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2005年02月20日
ワンダーフェスティバル ]
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wanfes_edited  今回のワンフェス(ワンダーフェスティバル)は、前回の東京ビッグサイトの西ホール1~3から会場を東ホール2~6に移した。そのため、約1500もの一般出展ブースが長方形の長い展示場に全て収まり、見通しもよく、渋滞も少なく見て回りやすい雰囲気があった。入場者数は、ここ5年ほどの3万人前後とあまり変化はないと思われる。そのため、コミケのようなイベントと較べれば会場を周りやすく、観る側も気楽に写真撮影を依頼し、展示する側も快く応じるといった和気あいあいとした雰囲気が強いイベントである。

 今回のワンフェスの特徴のひとつが、企業による限定商品の販売が従来に較べて少なかった点である。元々、ワンフェス限定商品アイテムは企業によるファンサービスのはずであったが、近年は限定アイテム目当ての来場やそれに伴う長蛇の列が見られた。そして、限定アイテムの短期転売といった本来の意図ともずれてきている部分もあった。限定アイテムの販売ではなくファン同士の交流の場や企業の新作の紹介に目が行くといった意味であるべき姿に近くなった。限定アイテムの減少は残念だが、止む得ないだろう。
 主催者も、近年、人気呼んでいる公式限定フィギアを大量に用意するなど、そうした方向に配慮しているようだ。逆に言えば、食玩ブームも峠を越えたといわれる現在は、様々な意味で1990年代半ばから急激に拡大したワンダーフェスティバルのひとつの転機なのかもしれない。

 また、イベントブースでは『装甲騎兵ボトムズ』の売出しに力を入れているらしく、複数企業ブースがボトムズの製品を大きく紹介しているのが印象的であった。個人的には、北陸製菓が売出し予定の愛知万博のマスコット『モリゾーとキッコロ』に惹かれた。このアニメ作品にはさほど関心はないが、フィギアの出来はかなり良い。
 残念だったのは、企業ブースが東3ホールとこの部分だけが他の部分から切り離されていた点である。前回、前々回の西ホールであれば中央のスペース、東ホール4~6であれば同じつながりなるのだが、今回は互いの連続性がなく、心なしか企業ブースが盛り上がりにかけたように見えた。これは、巨大な企業ブースがそれぞれ離れ小島のように点在していることも理由のひとつである。巨大化するイベントのスペースの問題である以上なんともしようがない話であるが、少し残念ではあった。

 ワンダーフェスティバルは、1984年にゼネラルプロダクツ(現ガイナックス)が日本SF大会の経験を元にゼネプロ大阪店で始め、途中主催者を株式会社海洋堂に変え今年で20周年を迎える。これを記念して2006年3月に、これまでとは全く違った形の『WF20』と題したイベント企画が進行中である。
 これまで、発表された内容は1泊2日の宿泊型のイベントであるであること、当日版権システムを利用したガレージキットの販売、豪華ゲスト陣によるワンフェス20年史を回顧するトークショー、事前登録完全定員制といったものである。詳細は決まってないことも多いが、現在のラインナップでも、今までにない面白いものになりそうである。詳細は、2005年夏のワンフェスガイドブックによって告知される。

右上写真は、ワンダーフィェスティバル2005『ワンダ&リセットのおしゃれ泥棒!』の売り場。いつも、短時間で完売するため今回は多めに販売された。原型製作は海洋堂の大島優木氏。

ワンダーフェスティバル公式サイト 
海洋堂 

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セミナー・講演会 ]
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 近年、国際交流基金が力を入れている事業に漫画文化の世界交流がある。国際交流基金は、これまでもアジア女流漫画家の交流や中国漫画の紹介などを手掛けて来た。今回のテーマとして取り上げているのは、『オンライン漫画配信』の現状と将来である。セミナー全体は、1日目の配信ビジネスを中心としたものと、2日目の漫画家の創作活動に関するセミナーの2部構成になっている。
 今回は、日本、韓国、中国のオンライン漫画配信ビジネスを紹介した第1部のみ参加した。セミナーの中心は、実際にオンライン漫画配信ビジネスを手掛けている各国の経営者によるそれぞれの報告と質問を中心としたパネルである。

 セミナーで一番印象深かったのは、オンライン漫画の配信ビジネスの進展であった。正直、昔のオンライン漫画しか知らなかったので、画像の美しさとその広がりにはかなり驚かされた。例えば、日本のイーブックスは、半年間にオンラインで『北斗の拳』を10万部以上売ったとしている。韓国では10社の専業業者があり、4000種類4万冊の漫画を提供している。今や、それが韓国伝統の貸本屋の事業の脅威になっている。そして、何よりもその成長率が高い。現在は市場規模の小さな世界だが、オンライン漫画という存在が広く知られ、今の成長が続けば今後期待できる市場規模は計りしれない。
 
 オンラインでコンテンツを配信する際に、必ず問題になってくる課題が幾つかある。それは、消費者が新しい媒体に違和感なく馴染めるのか、品質が維持出来るのか、設定価格はどうか、セキュリティーの維持はどうかいったものである。それぞれについて乗り越えなければいけない問題は多いのだが、全体を聞いた限りではいずれも克服可能に思えた。
 漫画をPC画面で読むことについては、日本と韓国がPC画面上に既存の漫画の見開きを展開している一方で、中国は動画、音声を組み合わせていたのが目立った。漫画の歴史が短い中国のほうが新たな技術に馴染みやすいのかもしれない。また、韓国のチュン氏が紹介した漫画の1コ1コマを分解してスクロールで見せるという方法も興味深かった。チュン氏によれば、このスクロール式は利用者に評判がいいということである。
 セキュリティーについては、日本の鈴木氏、中国の梁氏がその対策に自信を見せたのに対して、チュン氏は各国の物価の相違がある以上著作権を破る試みは必ずある、既にオンラインには不法な漫画コンテンツが溢れていると指摘し、今まで以上の対策が必要と述べた。
 
 また、同じオンライン漫画配信ビジネスであるが、各国の状況によりその発生から成立までに大きな違いも見られた。中国では、近年のインターネットの急激な普及と行政によるコンテンツ産業の支援が大きいとしている。
 韓国では、世界的にみても高いインターネット普及率と現在の漫画ビジネスの中心が貸本ビジネスであることが特徴である。このため韓国では本を借りることに抵抗感がない。一方で、出版社はこれまでの少ない利益から新たな収益確保する手段にしたいといった事情がインターネット漫画を促進させている。
 日本では、伸び悩む漫画市場の新たな展開であると同時に、現在ある資産の再利用とした意味合いが強いのように見えた。日本の現在の強みは、戦後60年に亘り蓄積された豊富な日本の漫画の量である。中国や韓国の事業者は、こうした日本のコンテツをいかに取り込むかが課題であるという。そうした中に、東アジアにおける漫画ビジネスの協力の可能性があるのかもしれない。

2月19日 会場:国際交流基金フォーラム
主催:国際交流基金
パネリスト:梁鋼氏(通力計算机技術(上海)有限公司社長)
      チュン・ヒウン氏(イーコミックスメディア副社長)
      鈴木雄介氏((株)イーブックスイニシアティブ社長)
       中野晴行氏
司会:木村忠夫氏(日本漫画学院長)

国際交流基金 
DigiBook(中国語) 
イーブック 
日本漫画学院 

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2005年02月07日
セミナー・講演会 ]
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 GLOCOM(国際大学グローバルコミニケーションセンター)が『コンテンツの現在「日本発、コンテンツの可能性と課題を探る――国家戦略となったコンテンツ、創造・産業の現在」』と題した連続講演会を実施している。今回はその第4回目としてゲームアナリストの平林久和氏とゲームクリエターの水口哲也氏が上記タイトルのもと、昨年暮れに発売された任天堂DSとソニーPSPを中心に日本のゲームの現在を講演した。

 講演は3部に分かれており、最初に平林氏がゲームアナリストの立場からゲーム産業の現在を説明され、続いて水口氏が自ら関わった作品を用いて90年代以降のゲームのトレンドを追った。最後は、お二人の対談、そして会場からの質問でしめるという非常に盛沢山で充実した内容だった。
 僕の興味はゲームそのものでなくゲーム産業にあるので、平林氏の講演は現状を知るうえでの知識を得られると同時に、ゲーム産業の今を考えるいい刺激となった。平林氏は、冒頭からコンテンツ産業の育成としてゲームがよく取り上げられるが、ゲーム産業を本当に手本にしていいのか考えるべきと述べた。そのうえで、日本ゲームが、現在はむしろ押され気味で、本当に日本発を行なっていたのは90年代前半であったとした。また、ゲーム機やゲームの出発点は全て米国にあること、現在、日本発で売れているのはハードウェアが中心であると解説した。
 現在の日本ゲーム産業の特徴は、マニアに支えられた市場であること、ゲーム離れと言われているのはハードでなくソフトが中心であること、ハードそれ自体がソフト化しているとまとめた。
 また、昨年、世界で最も売れたゲームソフト『Grand Theft Auto: San Andreas』を例に出し、世界の人気ソフトがこれまでの文脈にとらわれない自由な発想をしているのに対して、日本のゲームはゲームの文脈にとらわれる点で世界と異なるとした。また、海外の企業がプロジェクトマネジメントに優れているのに対して、日本のゲームは職人っぽさがある点も世界と日本の違いとしてあげた。
 
 水口氏の講演は、過去の作品を観ながらということであったが、これまでゲームにほとんど縁のなかった僕には初めて観る作品ばかりで純粋に楽しめた。特に、幾つかの音楽をテーマにした作品はやってみたいと思わせるに十分な作品で、これまで、ゲームをやって来なかったことが少し悔やまれた。

 今回の、講演会では日本発ということがテーマであったため、世界市場で存在感が薄まっている日本のゲーム産業がテーマになるのでないかと考えていた。しかし、そうした話題は、最後の質問で出た時に以外はあまり深く触れられなかった。逆に言えば、そうした話題は2、3年前に終わったものなのかもしれない。現在は、そうした状況を前提にしたうえで、ゲームの未来を考えて行く時なのだろう。
 水口氏がそうであるように、優れた才能は国境とは無関係に仕事を行なっている。つまり、未来のゲーム産業は国対国ではなく、国境を越えた企業同士の競争であるのでないだろうか。あるいは、さらに個人やチームでの戦いなのかもしれない。

2005年2月7日(月)午後2時~5時
水口哲也氏(ゲームクリエイター キューエンタテインメント代表取締役)
平林久和氏(ゲームアナリスト インターラクト代表取締役)
主催:GLOCOM(国際大学グローバルコミニケーションセンター)

GLOCOM 
平林久和氏のブログ 
水口哲也氏のブログ 

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