3DCGアニメ『Funny Pets』 増田龍治監督インタビュー
                3DCGのキャラクターアニメーションとは何か

 
(C)2006「Funny Pets」製作委員会

■ 増田龍治監督 (CGアニメ監督・脚本家)
1968年 熊本市に生まれ。大阪芸術大学映像学科卒。
日本ではまだ少ない3DCGアニメーションの監督・脚本の先駆者。2000年に発表した『ポピー・ザ・ぱフォーマー』はDVD12万枚の大ヒットとなり、2002年度コロムビア ゴールドディスク大賞を受賞。
その次の『ガラクタ通りのステイン』も高い評価を受け、平成15年度文化庁メディア芸術祭アニメーション部門で優秀賞を受賞している。

■ 『Funny Pets』
2006年にテレビ放映をされた増田龍治監督の最新作。
UFOの大編隊から1機だけ墜落してきたクレセントとコロナの2人が、可愛いけれど自分勝手で気分屋のファニーに拾われ、ペットとして共同生活をすることからはじまるドタバタコメディ。2月21日よりこのDVDファーストシーズンが発売となっている。


 増田龍治公式ホームページ  http://nekogamisama.co.jp/popdeath/
 『Funny Pets』公式サイト http://www.pets-cganime.com/

 1. 『Funny Pets』の制作までの道

アニメアニメ
(以下AA)


 まず作品について伺わせてください。監督の作品はどれも非常に独特でカテゴリー分けが難しいのですが、他の作品との差別化はどう考えているのですか?

増田監督
(以下敬称略)

 商売的に見るとカテゴライズしている方がやりやすいですね。店頭に並ぶにしてもキッズコーナーだとか、アートコーナーだとか、お店の人によってバラバラなんですよ。
それで、売りにくくなっています(笑)

 他のアニメーションとの差別化というのは、たぶん僕が何か違うものを見たいなというのにある。自分が観たいものを作るというのがあるで、他に似たようなものがあったら作らないところですね。

AA
 最初の作品の『ポピー・ザ・ぱフォーマー』は10万枚を超える大ヒットですね。

増田

 12万枚ですね。視聴者のかたが「たのみこむ」だとか、ネットでいろいろと署名とかしてくれて、じゃあ出してみるかぁ、っていう感覚で出したら、蓋を開けたらこんなになったって感じです。

 製作者側じゃなくて、視聴者のコアなファンがひっぱってくれたので「運がよかった」(笑)





(C)2006「Funny Pets」製作委員会

AA

 監督の作品の絵を見てピクサーみたいな作品を想像して観ると、実際にはかなり違ってそのギャップが面白いですね。

増田

 『Funny Pets』のほうがポップな感じがするので騙されやすい(笑)
 そのギャップに驚いてほしいなぁ(笑)

AA
 話が短い時間でどんどん変化していくのが増田監督の作品の魅力の一つだと思うのですが、これはどのように構成をしているのですか?

増田
 基本的に自分が飽きっぽいっていうのがありますね。作っていってよくあるシーンに行くと、もう、見たような気分になってしまうんですよ。
 そこで、じゃあちょっと外すかって。でも、外しながらも最後は締めなくちゃいけないので苦しむんですけど(笑)

AA
 『Funny Pets』は3作目ということですが、前2作とは変わったというところはどこでしょう?

増田

  『ポピー』と『ガラクタ通りのステイン』の真ん中みたいな感じですね。『ポピー』がハチャメチャな感じだったので、『ステイン』はしっとりした感じにしたかったんです。
「バカ」と思われたくなかった(笑) 
 自分の名刺みたいな作品を作りたかったんですよ。『ポピー』のテイストの仕事しか来ないのはまずいなと思って。いやいや、ちゃんとしっとりしたのも作れると『ステイン』をやって、文化庁で賞を取ったんです。

 その時に思ったんですけど、非常に堅苦しくなったかなと思って。
 もっとのびのびしたやつを作ろうという気持ちがありました。作ってみると両方の作品の間みたいなテイストになったんです。

AA
 のびのびといえば、『Funny Pets』のヒロインがかなりのびのびした性格ですが、あれはご自身を反映したものなのでしょうか?

増田
 彼女も似ているといえば似ているんですけれど、クレセントのほうが色濃く出ています。
 僕はちっちゃい頃からちょっと浮いているところを感じながら生きてきたんです。そういう中での孤独さとかが、テイストとしては『Funny Pets』にも出ちゃった感じがします。
 だから、クレセントはいじめられているというよりも、そういう不器用な人。3人の中では浮いてしまう加減が僕の中ではいとおしい。

 いま大学の先生もやっているんですけど、そういう学生についつい話しかけてしまう。僕もそういうタイプですし、向こうもそういうキャラクターが好きなんじゃないかなと。(笑) 
(C)2006「Funny Pets」製作委員会
AA
 制作の話を伺いたいのですが、どのくらいの人数でどのくらいの期間をかけてらるのですか?

増田
 アニメーターは5名です。合成が1人で、2週間に1本のペース。わりと早いかもしれませんね。
 絵コンテをマンガみたいに細かく描くんですよ。全編、背景まで描くことでイメージが共有できる。

増田

 「ポピー」のときは、予算の関係で1クール目を1人にやらせていたんです。1人のアニメーターと1人の演出家がいて2人でコツコツ作る。
 それを2週間に1本という納期を守りながらやっていたんですが、さすがにその人は倒れてしまった。
そこで専門学校を出たばかりの、いまはCGディレクターをやっている伊藤敬之くんがやってきてフォローに入ってくれたんです。

AA

 今回の作品も含めて、キャラクターのパーツは単純なのに表情が非常に豊かなのですが、意識しされているのでしょうか?

増田
 ビジュアルで見せようというのは意識しています。

AA
 音声がほとんどないのもそうしたことからですか?

増田

 最初は声を入れようって思っていたんですけど、お金がないから声優を使えないって言われたんです。
 じゃあ、無しでやってみせるよ、というので作ったのが「ポピー」でした。
 やってみたら意外にも上手くいって自信がついたっていう面白さがありましたね。

AA
 『Funny Pets』は少しだけ声が入っていますが?

増田

 全くないっていうのは観づらい。けれど、ずっとしゃべりっぱなしは視聴者のイマジネーションが広がらない。あくまでもフォローとしての声、音楽と一緒ですね。
 音楽はキャラクターの心情で、べったり流すんじゃなくて、もう少し前に出したい時にフォロー的に流す。
 声は最初に録るんですけど、こことここはいらないって、つまんで捨てていきます。それでも思ったよりはしゃべっていると思います。

              ■ 3Dアニメーションを作る理由

                        
 page topへ