検索

clear.gif


カレンダー
バックナンバー

2006年10月30日
セミナー・講演会 ]
clear.gif

tcm006.JPG 10月27日、28日に開催された東京コンテンツマーケット2006(TCM2006)は、新しいクリエーターの発掘育成を目指したイベントである。

 その会期中28日に行われたシンポジウム『ブロードバンド流通ビジネス最新事情』は、現在、エンタテイメントコンテンツの現場で何が起こり、どこに進もうとしているのかがテーマとなった。
 3つの異なるコンテンツ企業、フジテレビラボLLC、東映アニメーション、ジークレストから現在のインターネット上のビジネスモデルと将来の方向性が説明された。

フジテレビラボLLCの新しさ
 3社のなかで個人クリエーターに最も近いところにあったのは、フジテレビラボLLCのワッチーミ!TVである。
 これはYou Tube型の利用者による動画投稿サイトとコミニティサイトを結びつけたものである。クリエーターだけでなく、利用者が全てコンテンツ提供者となるコンセプトを持っている。
 しかし、ワッチーミ!TVは、ビジネスの新しさは魅力的だが、現在は収益化の目処はたっていない。当面は広告収入を目指すが、現在、投稿動画の市場を圧倒しているYou Tubeや10数社あるとされるライバル企業との差別化は、まだ十分とはいえない点に不安が残った。

人気コンテンツを最大活用する東映アニメ
 これと対照的なのは東映アニメーションである。同社の大山秀徳常務によれば、東映アニメーションは現在9000話を超えるアニメコンテンツを持っているのが強みだという。
 さらにこれまでの海外展開で25ヶ国語、延べで40000話分の外国語化が済んでいるという。

 東映アニメーションの資産は、プロによる既存の人気コンテンツにあるわけだ。既に人気があるコンテンツだけに収益化は比較的容易である。実際に、この夏から同社が強化しているインターネットのアニメ配信は既に大きな人気を呼んでいるという。
 今後は観たい時に観たいところで利用するサービスと、将来的にはPCのほか携帯端末やゲーム機、iTunesなど全てのメディアに対応できることを目指す。
 むしろ東映アニメーションの不安要因は、拡大するインターネットのコンテンツ流通のなかで自社の著作権をどれだけ守れるかにかかっていそうだ。

Gクレストの手堅いビジネスモデル
 新興企業ではあるが、オンラインゲームのGクレストも手堅いビジネスモデルであった。オンラインゲームの参加料やネット上でゲームアイテムに課金するアバタービジネスは、消費者一人当たりの利用単価も高く優良ビジネスである。
 今後の課題は、オンラインゲーム利用者の拡大にあるだろう。会場の聴衆にもオンラインゲームの利用者がほとんどいなかったように、一般層に浸透はまだ十分ではないからである。

 各社のビジネスモデルはそれぞれ大きく異なっていた。しかし、共通しているはどのコンテンツ企業にとっても、インターネットがビジネスにおいて益々重要になっていることである。
 そして、クリエーターにとっては、こうした現在の状況を理解することで作品制作の展開も変わってくるかもしれない。
 
ブロードバンド流通ビジネス最新事情
2006年10月28日
講師:時澤正 (フジテレビラボLLC 社長)
   大山秀徳 (東映アニメーション 常務取締役)
   長沢潔 (ジークレスト 代表取締役社長兼CEO)
モデレーター:
亀田卓(電通エンタテインメント事業局アニメ・キャラクター事業部スーパーバイザー)

東京コンテンツマーケット2006 

フジテレビラボLLC(ワッチーミ!TV) 
東映アニメーション 
ジークレスト 
電通 

clear.gif
posted by animeanime at 15:00 | (0)
2006年10月27日
セミナー・講演会 ]
clear.gif

 10月26日に東京・赤坂の日本貿易振興機構で「日中テレビ番組交流シンポジウム」が開催された。
 シンポジウムは中国のコンテンツ・メディアを管理する国家広電総局に、中国の2大メディアコングロマリットあるCCTVと上海メディアグループの代表が加わった。中国の放送メディアの核となる団体の代表が顔を揃える興味深いものとなった。
 タイトルはシンポジウムとなっているが、実際には国家広播電影電視総局のテレビドラマ部門企画処長の宋魯曼氏とCCTV中国国際電視総公司番組制作部の賈暁晨氏、CCTV中視鴻運視聴制作有限公司の張魯燕氏、上海メディアグループ映画・ドラマセンター魯書潮氏がそれぞれ講演会形式でそれぞれの組織の特徴と現状、それに日本とのビジネスについて語った。

日本のドラマに熱い視線
 各氏に共通して感じられかつ驚かされたのは、中国側が日本のテレビ番組の導入に対して非常に高い意欲を持っていることである。この理由には、講演のなかで度々触れられた韓国のテレビドラムに関係があるようだ。
 中視鴻運視聴制作有限公司の張氏によれば、中国の行政及び放送局の海外作品導入の基本は一箇所に集中しないことである。韓国ドラマは中国での放送量が増えすぎて規制の対象となっているようだ。その代わりとして日本のドラマに関心を深めているというわけである。

 しかし、日本の番組の放送にあたっては問題も多いと言う。それは番組制作者との直接交渉が難しい点、日本のコンテンツの価格が高い点、さらに日本のドラマの内容が中国に合わないことである。
 90年代以降日本のドラマは急激に変化してしまい、現在の中国の主な視聴者の実感とかけ離れたものになっているという。このため中国では、近年『おしん』や『赤いシリーズ』など日本の80年代のテレビ番組の買付けも行なっている。
 それでも出来るだけ多く日本のテレビ番組を導入したいと熱意の溢れた講演となっていた。

アニメ番組は依然厳しい環境
 テレビ番組・ドラマについては積極的なビジネスを呼びかけた放送2社だが、アニメ番組になると歯切れが悪かった。
 講演の中では両社とも自社のアニメ制作や放映には積極的にふれたが、日本とのビジネスにはほとんど言及しなかった。

 講演後には、今年中国全土で導入されたゴールデンタイムのアニメ放映禁止に対して質問があった。しかし、これには地方局の制作体制の遅れについて言及されたのみであった。
 しかし、このトピックに関して、アニメが巨大なアニメ産業と結びついていることにもふれている。つまり、アニメ番組に対する規制は放送事業というよりも、国内キャラクタービジネスの育成と保護という側面が強いようだ。

 このためアニメ番組は、視聴率を上げて広告収入の増大に結びつく一般的なドラマ番組とは区別して考えられているように感じた。
 もしそうであるなら、今回、中国側が積極的に導入を目指していたテレビドラマとは違い、現状ではアニメ番組の中国市場への本格的な展開はかなり厳しいと考えられる。

 いずれにしても今回のシンポジウムは、中国メディア関係者の生の声を聞くことが出来る貴重なものであった。また、アニメ以外については今後の日中の映像ビジネスの進展に期待を持たせる内容でもあった。

日中テレビ番組交流シンポジウム
 日中両国のテレビ番組ビジネスの拡大に向けて

日時:2006年10月26日
プレゼンター:
国家広播電影電視総局電視劇管理司(中国ラジオ映画テレビ総局テレビドラマ管理部門)
 企画処長 宋魯曼
中国国際電視総公司番組制作部(CCTV関係会社)
 副総経理 賈暁晨
中視鴻運視聴制作有限公司 (CCTV関係会社)
 常務副総経理 張魯燕
上海文広新聞傳媒集団 映画・ドラマセンター(上海文広新聞メディアグループ)
 副センター長 魯書潮氏
主催:ジェトロ  後援:経済産業省、映像産業推進機構

日本貿易振興機構 

clear.gif
posted by animeanime at 23:59 | (0)
2006年10月23日
セミナー・講演会 ]
clear.gif

 10月19日にライセントレードショーのライセンシングアジアで「多メディア時代のアニメビジネス」と題したビジネスセミナーが開催された。
 ライセンシングアジアは毎年ライセンス関係の専門セミナーを多数開催しており、キャラクターライセンスに関係の深いアニメビジネスについても個別のセミナーを設けている。

 今回のセミナーは『ポケットモンスター』などのキャラクター展開で知られている小学館キャラクター事業センター長の久保雅一氏が講演を行った。久保氏の講演はアニメビジネスだけでなく、それを取り巻く状況を説明することで現在のアニメーションビジネスの現状を明らかにするものであった。
 講演の前半部分は行政のコンテンツ産業に対する取り組みの変化や高速インターネットの普及、IPV6が家電と映像・音楽に与える影響からWeb20やSNSにまで及んだ。

 こうした状況を踏まえてコンテンツ産業(そしてアニメ産業)の課題を幾つか挙げた。最初に言及されたのは放送と通信の融合である。
 しかし、久保氏によると放送と通信の融合には抜本的な改革が必要だが、現状では改革はなかなか難しい。それは、いま求められている改革は権利の緩和であり、これは既存権利保有者の権利の一部を奪うことになるからだという。

 さらに海賊版問題とハイビジョン制作で増大する制作費のコストも課題としている。海賊版は香港や台湾で急激に状況は改善しているが、海賊版に代わる正規版の発売がない点が問題になっているという。海賊版が減少したことで、両国のコンテンツ市場は海賊版の韓国ドラマに奪われつつあるという。
 また現在、海賊版ではむしろインターネットを通じた米国市場のほうが深刻な問題であるという。同時に、You Tubeの現状についても課題として指摘している。

 ハイビジョン映像の制作費については、ハイビジョンで制作するために30%増加するコストが問題となっている。つまり、この増加するコストを誰が負担するかについて業界で合意がない点を指摘した。

 さらに、国内外のアニメ放映のテレビ放映の状況についても話は及んだ。久保氏は国内では東京MXテレビのアニメ放映分野での躍進に注目している。
 過去1年でMXテレビのアニメ放送は週18本から40本に増えている。これはテレビ東京の放映本数30本を上回っており、現在アニメ放映の最も多い一般放送局になる。さらにMXテレビの放映コストはテレビ東京の10%~12%に過ぎない。
 今後、MXテレビの放映とインターネットを組み合わせた全く新しいアニメビジネスの試みが可能でないかと久保氏は考えているという。

 アニメ番組の放送を巡る環境の変化は、海外でも同様に起きている。それは米国のアニメーションのテレビ放映の関心が、これまでの休日の朝の時間帯から平日の夕方の時間帯に移りつつある点である。
 実際にこれまで日本アニメは朝の放映時間帯からかなり姿を消しているが、それについて議論する意味は小さくなっていると久保氏は指摘した。
 講演のなかでは触れなかったが、今年から米国の『ポケットモンスター』の放映が地上波放送の休日の朝から、カートゥーンネットワークの夕方の時間帯に変更されこともこうした事情が背景にありそうだ。

ライセンシングアジア2006 

clear.gif
posted by animeanime at 16:00 | (0)
2006年10月20日
イベント ]
clear.gif

 ライセンシングアジアは人気キャラクターなどのライセンスのトレードショウとして毎年開催されている。キャラクターライセンスの市場拡大とともに、年々その規模を拡大している。
 10月18日から20日まで開催された今年の展示会も参加企業が過去最高の95社に達し、ライセンスビジネスに関わる大勢の関係者で賑わった。

cnla.JPG ライセンシングアジアの今年の特徴は、米国の大手メディア企業の出展が目立ったことである。
 例えば、有力アニメーション専門チャンネルと知られるカートゥーンネットワークやニコロデオンなどである。こうした企業は本国でもキャラクターライセンス事業に力を入れており、日本でも同様の展開を目指している。
nickla.JPG また海外からの出展は、これまでのアニメーションや絵本などのキャラクターに加えてスポーツブランドや企業ブランドなども目にするようになり、出展されるライセンスの領域の拡大が見られた。

 こうした海外ライセンスの増加傾向は、ライセンジングアジアが海外ライセンス紹介の場として独自のポジションを築きつつあることを明確にした。それはこれまでビジネス領域が被る部分も大きかった東京国際アニメフェアなどのほかのトレードショウとの住み分けにもなる。
 実際に日本企業でも、アニメや漫画などのキャラクターを持つ大手代理店でも今回の主力商品は自社が代理店業務を行なう海外の作品に絞っているのが目立った。
 しかし逆に言えば、昨年までは随所に見られた日本のライセンスは、あまり見られなくなっていた。

pierrotla.JPG こうしたなかで、アニメ製作会社のぴえろが『NARUTO』、『Bleach』など自社が窓口業務を行なうアニメ作品を強く打ち出していたのが目を引いた。
 また、セガサミーグループも、業務用カードゲームの人気作品『ムシキング』、『恐竜キング』、『ラブ&ベリー』を大きく売り出していた。

segala.JPG また一方で、昨年の参加では大きな出展ブースを出していたウォルト・ディズニーやマーベルの姿が今年は見られなかった。
 こうした大手メディアのキャラクターライセンスは、毎年6月にニューヨークで開催されるライセンシングインターナショナルでもビジネスが可能なことも理由にあるだろう。
 ライセンシングアジアは海外ライセンスの日本への売り出しというポジションを確立しつつある一方で、今後は本場であるライセンシングインターナショナルとの住み分けが重要になりそうだ。

ライセンシングアジア2006 

clear.gif
posted by animeanime at 23:59 | (0)
2006年10月18日
セミナー・講演会 ]
clear.gif

 10月17日、デジタルハリウッド大学 秋葉原メインキャンパスにおいて『デジタルコンテンツ白書 2006』発刊セミナーが行われた。
 本書は、財団法人デジタルコンテンツ協会がメディア・デジタルコンテンツ産業の市場規模と産業動向を調査し、毎年発行しているもので、監修は経済産業省 商務情報政策局が行っている。

100_0703.JPG
 本セミナーでは、「コンテンツビジネス拡大の方策とは?」をテーマに、デジタルハリウッド福冨忠和教授、ノンフィクションライターの堀田純司氏、フジテレビ映画制作部 部長の清水賢治氏が講演を行った。その中から、清水氏のお話になった内容をお届けする。

映画製作本数の逆転について
 今年、業界関係者は20数年ぶりに洋画と邦画の製作が本数ベースで逆転しそうだと見ている。現在、比率でいうと、49:51くらいの割合まで邦画が迫っているという。
 これの背景としては、ヒットに結びつく邦画が増えたためではあるが、それだけが理由の全てではなく、放送局の立場からの映画製作事情というのも大いに関係してきている。

放映権の高騰と視聴率
 一般的に、テレビで映画を放送するときの放映権は配給収入の10%と言われている。そのため、例えばハリーポッターを放送するには5億円が必要になる(続編の公開直前などPR効果が期待できる場合は別)。
 映画産業はシネコンの普及などで上位ヒット作品の収益額は上がっており、かつ洋画の視聴率というものが低下している現状がある。このため、広告収入との費用対効果が見られなくなってきている。
 そういった状況を鑑みると、経営戦略からした場合、放送コンテンツとしての放映権調達はあまり得策ではない。自社で製作する場合、投資額はある程度必要ではあるが、その後に放送する場合に利用が容易な上、ヒット作を作れた場合には二次収入も見込めるため、放映権を払って一度放映する洋画に比べ圧倒的に、会社としての資産に大きく寄与することになる。

100_0717.JPG
テレビ局はソフト工場でなくてはならない
 そもそもフジテレビは昔から映画を多く作っていたわけではなく、この体制は'83年の『南極物語』が転機といわれている。それまで“テレビ屋はテレビ”という考え方が支配的だったのに対し、“テレビ局はソフト工場である”といった、ワンソース・マルチユースの考えがなされるようになってきた。
 清水氏は映画マーケット全体が2000億円市場規模に対し、フジテレビ1社だけで編成予算が1000億円であることを挙げて、年間に1クールのテレビドラマを2回経験できる同局の社員演出家の制作経験について、自信を覗かせる。事実、老舗の映画会社でも自社製作作品は年間に数本程度で、1年間に10本を製作するフジテレビとは逆転現象が起きている。

ヒットするのは面白さと運
 ヒットを生む方法はない、と清水氏は断言する。ただ、ヒットに近づけるためには会社としていくつかの方法があり、その中には「企画の判断をしすぎない」というのがある。彼らの元に来る企画は、基本的には清水氏とその上司である亀山千広プロデューサーだけで行うという。
 ただその上で、どのような客層にアピールするのかを、映画館の座席数から判断して詰めていく事になる。「人を管理しても企画は管理するな」というのが彼らの合言葉だ。このように、当たる物を探すのではなく、外すものを除くことで、ヒットする企画の多様性が生まれることになる。

映画館というメディアを考える
 フジテレビの場合、よく放送番組の中での大量PRが批判の矢面に立つところではあるが、そこはあくまで知名度を上げる目的であり、実際に劇場に足を運ばせる戦略は別のところにある。興行者の念頭にある映画人口とは、少なくとも年に複数回劇場に足を運ぶ人々を指す。
 そういった層に効果的なアピールをするには、劇場の特報を利用するのが重要になってくる。最後に、インターネットとの関係について、配信はいずれ避けて通れぬ道としながらも、ブログなどのファン活動と上記のイベント指向というのは非常に親和性が高く、手段としてのファンコミュニティーを重要視したい考えであると述べた。

『デジタルコンテンツ白書2006』発刊セミナー
講演 「フジテレビの映画ビジネス戦略」
清水賢治 フジテレビジョン 映像事業局 映画制作部 部長
 清水氏は入社以来、『ドラゴンボール』『ちびまる子ちゃん』など多くの大ヒットアニメをプロデュースし、ドラマでも『世にも奇妙な物語』などの成功を収めている。近年はスカイパーフェクトで『地獄少女』への出資も手がけ、放送局をまたいだ製作手法が注目を集めた。

デジタルコンテンツ協会 

フジテレビジョン 

clear.gif
posted by animeanime at 18:00 | (0)