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2004年10月27日
イベント ]
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 10月25日から27日まで、東京国際映画祭と連動した『東京国際フィルム&コンテンツマーケット』が六本木ヒルズで開催されている。この企画は、映画祭のマーケット機能を強化するという方針により今年から始まったもので、日本だけでなくアジアの映像作品を世界のバイヤーに対して売り込んでいくものである。同時期に開かれた東京国際エンタテイメントマーケットと異なりビジネス目的に特化しているのが最大の特徴である。今回の出展者は内外の84企業、団体である。

 私は、2日目に出掛けたのだが、予想以上に大盛況であった。アニメフェアやゲームショーといったイベントと違い派手なパビリオンがあるわけでなく小さな展示ブースに映像とパンフレットのみの紹介が大半であった。しかし、かなり多くのブースが商談で埋まっており、活発なトレードが行われている様子が伺えた。
 出展者も入場者もビジネス意欲が強く、ビジネスマーケットに特化したことで良い影響があったようだ。目に付いたのは海外の出展者、入場者の多さである。韓国、中国からそれぞれおよそ10社、団体、香港から5社、団体が参加している。映画祭での上映と組み合わせたことが予想以上の効果を発揮しているのかもしれない。特に、韓国企業については、昨今の韓流ブームの影響もあってか、非常にアクティブにビジネスを展開しているように感じた。展示されている作品も展示場で見る限りでは、非常に質が高かった。様々なコンテンツ関係のビジネスショーでの韓国企業のアグレッシブな活動をみるにつけこの分野に力を入れる韓国の今後の存在感の高まりを予想させられる。

 展示内容は、映像コンテンツであり、事前にアニメ・ゲームに力を入れるということであったが、アニメの存在感はあまり大きくなかった。全体の1/3程度であった。同時期に幕張メッセで開催された東京国際エンタテイメントマーケットにアニメ制作会社の多くが流れたようで、フィルム&コンテンツマーケットではTV局や商社、広告代理店などが実写映像と一緒に紹介というケースが多かった。しかし、そういった企業の持つラインナップや現在の売込み中の作品を理解するうえでは非常に参考になった。先日のエンタテイメントマーケットの様子や地の利の難、不便利さを考えるとビジネス機能の面で両企画は統合されたほうが、さらに良い結果になるのでなるのでないだろうか。
 今回の経験を生かして、東京国際映画祭の今後のさらなる発展を期待したい。

東京国際フィルム&コンテンツマーケット2004 
東京国際映画祭 
東京国際エンタテイメントマーケット2004 
六本木ヒルズ 

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セミナー・講演会 ]
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東京国際映画祭プロデュサーズフォーラム
国境を越えるコンテンツーハリウッド・香港・日本のトッププロデュサーに聞く最新事情
主催者 経済産業省商務情報政策局文化情報関連産業課

講演者 一瀬隆重氏(株式会社オズ代表取締役・プロデューサー)
      江志強氏(Edko Films代表)
      デニース・マン氏(UCLA 大学院プロデューサーズ・プログラム研究科長)
      シーラ・テイラー氏(Zide/Perry Entertainment制作企画部長)
      亀田卓(㈱電通エンタテインメント事業局)

 日本、香港、米国のプロデューサーが集まった上記講演会が2004年10月26日に六本木ヒルズで行われた。映像全般のトピックスを扱ったものでなく、アニメには触れられていなかったが、一瀬隆重氏の講演のリメイク化権と映画ファンドに関してはアニメの世界のホットトピックでもあるのでその部分をレポート。

 まず、リメイク化権についてだが、近年、日本アニメ作品のハリウッドでのリメイクの話をよく聞くが、実際に実写映画「リング」でハリウッドによるリメイク化を実現した一瀬氏が自らの経験と最近の事情について説明をした。一瀬氏によるとハリウッドによるリメイクにあたっては、米国側は権利関係を重視するので著作権が全てクリアーしているもの以外には投資をしない、しかし、日本の映画は契約がなかったり、別途協議事項があったりでこの部分をクリアーしてない作品がほとんどであると語った。また、現在のリメイク化権の相場は安いもので数百万円、最も高いものだと200万ドル(約2億2000万円)になる、「リング」の場合は、100万ドル(約1億1000万円)であったという。また、リメイク化権とは、リメイクをするオプション(選択権)を一定期間与えるもので、必ずしもリメイク映画が実現するものでなく、期間内に脚本を練ったりして検討をするため、実際に映像化が実現するものは数十分の1に過ぎないとも語った。

 近年増えている映画ファンドについては、かつては映画ファンドといえば海外作品買付けのためのものであったが、最近は日本の映画製作を目的にするものに移りつつある。しかし、本当に良い企画、ヒットの可能性が高い作品は、権利者が権利を手放したがらない傾向にある、結果として、ファンドに集まる作品にはリスクが高い作品が集まりがちだと話した。

東京国際映画祭 
一瀬隆重氏の呪怨公式サイト 
Edko Films 
UCLA School of Theater, Film and Television 
㈱電通 

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2004年10月24日
セミナー・講演会 ]
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ゲスト:石川光久氏( Production I.G 代表取締役) / 石井克人氏(映画監督)
モデレーター:日経キャラクターズ! 編集長 中村均氏

 東京国際映画祭~スペシャルトークショー~と名打って六本木ヒルズのアカデミーヒルズ40で企画された上記イベントに行ってきました。
 正直、このトークショーはもの凄く面白かった。このところ、アニメ、コンテンツ関係の講演会、セミナーに行きまくりの私ですが、その中でも特に良かったです。何が、良かったかというと、ゲストの二人が建前でない本音の発言をするかたであったこと、モデレーターの中村均氏がこの分野に造詣が深いうえ、的確かつ、巧みな進行でトークの方向性を明確にしたこと、トークの時間が2時間と余裕を持った時間構成だったこと、3方の人間関係が既に出来ていると察せられトークが自然に進んでいたことである。実は、このトークショーは講座料3,000円と、この種のイベントにしては珍しくそれなりの金額を徴収したのだが、この内容なら納得出来る水準だったと思う。

 前振り長過ぎでしたが、トークショーの内容です。先頃のカンヌ映画祭での経験から始まり映像ビジネスの現場や監督とプロデュサーの関係、海外との協力の仕方、アニメと実写の違い、現在の仕事、これからの仕事と幅広い分野において、石川氏と石井氏の経験に基づいた様々な話が語られました。ビジネスの現場としてのカンヌ祭の凄さや、映像制作の資金をだして貰う際の経験や考え方など、それぞれのトピックになるほどと思わせる話題が多く、ビジネスの現状に関心ある私には得るものが多かったです。
 しかし、今回の一番のネタは石川氏の数々の暴走発言?とそれに巻き込まれたかのような石井監督の裏話オンパレード状態でないでしょう。皆さんの良識を信じると両者とも未発表の企画などにも触れられたりしていました。
 本当はためになる話をまとめるべきなのでしょうが、内容が豊富過ぎて断念。(えっ!?)気になった余談だけレポートします。

余談1. 押井守監督と石川光久氏は、カリフォルニアのルーカスフィルムでルーカス本人に会ったが、どうやらルーカスは両氏を取り違えて理解しているようだ。次に会う時はどうしようか困っている。
余談2.石川氏「押井監督の作品を観て面白いと思ったことはない。作品より本人の観ているほうがずっと面白い。」
余談3. 石川氏は「紅い眼鏡」を観たことがない、最初の5分だけだそうです。
余談4. アニマトリクスの話は、当初、押井監督の元にも持ち込まれたが断った。
余談5. 石井監督がタランティーノ監督に「キルビル」の脚本を貰って読んだら、本人が最初から脚本に観客の反応を予定して書き込んでいてびっくりした。
余談6 石井監督の好きなアニメは「エースを狙え」「フリクリ」「攻殻機動隊 stand alone complex」ほか、多過ぎるから...、最近では、「トップを狙え2」がかなりすごかった、だそうです。

 それと、今回の講演会の目玉である、参加者の中から抽選で1名が次回の押井守監督作品に出演出来る!は、大じゃんけん大会でした。この手の勝負に目茶弱い私は、最初から参加せず。でも、出演者がいるってことは、押井作品の次回作の企画は既にある、しかも、実写!ってことでOKなんでしょうか?(まさか声の出演...?アニメーターがキャラクターをおこす?)と書きながら、やっぱじゃんけんすりゃー良かったとちょっと後悔。(笑)

プロダクションIG 
石井克人監督の映画「茶の味」公式サイト 
石井監督とIGが関わったキルビルの公式サイト 
アカデミーヒルズ 

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2004年10月22日
イベント ]
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 第17回東京国際映画祭がいよいよ始まるが、それに連動する形で今週から来週にかけて数多くのイベントや講演会・セミナーが開催される。その一つでエンタテイメントコンテンツのビジネスショーとして千葉・幕張メッセにて開催された東京国際コンテンツマーケット2004に行ってきた。
 本年の東京国際映画祭は、日本が強みを持つアニメ・ゲーム・コミックに力を入れると同時にビジネス機能の強化を目指している。その趣旨応じて、このイベントにも幅広い分野から数多くのコンテンツ企業が参加している。出版社やアニメ制作会社、ゲーム会社、映画会社など約120社の出展により業界特有の華やかな雰囲気を持ったイベントになっていた。

 しかし、会場全体や個別の企業ブースにおいても準備不足が目立ち、活発なビジネストレードというには厳しかった。特別企画として行われた「マンガ・アニメの世界展」も、マンガとアニメの違いを探るとしたテーマこそ素晴らしかったが、原稿やアニメの制作資料の展示などやや物足りない内容だった。
 ビジネスショーの趣旨は、従来にないアニメ、ゲーム、実写、出版の垣根を越えた新たなビジネスの場であったが、ビジネスショーとしては、それぞれの業界に東京国際アニメフェアや東京ゲームショーあるいは東京国際ブックフェアといった固有のビジネスの場がある現状では存在意義がなかなか見つけ難くかったようでした。特に、今回の大きな目玉であるアニメ・ゲームソフトにつては、やはり東京国際映画祭の連動企画として10月25日より六本木にて開催される東京国際フィルム&コンテンツマーケット2004があればなおさらである。
 日本のコンテンツ産業の中には企業規模が大きいといえない会社も多いので、年に何度もビジネスショーに出展するのも大変なように感じる。

 単純にファンイベントと考えるのであれば、様々なエンタテイメントコンテンツ企業が提供する最新のゲームや映像が楽しめるうえ、多くの物販コーナー、イベントも用意されていて十分楽しめるに違いない。むしろ、ビジネスの場の東京国際フィルム&コンテンツマーケットと一般向けの物販イベントの東京国際エンタテイメントマーケットと明確に住み分けたほうがより盛り上がるイベントになったかもしれない。

東京国際エンタテイメントマーケット2004 
東京国際映画祭 
東京国際フィルム&コンテンツマーケット2004 

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2004年10月19日
セミナー・講演会 ]
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 『コンテンツブランド価値がマーケットを変える』-キャラクターのブランディング-
  講師 久保雅一氏 ㈱小学館 キャラクター事業センター センター長
      内田康史氏 ㈱GDH COO
      阿久津聡氏 一橋大学大学院 国際企業戦略研究科 助教授

 今回のシンポジウムは、『ポケットモンスター』の北米市場での売り出しで有名な小学館の久保雅一氏に高品質の作品と先頃の株式上場発表で注目を浴びているGDHのCOO内田康史氏というビッグネームの対談のため多くの立ち見がでるほど大盛況であった。
 まず、初めに進行役を務める一橋大学大学院国際企業戦略研究科の阿久津聡助教授が、コンテンツ分野が現在注目されつつあるがこの分野においてブランド価値の重要性がこれから増してくるのでないかとシンポジウムの趣旨を述べた。そして、現在の国内外のコンテンツ産業の概略とその中におけるブランドの位置づけ報告した。

 久保雅一氏は、コンテンツは制作されただけではブランド足りえない、様々な派生効果が現れ、コンテンツは商品が一人歩きを始めた時点で初めてブランド足りえるのでないかと指摘した。
 また、現在のコンテンツの在り方には様々な方向性があり、例えばポケモンなどは海外では現地向けにアレンジすることを厭わないが、スタジオジブリなどでは日本仕様のままにこだわる、どちらが正しいかでなく異なった行き方があるのだと述べた。その説明に『千と千尋の神隠し』はアカデミー賞を取ったが米国での商業的な成功は大きくなかった、一方で、『ポケモン』は賞を取らなかったが商業的に大成功を収めた、しかし、どちらがよりよいとは言えないと語った。
 アニメビジネスについては、小学館の手掛けるコミックからのアニメ化は、コミックがスタートした時点からアニメ化が始まる前に読者のニーズを様々な形で汲み上げている。このため、アニメ化される時点で既にある程度作品が完成しておりオリジナル作品に較べるとリスクの低いビジネスなのだと述べた。おそらく、オリジナル作品でビジネスを成功させているGDHにはこれと異なる方法があるのでないかとした。

 これに対して、内田康史氏は、GDHの作品は高品質さと深夜番組での高い視聴率の実績がTV局に信頼を得ていると説明した。しかし、視聴率が必ずしも視聴者の満足感とは結びついておらず、DVDの購買行動に結びつかないことに気付いているという。深夜アニメについて言えば、これまではアニメファン向けのマーケットと考えてきたが、一般向けのマーケットがあるかもしれないと新しい市場の可能性を指摘した。そして、大人向けのアニメの市場は日本、ヨーロッパ、北米における急成長マーケットであることにも触れた。
 最後に、日本人は例え英語が出来てもハリウッドの巧みなビジネスの罠に陥りがちなので、取引の際には十分注意する必要がある。また、人任せでなく制作者自身が自分達の足で出て行かなければ作品に対する熱い思いは伝わらないとビジネスへの思いを語った。
 
 内容はタイトルにあったブランド価値から離れることが多く、ややまとまりにかける印象があったのは残念であったが、アニメビジネス、コンテンツビジネスの話には興味深い話が多く有意義なシンポジウムであった。

東京コンテンツマーケット2004 
GDH 
一橋大学大学院 国際企業戦略研究科 

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セミナー・講演会 ]
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『変貌するコンテンツビジネス』-才能・資金はここにつぎ込め-
 講師 川上陽介氏 ㈱セルシス 代表取締役
     高橋芳明氏 ㈱小学館 マルチメディア局ブロードバンド編集室 副編集長
     清水計宏氏 清水メディア研究所 代表取締役

 今回のシンポジウムで一番興味があったのは、アニメ制作の支援ソフトで有名なセルシスの社長の話が聞ける点であった。セルシスは一般的には知られていない企業だが、アニメの制作に携わる人で恐らく知らない人はいないアニメ制作支援ソフト『RETAS!PRO』の開発元である。その市場占有率は9割を超えており日本のデジタルアニメを支えるスーパーニッチ産業といえる。
 なぜ、それほど大きな市場シェアを実現出来たのか、これからのアニメ制作はどう変わって行くのかを是非聞きたいと思っていた。

 しかし、残念なことに話題の中心は、アニメよりむしろコミックのデジタル化とその流通の可能性についてであった。現在は、アニメに続いてコミックのデジタル作成が進んでおり、コミックの作成をデジタル化することでコミックのコンテンツとしての利用が雑誌だけでない様々なメディアに可能になるということであった。
 確かに、デモストレーションで紹介された『COMIC STUDIO』は想像を超える機能を持った素晴らしいソフトであった。川上陽介氏は、このソフトを利用することで、携帯、PC、ゲーム端末、デジタル出版全てが可能になるというコンテンツ流通の可能性を紹介した。
 また、高橋芳明氏は併せて短編映画のブロードバンド配信の可能性に触れた。また、出版社からコミックのデジタル展開を考えた時に、出版社のビジネスは出版からメディアの展開で収益が完結するようになっており、デジタル展開は儲からないとして及び腰である、デジタル展開は後回しにされがちだとの問題点を指摘した。そのうえで、そういったルートとは異なる最初からデジタルの展開を出来るコンテンツを考え出したいとした。

セルシス 

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2004年10月05日
セミナー・講演会 ]
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『ジャパニーズ・クール』の波に乗る -マンガ・アニメ・ゲームの海外戦略-
主催: 財団法人セゾン文化財団 / 10月4日(月)/ 東京国際フォーラム
講師: 小野打恵氏 株式会社ヒューマンメディア 代表取締役社長
ゲスト: 株式会社GDH 代表取締役会長 村濱章司氏

 セゾン文化財団の主催で上記タイトルの講演会が開かれた。講師は、様々な分野のプロデュースで活躍されている株式会社ヒューマンメディア代表取締役社長小野打恵氏、ゲストにはアニメビジネスで斬新な動きを見せている株式会社GDH代表取締役会長村濱章司氏である。
 講演は、主にジャパニーズクールと称される日本のポップカルチャーの世界市場での広がりと、そもそもポップカルチャーとは何なのかという文化的側面が中心となった。
 小野打氏のポップカルチャーの誕生と広がり、歴史的な流れについての考え方は、非常に判り易く論理的であった。特に、日本のポップカルチャーを(1)混血的世界性、(2)若者・大衆・子供による表現、(3)多メディア展開、(4)商業的流通による同時代的評価、(5)シンボル価値のコレクション消費、(6)作り手と受けてのコミュニティ形成の6点によって解説されたのは、曖昧に使われることの多いポップカルチャーの定義にひとつの示唆を与えるであろう。
 もっとも、個人的にはポップカルチャーを伝統や権威へのカウンターカルチャーであることや現実社会よりも空想といった面を強調することにはやや抵抗を感じた。私自身の考えでは、ポップカルチャーとはそういったものも含めた文化の融合現象の一面に思えるし、おたく的世界を包括するがもっと幅広い文化のような気がするからだ。
 
 ゲストの村濱氏のトークは、一転してGDHを中心としたアニメーションビジネスの具体的な内容であった。特に、ビジネスマネジメントと高品質のクリエーター集団を統合するGDHの歩みと具体的な数字を出して説明するビジネス戦略には参考になることが多かった。
 村濱氏は、アニメーションのビジネスを映像放映(TV放映)の収入から主に成り立つ映像ビジネスと関連商品の販売から成り立つプロモーションビジネス、劇場展開を中心としたビジネス、そして、DVDを中心としたビデオグラムの収益からなるビジネスと4つに分類した。そのうえで、比較的資金が少なく済み、リスクも少ない点からGDHのビジネスの中心はビデオグラムのビジネスになっていると説明した。
 さらに、急激に拡大している海外市場にも注目をしている。村濱氏は個人的に将来は北米の日本アニメ市場は規模で日本市場を抜くのでないか思っていると述べ、それにもかかわらず、多くの日本企業が有効な海外戦略を行っていないため新興企業が入る余地があるとGDHの存在意義を強調した。

 また最後に、GDHの企業強みとして
(1) いち早く海外法人を設立し、スタッフを中心に現地化を進めたこと
(2) 海外イベントの積極的な参加で認知度を向上させていること
(3) CG(コンピュターグラッフィック)の品質の高さ
(4) ブランド・アイデンティの確立
(5) 市場のニーズに合った派手な企画を打ち出すこと
以上の5点をあげて話を締めくくった。

 参加者は、どちらかといえば文化・芸術関係のマネージメント団体のかたが多くマンガ・アニメ・ゲームといった領域のかたは少なかったようだが、村濱氏の積極的なビジネス展開の姿勢は大きな参考になったのでないだろうか。

セゾン文化財団 
株式会社ヒューマンメディア 
GDH 

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2004年10月03日
セミナー・講演会 ]
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『中国ライセンスビジネス進出のポイント』
 9月30日(木)に今注目を浴びている中国市場をテーマに『中国ライセンスビジネス進出のポイント』と題されたセミナーがライセンシング アジア2004にて行われた。講演者はバンダイ中国事業拓展部ゼネラルマネジャーの猪瀬修平氏と『クレヨンしんちゃん』を中心に中国キャラクタービジネスで実績をあげているムーランプロモーション国際事業本部本部長三田敬氏の二方である。

 猪瀬氏の講演は、バンダイの中国におけるキャラクタービジネスの現状を豊富な実例と経験を交えたものである。まず、中国政府がキャラクター産業に対して国家的に力を入れており、それが放送産業に及ぼしている影響について述べた。中国政府は、コンテンツ産業に様々な支援を行う一方、国内産業保護のためアニメ放送のうち外国アニメの枠を全放映枠の4割以下、さらにそのうち日本作品を半分以下に規制しているとのことである。
 また、新規のアニメ作品の放映が政府の許可制に変わり、日本アニメのTV放映は極めて難しくなって来ている現状を説明した。特にこれはメディアとのタイアップ戦略を取るバンダイにとっては厳しい傾向であるとのことであった。それでも、日本アニメは高い人気を誇っておりビジネスのチャンスはあるということだ。
 また、中国ビジネスについて、しばしば問題になるニセモノに対しては、ニセモノは日本製品に較べて圧倒的な価格競争力を持っており、しかも近年では品質面も高くなっていると述べた。中国市場のニセモノはDVDで8元(約100円)相当、CDで4~5元(約60円)などの例が引き合いに出された。
 このあとの三田氏も指摘されたが、ニセモノ対策の一番効果的な方法は、本物の商品を海賊版が出回る前に発売すること、正規商品が海賊版に対して競争力を持てる価格設定にしなければいけないという2点であった。インターネットなどを通じて若者文化が同時進行している現状では、海賊版に市場を取られる前に本物で市場を取る必要は不可欠である。また、価格設定については、いい悪いは別問題として海賊版の価格が中国市場のスタンダードになっている現状では、それに対抗する必要があるとのことだ。また、競争力のある価格の実現のためには現地で製造を行う生産の現地化が求められると指摘した。
 
 また、三田氏は中国市場でも極めて人気の高い『クレヨンしんちゃん』のプロモーションを中心に、中国のコンテンツマーケットにいかに参入するかの説明をした。
 豊富な経験の中から中国における政府の重要性について述べた。特に、中国政府がここ数年でキャラクタービジネスの育成を強く打ち出していること、そのノウハウ吸収のため様々なビジネスイベントが開催されていることなどの最近の傾向を解説した。また、ここ最近の市場の特徴として韓国企業が競合相手として急激にその存在感を高めていると指摘した。海賊版対策については、現実的な価格設定と正規版だから出来ることを打ち出す必要性があるとのことだった。

 多くの企業が急激に成長している中国ビジネスを巨大市場として注目している。一方で、何が起こるか判らない国、権利の守られていない国とのイメージもある。両氏は、予想されるようなトラブルはあるが、それは、信頼関係の構築やビジネスのやりかたで越えられるということを強調していた。
 中国ビジネスについては、リスクを取りながらも参入すべき市場なのであろう。それが、国際的に流通する海賊商品を阻止する最も効率的な方法でもあるとの印象を受けた。

ライセンシング アジア2004 
バンダイ 

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2004年10月01日
セミナー・講演会 ]
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『日本製プロパティーの北米市場進出』セミナー 
 セミナーは、JETROの市場開拓部輸出促進課木村誠課長、Womax Media L.L.C代表海部正樹氏とパートナーの今泉公宏氏の3方の講演で構成されていた。最初に、木村氏より来年6月に米国ニューヨークで開催されるLICENCING INTERNATIONAL 2005と展示場内にJETROが設けるジャパン・パビリオンの説明及び参加企業の呼びかけがあった。この中で、木村氏はJETROの企業に対する支援が単に展示会のスペース提供だけでなく、情報の提供、交渉のアドバイス、アポイントの取りの支援にも及ぶ総合的なサポートであることを強調した。

 続いて海部氏が日本製プロパティーの北米市場進出と表題の講演を行った。内容は、アニメとキャラクターを中心に、現在北米市場で受けいれられているキャラクターは何か、またこれから流行る半歩先のコンテンツは何かである。海部氏は、現在、日本キャラクターで最も受け入れられているのは、Yu-Gi-Oh(遊戯王)であり、これは伝統的なマーケットBoy’s Actionのカテゴリーに属していること指摘した。そのうえで、これからは、北米メディアが注目している未就学児童マーケットと従来、TVアニメを観ないとされて来た女子児童マーケット(Girl’s Friendly)の市場に大きな可能性があるのではないかと述べた。特に、2006年前後に予定されている全米地上波TVのデジタル化に伴い米国メディアの構造が大きく変化する可能性が高くこれ合わせて新たに市場に参入するチャンスがあるとのことだった。

 その後、北米ライセンシング市場の事情という内容で今泉氏が引き継いだ。今泉氏は具体的にどのようなキャラクターが現地で受けいれられているのか実例を挙げながらの説明をした。北米で受け入れられるキャラクターの特徴は存在感があり、個々のキャラクターの個性を重視していることが重要である、そして、日本のキャラクターは個性が薄い傾向にあると解説した。そして、ターゲットにする年齢層は14歳から15歳ぐらいまでの学童以下のマーケットあること、売り込みの際には、日本での販売実績が既にあるもので、国籍を感じさせないものということであった。
 さらに、TV放映などのメディアのバックアップも不可欠であると述べた。メディアのバックアップがない商品はウォルマートやターゲットといった流通、小売が扱わないためである。

 木村氏の講演も含めて3氏で1時間という限られた時間ではあったが、情報量の多いレベルの高いセミナーであった。もし、可能であれば1時間半あるいは2時間ぐらいのほうがより充実した内容になったかもしれない。

LICENCING INTERNATIONAL 2005
ライセンシング 
JETRO 
遊戯王公式サイト 

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