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2005年06月23日
企業経営 ]
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 少しばかり調子に乗っている。先日のバンダイビジュアルの株主総会でZガンダム試写会、お食事つき、おみやげつきなんておいしい思いをしたものだから、こりゃーバンダイそのものの株主総会も行くしかないとノリノリ状態である。
 最初からおみやげも当てにしていたりする。ちまたじゃ手に入らないと評判のたまごっちは無理でもバンダイなんだからなんかくれるだろうと。しかも、今回はナムコとの経営統合に伴う持株会社移行のビッグイベントつきである。

 というわけなのだが、結論から言ってしまうと普通の株主総会であった。普通というと悪く聞こえるのだが、不満なことがあるわけではない。総会を仕切る社員のかた達は明るく礼儀正しいし、総会の報告や応答も丁寧で判りやすい。むしろ、かなりレベルは高いほうだろう。じゃあ、何が違うかと言えばヲタクの空気があまり感じられないことである。普通というのは、エスタブ゙リッシュした一流企業の株主総会という意味での普通なのだ。
 それはバンダイビジュアルの株主総会の時に感じた経営陣と株主の共犯関係みたいなものでなく、一般株主と机の向こうで座っている経営陣といったようなものである。

 しかし、それはいちアニメファンの感傷であって、今や売上高2700億円、合併後には4400億円を越えるバンダイナムコにとっては、むしろこうしたことが必要なことなのかもしれない。これまでバンダイの経営を担って来た都市銀行出身の高須社長は、むしろ、キャラクタービジネスを外側からの視点で見直すことでバンダイの経営を活性化させて来たことがそれを証明している。

 総会の報告自体は決算資料の説明なので目新しいことは少ないのだが、それでも株主の質問の答えから幾つか興味深い話題も触れられた。ひとつは、800億円を越える現預金の使い道についてである。これについては、M&Aもしくは事業投資に用いるか自己株消却もあり得ると説明された。実はM&Aはナムコとの統合発表時にも触れられた話題なので、機会があれば手掛けたいという意欲はかなり強いようだ。合併後の売上げ目標の5500億円が、国内玩具・ゲーム業界1位であることも含めるとバンダイの拡大指向、成長指向はかなり強いといえる。
 さらに今期の経常利益減の原因とされる米国市場についても何度も触れられた。米国市場展開の失敗の大きな理由は、多くのキャラクターを展開し過ぎたことや映像パッケージの返品が多かったことであるという。とりわけ『鉄腕アトム』と『聖闘士星矢』の失敗が大きかったという話は、リアルで聞いた情報では初めてである。さらに、Kマートやトイザラスといった米国大手流通業者の経営不振が業績に影響した点も、今まであまり触れられなかった点である。
 そして、来期の米国の戦略がかなり大胆に変わることも理解できた。具体的には、キャラクターの絞込み、金型を使いコストのかかるフィギアからカードゲーム重視に転換、ガシャポンの新規展開といったことである。商品の流通経路ではウォルマート、ターゲット、トイザラスに加えて大手小売チェーンやドラッグストアを使って展開して行くという。

 バンダイとナムコの新株交換比率の算出方法について多少緊迫した質問などもそれなりにあったが、想定の範囲内であろう。総会単体で1時間20分、事業戦略説明も入れると2時間近くの株主総会は長いほうだが、むしろ、経営統合という大イベントを控える会社にしては静かな船出に感じた。

PS 期待していたおみやげは、風呂場で絵がかける『らくがきこどもせっけん』、『アンパンマン キャラメルコーン』、『ストライクフリーダムガンダム』とあまり私には馴染みのないガンダムのプラモデルにキャラクターストラップとかなり盛沢山であった。(^^)

バンダイグループ 

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2005年06月14日
企業経営 ]
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 6月14日に開催されたGDHの会社説明会に行って来た。正直、GDHの決算短信は結構じっくりみたので新しい情報はないと思ってあまり期待していなかったのだが、これが結構楽しかった。結局、紙の上の文字を読むのと会社を語るリアルな経営者とでは全然違うのだ。
 
 GDHの事業が好調なのは決算書類のうえではよく判る。それが、作品自体の制作と同じ位に権利の所有を重視するビジネスのやりかた、外部から資金を調達し作品を制作し権利は自社に残す仕組みにあることも理解出来る。しかし、書類からは伸びている会社のエネルギーとか夢語る姿というのは伝わってこない。
 
 今回の説明会の特徴は、決算内容を細かに語るといったものでなく現在と将来の事業の方向性に絞られていた。特に、GDHが繰り返し述べたのはこれまでのホビーファン向け(マニア向け)の作品に加えて、子供向け市場と劇場市場に進出することである。これは、前から言われていたことで、既に形になって来ている。それに加えて、市場として魅力のある実写映画に進出したいという方向性があらたに説明された。
 そして、特徴的なのは経営者が制作するそれぞれの作品がどの市場のどういった層を狙うか、会社全体の作品群の中での位置づけはどうなっているかを明確にしていることである。

 全体を通して感じたのは、当たり外れが大きくリスクが高いとされるアニメビジネスの中においてGDHが極めてリスク回避型の会社であることだ。急成長している会社というと、高いリスクを取りながらハイリターン、高成長を狙うというイメージがあるが、GDHはむしろ、手堅いビジネスをこつこつと積み上げて行くタイプである。
 そうしたあり方は、資金調達の方法やマーケティング手法といった様々な部分で見て取ることが出来る。投資として会社をみた場合は、GDHは将来について可能性を残しながら、大きく損を出すタイプの企業ではないという安心感がある。
 しかし、逆にいえばGDHとGONZOの作品群は手堅い一方で中ヒットはあるけれど大ヒットが少ないという弱点もある。リスク回避を行いながらもジブリやサンライズ、東映アニメーションのような大ヒット作品をだせるようになるかが今後の鍵といえるだろう。

 面白かったのは、石川社長が“萌え株”について特に言及したことである。石川社長は“萌え”とはかわいい女の子などが出て来るアニメで、GDHが手掛けるSFやアクションなどを中心とするアニメとは異なるということを強調していた。言外に会社が“萌え株”関連として括られるのは本意でないというニュアンスを感じられた。個人的には、言われなくても判っていますよと思いましたが。(^^)

GDH 

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2005年06月07日
セミナー・講演会 ]
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 音楽や映画、テレビ作品に携る業界では、インターネット上でのファイル交換がCDやDVDの需要を奪っていると考えられている。しかし、財団法人デジタルコンテンツ協会がまとめた調査研究『P2Pコミュニケーションの可能性と法的課題』は、このほどインターネット上の楽曲のファイル交換は実際のCDの売上げの増減とは無関係であるという驚くべき調査結果をリポートしている。
 この調査は、『P2Pファイル交換がビジネスに与える経済的影響』のなかでまとめられており、オリコンの上位ランクキング曲と実際行なわれたファイル交換の量を分析したものである。細かな手法は省かせてもらうが、結論から言えばファイル交換とCDの売上げの増減には因果関係が認められなかったという。

 今回の調査は一回のみの調査であるし、楽曲のオリコン30にランクインした半年間の調査という限定的なものである。実際、先行研究としてあげられた調査のひとつでは、ファイル交換はメジャーなアーティストのCDの売上げを減らし、中堅以下のアーティストのCDの売上げを増やすという結果もある。音楽のジャンル別などセグメントごとの分析も十分でないようにも感じる。
 しかし、仮に今回の調査が全面的に正しかったとすると、CDやおそらくDVDも含めて違法なコンテンツのP2P配信がそのビジネスに損害を与えていないとした場合、ファイル交換による違法な配信は認められるのだろうか。かなり難しい問題である。自らのビジネスに損害がないのであれば、金と時間をかけてまでそれを取り締まる動機は相当小さくなる。
 それでも一方で、作品のブランドの維持と消費者に対するイメージを傷つける可能性は残る。つまり、ファイル交換を放置することで、その作品に権利を持つ会社は著作権管理が甘いというメッセージを市場に送り出すことになる。それは、ファイル交換以外の海賊商品、模倣品の呼び水となる可能性が高い。また、品質の低い画像が出回ることで作品のイメージを落とし、制作に携わったクリエーターに不満が残ることもあるだろう。
 何よりの問題は、レンタルも含めた正規で商品を購入している人の心理の問題である。ある程度のお金を出して作品を購入した人に取って同じ作品を無料で手に入れている人の存在は腹立たしいものとなり作品の販売会社への不満となる。これが企業の信頼を傷つけことは十分考えられる。実際、現在、アニメ作品についてインターネットで流通しているファンサブについては、そうした感情的な反発が強いと考えられる。

 それでは、作品の権利者はどうすればいいのだろか。物理的にファイル交換を全面的になくすことはほぼ不可能であると言っていい。そうであれば、むしろこうしたシステムをビジネスとして取り込んで行く方向性が必要でないだろうか。つまり、自らが廉価でインターネットによる配信事業を行えば、少なくとも作品の質の問題はクリアー出来る。アニメであれば、これまで海外での十分な需要が見込めないとされていた作品でも、インターネット配信であれば利益を回収出来るであろう。
 また、先の調査のようにインターネットでのコンテンツ流通が本当にCD(おそらくDVDも)の需要を損なわないのであれば、インターネット配信事業は企業に取って追加的な収益になり、新たなビジネスチャンスである。もし、権利保有者が今は様子見と何の手段も取らなければ、失うものは多くビジネスチャンスはどこか他に持って行かれことになるだろう。

財団法人デジタルコンテンツ協会 

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2005年06月01日
資金調達 ]
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 行政によってコンテンツビジネスの強化が主張されるようになって既に5年ほどが過ぎた。色々と批判はあるが、経済産業省や日本貿易振興機構がコンテンツビジネスの海外市場開拓や新たな資金調達手法の開発においてある一定の役割を果たしてきたのは事実である。そうした分野ではビジネス面において、ここ数年で大きな飛躍が見られた。
 しかし、そうしたマクロ面での改善の一方で、特にアニメ制作を中心とした部分で、制作現場に還元されない利益システムやクリエイターの才能に十分な対価が払われていないといった問題がしばしば指摘されている。

 6月1日に東京・青山でクリーク・アンド・リバー社、C&R総研の主催、経済産業省の後援で開催された「コンテンツ製作・制作における契約のあり方」と題したセミナーでは、そうした問題に新たに目が向けられる兆候が感じられた。
 主にコンテンツプロデューサーに向けられたこのセミナーでは、第1部で『クリエイターと法制度~下請法とどう付き合うか』という内容で、上原伸一氏が親事業者から下請事業者を守る下請法が情報コンテンツにいかに適用されるかを説明した。また、第2部では、経済産業省の和久田氏と㈱シンクの森氏が新しく導入されるLLP(有限責任組合)を利用した製作委員会のあり方を、寺澤氏がコンテンツ関連の契約書を作成する際の制作側の留意点を説明した。
 こうしたセミナーが開かれること自体、プロダクションやクリエイターの問題が深刻に受け止められつつあること前向きに受け取ってよいだろう。また、コンテンツビジネスの仕組みが叫ばれる中で、何よりも大切なのは優れたコンテンツを生み出される環境であることが再確認されて来たといえる。

 特に今回のセミナーで気になったのは、森氏が説明されたLLPを使った製作委員会である。従来の任意投資組合を利用した製作委員会は投資リスクの分散やばらばらになりがちなビジネスをまとめるという利点により、これまで頻繁に利用されてきた。しかし、一方で作品の持つ各種権利が製作委員会の買い上げになる点や無限責任のため純粋な投資者である第3者が出資し難い点などの欠点もあった。
 新設されるLLPは事業に対して有限責任である点、事業の収益を出資比率に関係なく配分出来る点で従来の製作委員会より優れていると説明された。有限責任であることは、製作委員会に第3者の参加を促すことが出来る。また、出資比率に関係なく分配金をだせることで、資金力はないが制作技術や才能を持つ会社や個人に重点的に利益を還元することが可能になる。
 つまり、これまでは出資金に応じてしか出せなかった配当を、契約によって1%の出資金の制作会社にも20%の配当を出すといった傾斜配分が可能になる。優れた品質を持つ制作会社や人気のあるクリエイターには今後有利に働く可能性が高い。
 しかし、一方で本当にそうした仕組みだけで理想どおりにビジネスが進むのかといった疑問も当然ある。そのための下請法の理解であり、契約の仕方の理解ではあるが、結果が出るまでにはまだしばらく時間がかかりそうである。

コンテンツ製作・制作における契約のあり方
 1部『クリエイターと法制度~下請法とどう付き合うか』
  上原伸一氏:文化審議会著作権文化専門委員
 2部『クリエイターのための資金調達と契約のあり方』
  和久田肇氏:経済産業省商務情報局文化情報関連産業課 課長補佐
  寺澤幸裕氏:弁護士 太陽法律事務所パートナー
  森祐治氏:(株)シンク 代表取締役
  モデレター:清田智氏(株)クリーク・アンド・リバー/(株)C&R総研

日時:2005年6月1日 
場所:東京、青山、草月ホール
主催:クリーク・アンド・リバー社、C&R総研 後援:経済産業省

クリーク・アンド・リバー社 
C&R総研 
経済産業省 

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