというのはありますか。
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島田
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基本的には日本のマンガの影響を受けている人が圧倒的に多かったですね。昔と比べると、皆どこかで日本のマンガを読んでいて、よい意味で影響を受けていると思いました。
ただ、その「日本のマンガ」がまだまだ偏っているのが残念です。日本マンガがもっているバリエーションを100としたら、今海外にでているのは10いくかいかないかでしょう。
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AA
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真似しているのでなくて、むしろ染み付いているという感じでしょうか。
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島田
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いや、染み付いているほどではない。無論、作品によって異なるけれど、全体として日本の影響を受けているものは多かった。
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| .■ マンガとコミックスの違いを超えた海外のマンガ家たち |
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AA
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日本マンガの影響の関連として伺いたいのですが、今回の応募作では右開きと左開きのどちらが多かったのですか?日本マンガは通常は右開きなのですが。
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島田
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半々です。日本のマンガが右開きなのは、日本語が縦書きだからなわけです。今回驚いたのは、日本語以外の言語で書かれている作品の多くが右開きだったことです。いま世界中でマンガを公募すると言語に関係なく右開きが多い。大賞受賞者のremさんに聞いてみても、左右どちらでも描けると言います。
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AA
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日本のマンガが文化を変化させている?
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島田
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ただ、右開き、左開きと言うよりももっと本質的な違いは、絵と吹き出しの関係です。マンガとアメコミやヨーロッパのバンドデシネの本質的な違いが幾つかあるのでしょうが、そのひとつがこれです。
欧米のマンガと日本のマンガは、どちらもコマがあり、コマのなかにキャラクターがいて、吹き出しがついている。でも、欧米の作品は絵と台詞がどこか「別々」にあり、マンガの場合は絵と台詞が重なっている。マンガの場合、キャラクターがコマのなかで、台詞を実際に話している感じがする。
一方でコマの中に絵と吹き出しがあるような似た形式でも、コマの中で喋っているキャラクターと台詞が「溶け合って」いないのが、海外のコミックスです。感覚的で言うのがむつかしいのですが…。
十数年前に海外の作家を担当したことがあるのですが、これは理屈ではないのでなかなか理解してもらえませんでした。これがマンガとコミックの本質的な差のひとつなのではないでしょうか。
ところがそこから十数年経って、いま世界中からマンガを公募するとremさんをはじめ、多くの作品でキャラクターがみんな作品のなかできちんと喋っているわけです。
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AA
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そうしたマンガ作品を描きだした海外のクリエイターが今後日本で成功することはあると思いますか?
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島田
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それはこの賞の目標のひとつなのでそうなって欲しい。その可能性は勿論ある。最大の目標は、世界中で、日本でマンガ読まれているようにマンガが読まれること。その前提として、日本でマンガが描かれているように、世界中の人たちにマンガが描かれてなければいけない。それが出来ないといまの世界のマンガ状況はいまの状態から離れて行かない。
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■ 「マンガのポテンシャルは日本から離れることで実現する」に続く
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