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2008年04月23日
東京国際アニメフェア ]
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 東京国際アニメフェア2008のSTUDIO4℃ブースでは、2008年夏に公開される予定の劇場作品『Genius Party Beyond』について、連日公開でトークショウが開催された。
 29日には森本晃司監督とCGI監督の草木孝幸さんによって森本監督の『次元爆弾』についての詳しい解説が行われた。ファン待望の森本監督の新作は、およそ20分の作品に3年をかけた力作である。

 本作で森本監督が目指したのは「マンガの空間」を作ることである。絵が持つ「描くことで平面が空間になる」という面白さを追求した。そのため、従来のアニメでは見られないほどの徹底した空間設計が行われたという。
 たとえば、草木さんに指示を出すときに「ある地点からある点まで、何kmあるか」と考えさせ、具体的に空間を作っていく。画面設計であるレイアウトは緻密に鉛筆やマーカーで描かれ、トークの最中には直筆のレイアウト用紙も披露された。

 そうした圧倒的な「リアリティ」を要求するのは、高い技術を使って楽しみたいという気持ちからである。そのため、目指すところは決して現実をそのままトレースする「リアル」ではない。マンガという記号性が「リアリティ」を引き立てるのであるという。
 草木さんは今回「裏方」になるよう心がけたという。それは手描きの絵の持つ記号性を活かすためである。例えばCGで絵に陰や光を加えることで、リアリティを補完する貢献の仕方だ。

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 作品の物語は監督が今まで照れていて描けなかった青春ものであるようだ。
 キャラクターに声を当てるのは、音楽家・菅野よう子さんである。もちろん声優初挑戦となる。監督は、彼女の芝居について作中に出てくる「冬と夏が半分ずつ存在する空間」のように、異なるタイプのキャラクターを上手く演じ分けてくれたと評する。

 監督はトーク中に「マンガ」という言葉を繰り返し使うように、絵を描く楽しさを改めて発見したようで「これを見て、自由な創造ができる可能性をアニメーションに見つけたり、アニメーションを作り始めてくれれば嬉しい」と語った。
 『次元爆弾』を含む5編からなるオムニバス映画『Genius Party beyond』は夏頃公開の予定となっている。

Genius Party Beyond 公式サイト http://www.genius-party.jp/
東京国際アニメフェア2008 http://www.tokyoanime.jp/ja/index.php

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STUDIO4℃『Genius Party Beyond』夏公開 TAF2008

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2008年04月22日
イベント ]
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 2008年4月19日、品川プリンスホテルのエプソンアクアスタジアム「ステラボール」にて「スーパーロボット大戦感謝祭2008」が開催された。感謝祭はこの日で6回目を数え、この日集まったのは抽選で選ばれたおよそ1000人のファンたちである。
 『スーパーロボット大戦』は生誕17周年を迎えた人気シミュレーションRPGシリーズで、これまでに43作品、累計販売本数は1260万本を突破している。様々な人気アニメのロボットがクロスオーバーするのが魅力の作品である。

今回、据え置きハードでの原作ありきスタンダードタイプとしてはおよそ3年ぶりとなる、完全新作の『スーパーロボット大戦Z』の発表が行われた。
 プラットフォームはプレイステーション2、発売日・価格は現在のところ未定となっている。

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 オープニングは総合プロデューサーの役目も担っている水木一郎さんの太鼓の音で幕を開けた。続いて登場したのは、バンダイナムコゲームス代表取締役副社長の鵜之澤伸さん。鵜之澤さん自身ロボットアニメのマニアを自称する。『破邪大星ダンガイオー』や『機動警察パトレイバー』など鵜之澤さんのプロデュース作品を挙げると会場は大きな歓声に包まれた。
 水木さんは「彼のようにロボットやアニメが好きな人が代表になるべき」と応援する。鵜之澤さんはゲームの開発スタッフもイベントに来場しており、ファンの熱い思いを受けてさらに開発に励むことだろうと述べた。

 会場で初公開された新作CG中に次々と登場する「新規参戦」ロボにファンの歓声が大きくなった。ゲームのチーフプロデューサーである寺田貴信さんの後、登場したのは『超重神グラヴィオン』監督の大張正己さん、キャストから寺島拓篤さん、杉田智和さん、緑川光さんらである。司会は置鮎龍太郎さん、かかずゆみさんが行った。
 大張監督は「スパロボ」の大ファンとしても有名で、シリーズ作品(「スパロボOG」)のオリジナルメカデザインも行っている。今回、自身のアニメ作品であるグラヴィオンの参戦に嬉しさを隠せない様子だった。  寺田プロデューサーは今回の登場作品について、以前から出したいと考えていたが温存していた作品と、『創聖のアクエリオン』の様に昨今の盛り上がりとタイミングが合致できた作品と、全体のバランスも考慮しつつ熟考した結果のラインアップであると説明。

 ゲーム紹介の後、トークに水木さんも加わり、新作のタイトルが「Z」であることにかけて「(シリーズタイトルに付ける)残りのアルファベットが無くなってきたから、次はグレートを付けよう」と言って笑いを誘った。
 トークセッション終了後は、スパロボ同様に色々なアニメの歌手が登場するフェス形式の「スーパーライブ」となった。

 水木さんがトップバッターで歌い終えた後、この日映画の舞台挨拶を終えて駆けつけた神谷明さんが登場した。このサプライズに会場は大きな盛り上がりに包まれた。ステージではベテラン同士の長い間柄の思い出話に花を咲かせた。
 神谷さんは「スパロボ」の最初の収録の時に、共演者と「20年も前のキャラクターを演じられるのは幸せ者だね」と語ったそうである。「そこからさらに17年です。これも長い間支え続けてくれているファンのおかげ」と、改めてファンに感謝の言葉を述べた。

 続いて登場したのは『創聖のアクエリオン』の主題歌を歌ったAKINOさんとbless4の皆さん。この日に歌われたのは英語詞パートを混ぜたスペシャルバージョンで4人の美しいハーモニーを響かせ、貴重なライブの歌に会場のファンは大きく盛り上がった。
 この後、同じく新規参戦の『超時空世紀オーガス』の主題歌を歌うケーシー・ランキンさんがギターを持って登場した。25年前の作品が登場することについて流暢な日本語で「長生きはするもんだね」と語るランキンさん。曲中にはギターソロをものブルースの弾き語りを混ぜ、懐かしい映像と共に歌声を響かせた。

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 スパロボといえばJAM Projectである。メンバーの一人福山芳樹さんは『キングゲイナー』の主題歌で一足先に登場。先月のコンサート中に負った怪我をものともせず、パワフルな熱唱を行った。JAM Projectの5人は「グラヴィオン」の主題歌や、現在作成中のスパロボ新テーマ曲をはじめとした4曲、さらに水木さんを加え『鋼の救世主』を熱唱した。
 最後に、芸能生活40周年を迎える水木さんに記念の花束が手渡され、「本家Z」である『マジンガーZ』の歌とともに赤い紙吹雪が噴射され、熱い3時間30分のステージは幕を閉じた。

スーパーロボット大戦 公式サイト http://www.suparobo.jp/

■スーパーライブ セットリスト
1. 『Zのテーマ〜空飛ぶマジンガーZ〜おれはグレートマジンガー』(水木一郎)
2. 『創聖のアクエリオン』(AKINO)
3. 『Go Tight』(AKINO【bless4】)
4. 『漂流〜スカイハリケーン〜』(ケーシー・ランキン)
5. 『心はジプシー』(ケーシー・ランキン)
6. 『キングゲイナー・オーバー』(福山芳樹)
7. 『嘆きのロザリオ』(JAM Project)
8. 『紅ノ牙』(JAM Project)
9. 『スーパーロボット大戦新シリーズ新曲』(JAM Project)
10. 『Rocks』(JAM Project)
11. 『鋼の救世主』(水木一郎・JAM Project)
12. 『マジンガーZ』(水木一郎)

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2008年04月19日
東京国際アニメフェア ]
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『Genius Party Beyond』いよいよ公開
 3月27日から30日まで行われた東京国際アニメフェア2008のSTUDIO4℃ブースにて、2008年夏に公開定の劇場作品『Genius Party Beyond』の公開トークショウが開催された。登場したのはSTUDIO4℃の社長でプロデューサーの田中栄子さんと森本晃司監督である。
 トークショウはパブリックデーの2日間にわたり、1日目に『Genius Party Beyond』全体、2日目に同作品内の森本監督の作品『次元爆弾』についての詳細な話題が繰り広げられた。

  『Genius Party』は2007年7月に公開された短編7作品からなる劇場作品で、渡辺信一郎監督や河森正治監督をはじめとした実力派が集った話題作である。
 2008年2月には米国・ワシントンにあるケネディセンターで公開され、好評を得た。ケネディセンターはアート界で権威ある総合文化施設で、今回はファンイベントとしてではなく、メインカルチャーとして取り上げられた点が興味深い。
 その第2弾として、2008年夏に『Genius Party Beyond』が劇場公開される。今回は短編5作品による構成である。参加するクリエイターは、前田真宏監督、中澤一登監督、大平晋也監督、田中達之監督、森本晃司監督となっている。

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監督達のエッセンスが詰まった5本
 今回の5本は短編が故にぎっしり監督のエッセンスが詰まっている作品ばかりである。田中プロデューサーは「最初のエンターテイメントから個人の胎内回帰へ一気にもっていかれる。この雰囲気をぜひとも劇場で味わってほしい」と語る。
 前田監督の『GALA』は代表作『巌窟王』の荘厳な雰囲気とは大きく異なり、明るい作風になっている。田中プロデューサーによると、前田監督の考えるエンターテイメントを分かりやすい形で伝えようとする彼の姿勢が表れた作品である。前田監督の新しいスタートだと思って見てほしい」と語った。

 中澤監督は、『キル・ビル』のアニメパート監督、『サムライチャンプルー』のキャラクターデザインなど、エッジの効いた作風で知られているが、実は不条理やギャグが得意であるという。今回は月面都市を舞台に地底に向かって宝探しをする物語で、シニカルなテーマが描かれる。
 大平監督は劇場作品を中心に活躍する実力派アニメーターである。今回が初監督作品となる『わんわ』は、色とりどりの切り絵のような画面でパラパラマンガの動きの面白さを表現した意欲作である。子どもに愛情を注いで生涯を捧げるという意味を込めて作った。田中プロデューサーが「一枚一枚の絵を止めて見て欲しい」と語るほど力が入っている。

 田中達之監督はアニメだけではなく、イラストレーションの世界でも人気が高い。『陶人キット』は2002年に発売されたSTUDIO4℃の短編集に予告編が収録され、この映画でようやく全編が披露される。
 森本監督は『次元爆弾』は、森本さんの作風を知っている人だと「胸がキューっと痛くなる」作品であるという。テクノ界の鬼才であるJuno Reactorが音楽を担当するほか、音楽家の菅野よう子さんが声優として起用される。

天才たちが飛び出す
 田中プロデューサーは、STUDIO 4℃は自分たちが表現したいものを作るために設立した会社であるという。その中で、『Genius Party Beyond』は集大成とも言うべき映画となる。
 映画のタイトルに「Genius」(=天才)という語を盛り込んだことについて田中プロデューサーは、天才的なクリエイターたちが世界に飛び出していく足がかりにしてほしく、発想から変えるためだという。「自分で何かを表現するなら言い訳をすることなく腹をくくって」自分の持ち味を一番出して作り上げて欲しいと語る。

 森本監督は当初この企画に困惑したようだが、「どうせみんな心の中では、自分は天才だと思っているから(笑)。照れている時代は終わったと思っている。みんないい歳なんだから開き直ってやろう」と決意を語る。
 森本監督は自作について「自分たちがアニメの魅力を感じた時の原点に戻って、面白さって何だろうと考えて作りました。この映画の中にはそれがいっぱい隠されているので持って帰ってもらえるとうれしい」と見所を語った。『Genius Party beyond』は夏頃公開、前作『Genius Party』のDVDは7月7日に発売される予定となっている。

東京国際アニメフェア2008  http://www.tokyoanime.jp/ja/

STUDIO 4℃ http://www.studio4c.co.jp/top.html

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森本監督 新作の『次元爆弾』を語る

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2008年04月17日
イベント ]
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 夏の定番となっている大規模アニメソングコンサートの「アニメロサマーライブ」が今年も開催される。4月11日、文化放送で記者発表会が行われた。
 「アニメロサマーライブ」は2005年から始まった、アニメソング界のトップアーティストが一堂に会する真夏のビッグ・イベントで、2007年は7月に日本武道館で開催し、5時間もの長時間にわたって観客を魅了し続けた。参加したファンはおよそ12000人である。

 4回目となる今年は、会場をさいたまスーパーアリーナに移して、2008年8月30日(土)、8月31日(日)の2日間にわたって行われる。主催者側では両日で25000人を目標としている。
 参加アーティストは、現時点で両日5組ずつ10組の参加が明らかになっている。8月30日(土)はALI PROJECT、GRANRODEO、栗林みな実さん、茅原実里さん、水樹奈々さん、8月31日(日)は石川智晶さん、JAM Project、ドメスティック・ラヴバンド、平野綾さん、桃井はるこさんの予定だ。

 アニメロサマーライブは、Generation-A、OUTRIDEというように毎年テーマを掲げて開催し続けてきた。今年のテーマは「Challenge」である。
 もちろん初めての2日間開催や初めての会場という挑戦もあるが、主催者側は、イベントを通じて「過去の栄光にとらわれず、振り返らず、前を向いて歩んでいこう!」「勇気を出して一歩踏み出そう!」「夢をあきらめない!」といった「何事にも挑戦する」思いを込めたという。

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 このイベントをドワンゴと共に主催する文化放送は現在、60番組ほどアニメ・声優関連のラジオ番組を放送している。
 編成局編成部長の片寄好之さんは「レコード会社の壁を越えてアニソンシンガーのオールスターキャストの規模がさらに大きくなるということで、観客としても楽しみです」と語った。

 毎年、このイベントに出演しているJAM Projectの影山ヒロノブさんは、今回のさいたまスーパーアリーナ2daysという舞台について「1年目の代々木第一体育館の時も大きくて驚きましたが、階段をかけ上るようにここまで大きく育ってきました。”アニサマ“は今や日本一、そして世界一のアニソンイベントなので、今回も成功できるように僕もがんばりたいと思っています。人生の醍醐味は無謀と言われることに対して失敗を恐れず向かっていくこと。今年のテーマ通りビッグイベントを成功させられるように『チャレンジ』していきたいです。」と語る。

 今回、「アニメロミックス」「アニメロ★うた」「超!アニメロ」いずれかの会員は、2008年4月14 日(月)から12:00~4 月28 日(月)18:00の期間に各携帯サイト上で最速の先行予約をすることができる。(席順は期間終了後に抽選。また予定枚数を超えた場合は抽選となります。)
 チケット料金は、は両日とも前売り全席指定で7500円(税込)となっている。

 恒例のイベントテーマソングも7月23日に発売される。現時点で歌手などは明らかになっていないが、今年は2日間開催となるため、出演日ごとにチーム分けをするといった作品作りが行われる可能性もありそうだ。
 また、4月よりニコニコ動画でスタートした「ニコニコアニメチャンネル」との連携企画も用意されているという。

 アニメソングコンサートは数多くあるが、海外のアニメファンイベントに比べて、フェス形式で競演するイベントはあまり多くない。
 そんな中、例年アニメロサマーライブは大きな存在感を示している。今年は開催日数と会場が大きく拡大するため、さらに世界中のアニメファンにとって羨望のアニソンフェスとなるだろう。

Animelo Summer Live 2008 -Challenge-
日時: 2008年8月30日(土)、8月31日(日) 各日 14:30開場、16:00開演
会場: さいたまスーパーアリーナ
主催: ドワンゴ/文化放送
後援: キッズステーション/tvk(テレビ神奈川)/NACK5/さいたまスーパーアリーナ
企画: アニメロサマーライブ2008 実行委員会
制作: フューチャーシンジケートJ
協力:
エイベックス・エンタテインメント/キングレコード/JVCエンタテインメント/ジェネオン エンタテインメント/ドワンゴ・エージー・エンタテインメント/ランティス 他(50音順)
出 演:
8月30日(土) ALI PROJECT、GRANRODEO、栗林みな実、茅原実里、水樹奈々他(50音順)
8月31日(日) 石川智晶、JAM Project(影山ヒロノブ、遠藤正明、きただにひろし、奥井雅美、福山芳樹)、ドメスティック・ラヴバンド(angela)、平野綾、桃井はるこ 他(50音順)

イベント公式携帯サイト: 「アニメロミックス」、「アニメロ★うた」、「超!アニメロ」
イベント公式PCサイト: http://anisama.tv/
■チケット情報
料 金: 全席指定/前売 \7,500(税込・各日)

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2008年04月16日
東京国際アニメフェア ]
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■ アメリカとは異なる「アニメ先進国」
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 東京国際アニメフェア2008のシンポジウム「アニメ先進国日本の課題」と題された講演が行われた。 登壇したのはマッドハウスの元代表取締役で、2007年8月に『アニメビジネスがわかる』を著した増田弘道さんである。ビジネスデーということもあり、会場には多くの業界関係者が詰め掛けた。

 まず増田さんは「アニメ先進国」日本について、アメリカとの違いを述べ、追いかける存在がなくなってしまったことを指摘する。
 また、少子高齢化という消費構造を直面する問題や制作のデジタル化など、アニメビジネスにおいて世界中で誰も経験していないことが起きていると述べた。このため日本のアニメ業界はキャッチアップ型からフロンティア型へ意識転換が必要であるという。

 増田さんによれば、ずっと右肩上がりで成長し続けたアニメ産業にここ1年間ほどは停滞感があるという。これは新しい局面に入ったことの表れであると考えている。この対比として増田さんはアメリカのアニメーション産業の盛衰を紹介した。
 アメリカにおけるアニメの黄金時代は1930〜40年代、ディズニーやトムとジェリーなどのキャラクタービジネスが隆盛を誇った時代であるという。その後だんだんと下り坂に向かい、1966年にウォルト・ディズニーが亡くなったことが象徴的なこととなった。

 90年代にディズニーの2Dアニメーションが復活し頂点を迎えたが、95年に『トイストーリー』が出現すると、2Dと3Dアニメーションが併存し、2000年代になると多くのメジャースタジオが3Dアニメーションを製作するようになった。
 2006年には、3Dの劇場作品版が13作品も作られるという隆盛ぶりである。このように盛衰を繰り返したアメリカが抱えた課題と解決に、現在の日本のアニメ業界は学ぶ必要があることを述べた。

■ 携帯向けアニメビジネス
 シンポジウムは、続いてデジタル化による流通の変化について話が進んだ。現在、携帯電話向けアニメの配信が急激に伸びているという。
 増田さんは、携帯電話向けアニメ配信サービスを行うフロントメディアの顧問を務め、業界が立ち上がった最初期2006年3月からこの事業に携わっている。当初はパケット放題が浸透していない状況で同業は皆無であったが、現在、25の公式サイトが事業を行っているという。

 売上が大きく伸びたのは2007年中盤からで、『新世紀エヴァンゲリオン』の劇場版のプロモーションをとして配信したところ45日間で100万回以上のアクセスを記録したそうである。
 有料携帯アニメサイトで、現在最もアクセスが大きいのは、東映アニメが運営する「ドラゴンボール☆ANIMO」という単体のチャンネルである。また5位には同じく「スラムダンク」のチャンネルが入っているほか、20位以内に東映アニメの6作品が入っている。この成功要因として、東映がまだまだ認知度が低い携帯アニメに対して、きちんと資本を投じてプロモーションを確実に行った結果であると分析する。

 また、携帯はユーザーの移り変わりが早いため、早くも作品のマルチユースが行われ、一つの作品が様々なチャンネルで見ることが出来る状況にあるようだ。
 最近、ニコニコ動画がiモードの公式メニューに登録されたことで、携帯アニメ業界にも波紋が広がっており、キャリア側の判断が待たれる状況だという。

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■ 著作権ビジネスの課題点と海外市場
 増田さんは表現の可能性を認めたうえで、著作権問題を解決していく必要があると述べた。アメリカでは日本よりも著作権法が細かくない。事業当事者間がそれぞれのケースに応じて細かな契約を結ぶため、自分たちの判断でビジネスを行えるという。
 違法配信で最も怖いのは、コンテンツに対して対価を払う感覚が無くなることであるという。現在のDVDビジネスにおけるボリュームゾーンは30代とされており、これ以降の世代になったときに対価を支払う習慣がないと、ビジネスモデルが崩壊するという。中国が大きな市場を持っているにもかかわらず、ビジネスにならないのはこうした理由によるという。

 また、現在の少子化において、海外ビジネスによって国内市場を補うのは必須であるとする。日本の現場モデルは世界最高レベルにある一方、海外向けのビジネスにはまだまだ改善の余地が大きいという。
 増田さんの試算によると2005年の場合、海外から日本に入ってきた(ライセンス料などの)金額は220億円程度であるという。今後は、こうしたビジネスの交渉力が必要であると述べた。

■ デジタル制作がもたらすもの
 増田さんは現在、アニメのフロンティアをデジタルに求めている。デジタル化により制作スタイルが変化し、従来のように必ずしもスタジオに入って学ばずとも、商業アニメが作れるようになったため、2000年前後から新しいアニメ制作会社が生まれてきている。
 こうした独立系の制作者により、新しい創造性がどのように生まれるか期待が持てるという。しかし、これらの作品がメジャーなものになるには30分作品を1年分作れる程度の生産性が必要であるという課題がある。

 ただ、これらは減りつつあるマンガ原作や、固定化したスタジオの系列化を打ち破るもので、大きな期待を感じると述べた。
 さらにこれに限らず、全く新しい時代に向け、業界全体でイノベーションを行う必要があると述べ、話を締めくくった。
[日詰明嘉]

東京国際アニメフェア2008公式サイト http://www.tokyoanime.jp/ja/

増田弘道さんのブログ「アニメビジネスがわかる」 http://anime.typepad.jp/blog/

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2008年04月14日
東京国際アニメフェア ]
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 2008年3月27日、東京国際アニメフェア2008のビジネスデーに、当サイトを運営する株式会社アニメアニメジャパンは「北米アニメファンから考えるアニメ産業」と題したシンポジウムを開催した。
 パネリストは、ジャーナリスト・編集者のエド・チャベスさん、北米でアニメ情報を扱うニュースサイトAnime News Network編集長のクリストファー・マクドナルドさん、大型アニメコンベンション「Otakon」の代表ション・シオシャンキットマンさん、交渉関係部長のジム・ヴォルズさん、アメリカ最大のコンベンション・アニメエキスポを運営するSPJAのCEOのトゥルーリー・カラハシさんの5人である。
 ディスカッションのテーマは「日米のアニメファンの大きな違い」、「アニメ、マンガの大衆化の現状」、「アニメ、マンガ分野の著作権問題」の3点である。

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<日米人気作品のちがい>

 最初に、日米アニメファンの違いについて「日本と北米で人気の異なる作品」について意見が交わされた。
 シオ・シャンキットマンさんは、これに対して「ストーリーとアニメーションが良ければ作品の評価は大きく変わらない」という。一方、マクドナルドさんは、一般的に日本で人気の作品はアメリカでも人気だが、『カウボーイビバップ』は日本よりもずっと大ヒット作品であり、また日本で人気の『NARUTO』も、アメリカではずっと多くの人気を獲得しているといった例を挙げた。

 日米で人気が異なる理由について、チャベスさんは、日本に比べアメリカはマーケットやファンの成長がより急激だった点にあるとする。また、アメリカでアニメが視聴され始めたのは80年代と比較的新しいという歴史の違いがある点を指摘する。
 さらに、これらはインターネットの普及と密接であるとする。インターネットを通じて90年代後半から急激にアメリカのアニメファンの情報量が増加し、作品の情報も日本と時差が無く手に入るようになった。また、こうしたファンの盛り上がりに応える形で、日本でも最新の作品が発売されていった。

 このため日本のように歴史的な段階を追い、コンテクストを踏まえたかたちでキャラクターや物語の展開を知ることがなくなっている。最新のアニメだけを手に入れたため、過去の作品に立ち戻る機会を得られないという。
 また、マンガに関して言えば、アニメ化されていないマンガの情報はあまりファンの元に届かない。このため、日本のようにマンガ連載とアニメ作品の人気が上手く噛み合わず、人気を逃している作品もあるという。

「北米アニメファンから考えるアニメ産業」レポート 2に続く

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アニメファンから考える北米アニメビジネスの現状

日時 3月27日(木) 14:30 - 16:00
主催 株式会社アニメアニメジャパン

出演者

〔パネリスト〕
エド・チャベス(Ed Chavez)
    (フリーランス‐ジャーナリスト、編集者)
クリストファー・マックドナルド(Christopher Macdonald)
    (Anime News Network編集長、Protoculture Addicts 発行人)
ション・シオシャンキットマン
    (Otakon コベンション代表)
ジム・ヴォルズ(Jim Vowles, Jr.)
    (Otakon 交渉関係部長 ゲスト・プレス・業界関係)
トゥルーリー・カラハシ(Trulee Karahashi)
    (日本アニメーション振興会 最高経営責任者)

〔司会〕
数土直志(株式会社アニメアニメジャパン)

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東京国際アニメフェア ]
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<ファンの拡大と市場の縮小>

 次に「アニメの大衆化の現状」について言及された。北米のDVD市場では、大手の販売会社が撤退するなどの落ち込みが目立つ一方で、ファンイベントの参加者数は増加の一途を辿っている。
 この理由についてOTAKONのヴォルズさんは、自分自身がアニメファンであるというコミュニティを実感したいのでないだろうかと分析する。意見や情報はオンライン上で交換できるが、マンガを購入したりコスプレをするのはコンベンションのような場所で初めて可能になるからだ。
 このあたり日本のコミケに参加する人たちの心理と似ているが、広い国土や専門店の少なさから考えると、より渇望感は強いのかもしれない。

 また、DVD市場縮小に対してマンガの市場は活発である。彼らの感覚で言えば「マンガは安く、DVDは高い」のだそうだ。確かに絶対的な価格で言えばその通りなのだが、日本との比較では単行本が日本の約2倍、対してDVDは1/3であるため奇妙に映る。
 この理由は、マンガ市場の急速な発展にある。数年前のマンガ単行本の価格はおよそ$15で、販売量の増加にしたがって$8程度に下がってきたため、割安感が強いという。

 DVD販売の鈍化については、既で多く報道されている通りファンサブ(字幕付けをした違法配信)による影響が大きいと指摘する。こうしたダウンロードを行うファンの多くは法律や製作事情に無頓着で、単に無料で観られるからダウンロードをするのだという。
 また、カラハシさんは、北米のアニメファンは男女比がおよそ半々であるのに、発売されるDVDが男性に向けた作品に偏っている点を指摘した。それに対して、マンガは幅広いジャンルのものに対応していることが好調の理由であるという。

 マクドナルドさんによると、ヒットするDVD作品は1巻あたり8万枚以上売れているが、そうでない作品は5000枚を下回るものも少なくないという。一方で違法ダウンロードの数は1話あたり平均して20万ダウンロードにも上る。
 海外アニメビジネスで、違法配信は必ずつきまとう問題だが、これほどあからさまな数字を示されると驚かされる。

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<違法配信をする理由となくす方法>

 しかし、マンガのページをスキャンして画像アップロードを行う「スキャンレーション」(スキャン+トランスレーション=翻訳の造語)については、マンガ市場においてそれほど深刻な打撃を与えていないという。
 その理由は、マンガを手にとってページめくるという行為や読む姿勢などが多分に体感的であるためでないかという。これが違法でも合法でもモニターで見ればほとんど変わらないアニメとの違いだそうだ。

 またスキャンレーションされるマンガは大多数が人気作品で、正規ライセンスされる前にいち早く読みたがる読者がいるためである。一方で、一部のBL作品などの熱狂的なファンはいるが、ライセンスされる見込みのない作品もスキャンレーションされるという。
 また、スキャンレーションのコミュニティでは、正規ライセンス版が発売された際にはスキャンを削除するルールがあるという。彼らの倫理は「ライセンス企業がカバーしきれていない作品をファンに届ける」ということだ。

 違法配信を無くす方法について、マクドナルドさんは2つの方法を提案する。1つはアップロードした人を訴えることである。ただし、このやり方ではすぐ次に別のコピーがアップされ、イタチごっこになる。
 もう1つの方法はファンのニーズを満たし、ファンサブが広がる前に正規ライセンス作品を発売することである。
 先鋭的なファンであればあるほど日本と時差のない、最新の作品を見ようとする傾向にある。日本で人気という情報が入り、雑誌や公式サイトで話題になっている時に、ライセンスされるのが2年後だとファンは待てないのだという。そのため、違法行為であっても彼らはダウンロードをするとする。

 しかし、全体的に言えばアニメ・マンガファンの拡大は続いていると多くのパネリストは見ていた。違法配信行為は、その拡大に従って増加しているともいえる。ただし、直近の数字では、ファンの伸びは鈍化しているとも見られている。
 ファンの拡大によって支えられてきた市場が、現在様々な要因で支えきれなくなっている。日本の制作会社や製作会社も海外市場から撤退するケースがある一方で、海外売り上げを無視してアニメの製作を行うことも難しい状況である。
 違法行為を認める理由はないが、今後ファンのニーズを見据えたマーケティングとメディア側の法的な啓蒙行為の両方に注意を払った企業活動が必要と考えられる。
[日詰明嘉]

「北米アニメファンから考えるアニメ産業」レポート 1に戻る

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2008年04月12日
東京国際アニメフェア ]
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 GONZOの新作をいち早く公開するイベント「GONZO FESTA 2008 SPRING」が、今年は、2008年3月30日の東京国際アニメフェアのステージにて開催された。
 2008年春からGONZOは3本の新作をオンエアする。今回、そうした作品のボイスキャスト陣が合計で12人も登場するアニメフェアでも屈指の大賑わいのステージとなった。

【『ドルアーガの塔~the Aegis of URUK~』】
 登場したのは『ドルアーガの塔~the Aegis of URUK~』からKENNさん、折笠富美子さんの二人。『S・A ~スペシャル・エー~』からは、後藤邑子さん、福山潤さん、生天目仁美さん、下野紘さん、高垣彩陽さん、代永翼さん、堀江一眞さん。『ブラスレイター』からは、松風雅也さん、伊藤静さん、三宅健太さんである。

 まずは、オンラインゲームとの連動も行う大型企画『ドルアーガの塔~the Aegis of URUK~』のプロモーションビデオが流れた。劇場作品のような雄大でシリアスな画面に、﨑元仁さんによるオーケストレーションが大迫力で迫った。
 同作は1980年のアーケードゲームを原案として、ゲームから80年後の世界を描く。プロモーションビデオに続いて、ジル役のKENNさん、カーヤ役の折笠富美子さんの二人が登場した。

 KENNさんには、ゲーム版の主人公ギルガメンスは憧れの存在だったそうだ。そして今回は「新たな伝説を作る」と意気込みを語る。
 またKENNさんはエンディングテーマの『塔頂者たち』も歌う。折笠さん演じるカーヤは、回復魔法を使う巫女である。折笠さんによれば「電波系・癒し系・天然系」と三拍子揃ったキャラクターだそうである。
 番組はTVKほか全国12局でオンエアされ、映像配信サイトのGyaOでも見ることができる。テレビ版第1話とPC版を同時に見ると、何か変わったことが起きるそうだ。テレビ、ネット両方が楽しめるチャンスがあれば、試してみるとより作品を楽しめるだろう。

       GONZOFESTA2008.JPG

【『S・A ~スペシャル・エー~』】
 続いてステージに登場したのは『S・A ~スペシャル・エー~』の7人。「花とゆめ」に連載中の南マキさんによる学園マンガを原作とする。
 学園の中で最も優秀なS・A(スペシャル・エー)クラスの7人がおりなす王道学園コメディである。

 ステージの最初には後藤邑子さんを中心としたS・Aクラス女性陣の生天目仁美さん、高垣彩陽さんが歌う『Special days』にのせてオープニング映像が流れた。この段階でキャストの皆さんが一斉に盛り上がるほど、呼吸がぴったりだ。
 作品の内容もハイテンションでどんどんギャグが飛び交う内容であるという。見所について後藤さんは、ヒロインの華園光と滝島彗の恋物語はもちろん、彼らを取り巻くS・Aクラスの人間関係も楽しんでほしいとアピールする。
 エンディングテーマ『陽だまりのゲート』はS・Aクラスの男性陣の福山潤さん、下野紘さん、代永翼さん、堀江一眞さんらが歌う。

【『ブラスレイター』】
 最後に登場したのは『ブラスレイター』の3人。それまでとはうってかわってダークでスピード感のあるプロモーション映像が流れ、開場は驚きの声に包まれた。
 この作品は、近未来のドイツで悪魔に変身する事件が発生する中、その力を自在に操る人間が現れ、お互いが戦い合うというシリアスなストーリーである。

 トークではヘルマン役の三宅健太さんが名調子で進行した。ヘルマンは悪魔退治をする組織に属する男である。対して松風雅也さん演じる主人公ジョセフは人間の敵とも味方とも分からない謎の人物である。また人間の間同士でも複雑な関係が作られている。
 ニトロプラスで数々のハードな作品を手がけた虚淵玄さんによるシリーズ構成、『仮面ライダー電王』などで人気の小林靖子さんによる脚本で、どのように描かれていくのか期待がもてる。
 さらに、板野一郎監督によるハイスピードな映像美も見所である。ミサイルを高速で追尾する板野サーカスと呼ばれる演出も健在である。本作では人物が空中戦を繰り広げる場面も見られる。この辺りがどのように描かれているか見逃せない。

 ステージの時間は30分あまりで、どの作品も一部分しか紹介することはできなかったが、今期のGONZO作品たちの魅力の一端が伝わるステージだった。
 毎クール多数の作品を送り出すGONZOだが、この春の作品は他業種とのコラボレーション作品が目立つ。それがどのように化学反応するのか、プロモーションビデオからすでに楽しさを予感させる。

GONZO  http://www.gonzo.co.jp/

ドルアーガの塔~the Aegis of URUK~公式サイト
http://www.druaga-anime.com/
S・A ~スペシャル・エー~公式サイト  http://special-a.jp/
ブラスレイター公式サイト http://www.blassreiter.com/

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2008年04月07日
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 3月27日、東京国際アニメフェアの会場で、中国のアニメーション産業にフォーカスするシンポジウム「中国のアニメ産業最新事情と日中間連携の可能性」が開催された。シンポジウムは、日本貿易振興機構(ジェトロ)が主催するものである。
 今回のアニメフェアでジェトロは、「ヨーロッパのアニメ産業」と「中国のアニメ産業」のそれぞれでシンポジウムを設けた。ヨーロッパの関するものは現地調査の報告というかたちであったのに対し、中国のほうは現地のビジネス関係者が生の声を伝える対照的なものとなった。

 今回のシンポジウムは、日本の動画協会にあたる中国動画学会の貢建英副会長、周鳳英北京輝煌動画公司総経理、張麗華上海天絡行有限公司総経理の3人が、それぞれ中国アニメ産業の当時者として現状を語った。
 シンポジウムで感じたのは、過去数年で中国のアニメーション産業の様子がかなり変わったことである。正直に言えば、ほんの3、4年前でも、中国のアニメ産業はあまりにも未成熟で、アニメ作品自体は勿論、キャラクタービジネスや二次利用なども含めて産業としての収益モデルが存在しないように見えた。
 そして、中国のアニメに関する発表と言えば、いかに国がアニメ産業に力を入れているか、生産規模の伸びの誇示、共同事業の有利さのアピールという印象が強かった。

 しかし今回は、中国のアニメ産業が急速に産業としての基盤をかためつつあることを感じさせた。上海天絡行有限公司の張麗華氏の講演は、これまで中国企業が弱いとされていたアニメのライセンスビジネスの現状であった。そこでは海外のキャラクターが中国市場で成功しにくい背景などが語られた。
 また、北京輝煌動画公司の周鳳英氏の講演も、アニメから派生した絵本やライセンス展開を紹介した。最早、アニメ作品からライセンスビジネスを展開することは中国でも、当然と受け止められているようである。
 そうしたビジネス展開の可能性を背景に、海外との共同製作を視野に入れているようだ。それは数々の共同製作の成功例を紹介した、中国動画学会の貢建英氏にも通じるものである。

 中国のアニメ市場は、日本ではゴールデンタイムの海外アニメの放映禁止などに見られる閉鎖的な市場とのイメージが強い。
 しかし、これまでもそうであったように、中国行政の方針とは別に、企業レベルでは日本と事業をしたいとの要望が強い。そして、産業保護政策がなくなることを期待する声もある。
 中国政府の方針が短期間に急激に変わるのは難しいが、もしそうした規制がなくなれば、日中のアニメビジネスでの提携は急激に拡大するかもしれない。

日本貿易振興機構  http://www.jetro.go.jp/

当サイトの関連記事
TAF2008「欧州の日本アニメ最新事情」レポート

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東京国際アニメフェア ]
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 3月29日、東京国際アニメフェア2008のマッドハウスブースで、「ヘルズエンジェルス 公開収録トークショー」が開催された。
 登壇したのは、原作者のヒロモト森一さん、モンスターデザインの韮沢靖さん、主役の天鐘りんね役の福圓美里さんの3人である。
 原作者のヒロモトさんは、スターウォーズの公認作家でもあり『スターウォーズ ジェダイの復讐』のコミックも担当している。また韮澤さんはフィギュアアーティストとして、『仮面ライダー電王』の“イマジン”のデザインなどで知られる。福圓さんは『デビルメイクライ』のヒロイン・パティ・ローエルなどを演じる人気声優である。。

 原作となった『ヘルズエンジェルス』は、ヒロモトさんと韮澤さんがモンスターデザインなどをコラボレートして作り上げたマンガで、ウルトラジャンプにて連載されていた作品である。
 ストーリーは、主人公の女子高生・天鐘りんねが、転校初日に、トラックに轢かれそうになっている猫を助けようとし、自分が轢かれ地獄に落ちるところからスタートする。

 ブースで公開されたプロモーション映像を見ると、原作の個性的な絵柄を残し、アニメならではのダイナミックな画面が広がっている。
 古き良きロックンロール調のBGMとキャラクターがマッチしており、軽快なカット割が心地よい映像だった。

        hellsangels.JPG

 本作はもともと、韮沢さんが10年ほど前に制作したフィギュアにヒロモトさんが興味を持ち、マンガ化しようと思い立ったのがきっかけとなった。
 マンガ化の際はヒロモトさんが、アニメ化の際には韮沢さんが再びデザインをし直した。二人が大事に育て上げたキャラクターだ。

 そんなキャラクターに命を吹き込む声の収録は、制作の事情で1年前に前半部分を収録し、最近になって後半部分を録ることになった。
 福圓さんは、自ら「もう一度前半部分を録り直したい」と思ったが出来なかった。そのため違和感なく観客に見てもらうために1年前の芝居に合わせなくてはならないというジレンマに陥っていた。これは彼女の役者としての成長が著しかったことの表れであろう。
 自分が演じる天鐘りんねについてはずっとやってみたかった役だという。「どんな状況でも前に進む、見ていて気持ちのイイ女の子です」と語る。演技に関しては小細工をせず、生の芝居を見せるように声を出し、全力で出して挑んだためスタミナ勝負だったそうだ。

 これについて原作のヒロモトさんも、「自分のマンガを読んでいて声が浮かんでくる」と福圓さんの演技に太鼓判を押す。
 ヒロモトさんは「マンガ版を見てからでも大丈夫です。アニメでも結末は変わりませんがそこにいくまでに描ききれなかった部分が描かれていますので、こちらが完全版かも?」と、満足のいくアニメ作品に仕上がっている様子を話す。
 韮沢さんは「アニメ版でも線のタッチにマンガのパワフルさが残っていて、キャラクターがどう動くのか楽しみ」と語る。

 スタッフ陣は、監督に山川吉樹さん、総作画監督に中澤一登さんアニメ制作はマッドハウスという強力な布陣で送る。現在7割ほど完成している状況で、劇場公開は現時点では調整中であるという。

マッドハウス http://www.madhouse.co.jp/

『ヘルズエンジェルス』

【スタッフ】
原作: ヒロモト森一
監督: 山川吉樹
モンスターデザイン: 韮沢靖
キャラクターデザイン・総作画監督: 中澤一登
音響監督: たなかかずや
アニメーション制作: マッドハウス

【キャスト】
天鐘りんね: 福圓美里
九頭竜: 岸尾だいすけ
マリオ: 木内秀信
りんねママ: 朴王路美
ヘルヴィス: 立木文彦
寮母: 野沢雅子

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東京国際アニメフェア ]
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 3月30日、東京ビッグサイトで開催された東京国際アニメフェアの特設ステージで、この春の新作TVアニメ『xxxHOLiC◆継』のスペシャルステージが開催された。番組は、一昨年テレビ放映され人気を博した『xxxHOLiC』の続編である。
 ファンの間で絶大な人気を博しているCLAMPの原作、大原さやかさん、福山潤さん、中井和哉さん、伊藤静さんといった人気声優陣総出演、さらに水島努監督も登場するとあって、ステージはまさに超満員と作品の人気の高さをみせつけた。
 ステージは4日間にわたり開催された東京国際アニメフェアの最後ともなっており、まさにフィナーレを飾るに相応しいものとなった。

 ゲスト参加の声優陣は、前作、劇場版と既に長い競演となるだけに、最初から新作アニメとは思えないノリのいい雰囲気が感じられた。
 それでも、大原さん、福山さん、伊藤さんは、中井和哉さんだけはどこか壁があると主張。この壁を越えるため、みんなで中井さんを「かずやさん」、「かずや」と呼ぶようにしているという。司会者も中井さんを指名する時は「かずやさん」と呼ぶなどステージは盛り上がった。収録での明るい様子を感じさせる見事なパフォーマンスであった。

       holic2.JPG

 前シリーズの物語は、1話ごとに完結する構成となっていた。しかし今回は1話ずつで完結しながら、そこから続いて行く少し違った感じとなる。そのため前作に較べて今回は、レギュラー陣同士の会話が増えているそうだ。
 侑子役の大原さんは「侑子さんは変わってはいけないキャラクター」としつつも、「今回はクールでありながら、どこかに温かみがある感じ」と前作との微妙な違いを明かした。
 福山さんは「今回は会話が増え、すっと誰かと話している。いつも楽しく現場は盛り上がっています」という。また、伊藤さんは「いつも笑顔のひまわりの秘密が明かされます」と番組の見どころを明かした。

 ステージでは放映前のオープニング映像とエンデイング映像も紹介された。いち早い、番組の世界に観客は見入っていた。
 さらに、ステージでは今回初公開となる番組の中から映像カットも紹介と、ファンにとっては充実の内容だった。

「xxxHOLiC◆継」 公式サイト http://www.tbs.co.jp/holic/

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東京国際アニメフェア ]
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 3月30日に東京国際アニメフェア2008にて「『隠の王』放送直前記念ステージ」が開催された。原作は、鎌谷悠希さんによる月刊Gファンタジーで好評連載中の作品である。
 忍の世界・「隠の世」が生んだ秘術“森羅万象”が身体に刻まれた少年・六条壬晴をめぐり、現代に生きる少年・少女たちの運命を描くストーリーとなっている。

 今回のステージには六条壬晴役の釘宮理恵さん、相澤虹一役の日野聡さん、清水雷鳴役の藤村歩さんが登場し、後半からは宵風役の斎賀みつきさんがサプライズゲストとして登場した。
 主役を務める釘宮さんは、久々の少年役ということで新鮮な気持ちで役に挑戦する。それに対して『灼眼のシャナ』シリーズなどで共演することが多い日野さんは、「はじめて男の子役を見た」と笑いを誘った。 

 そんな日野さんの演じるキャラ虹一は、優しい面と冷酷な面の2面性を持つためギャップに試行錯誤しているという。
 また雷鳴役の藤村さんは、キャラクターがハイテンションでセリフも長く、現場では全力で演じるあまりフラフラになることがしばしばであるという。斎賀さんによると、自分のキャラは「常に体力を消耗している状態」だが、5話・6話で活躍するそうなので、彼女のファンは特に見どころになる。

       nabari.jpg

 豪華キャストを揃えた『隠の王』だけに、アフレコ現場の雰囲気のよい様子がステージからも伝わってきた。
 雲平・帷・デュランダル役の浪川大輔さんは英語講師の役柄でアドリブを混ぜて皆を笑わせるエピソードや、ベテランの中田譲治さん、置鮎龍太郎さんらによる掛け合いで現場が引き締まる様子などが、ステージで語られた。

 イベントではいち早くオープニング映像が流れ、魅力的なキャラクターの激しいアクションが会場の画面に映し出された。
 釘宮さんはいち早く一話の映像をもらい、家で何度も繰り返して視聴し、ステージでも「ホントに絵が綺麗で格好良いんです!」と強調するほどだ。久々の少年役を最後まで熱く演じると決意を表していた。

『隠の王』オフィシャルサイト http://www.nabari.tv/

【スタッフ】
監督: 杉島邦久
総作画監督: 中山由美
シリーズ構成: 横手美智子
アニメーション制作: J.C.STAFF
キャラクターデザイン: 岩倉和憲
音楽: 大島ミチル

【キャスト】
六条壬晴: 釘宮理恵
宵風: 斎賀みつき
雲平・帷・デュランダル: 浪川大輔
清水雷鳴: 藤村 歩
相澤虹一: 日野 聡
雪見和彦: 津田健次郎
清水雷光: 諏訪部順一
目黒俄雨: 岡本信彦
服部柊十郎: 中田譲治
風魔小太郎: 置鮎龍太郎

【主題歌】
オープニングテーマ: VELTPUNCH『CRAWL』
エンディングテーマ: ELISA『HIKARI』

(C)鎌谷悠希/スクウェアエニックス・隠の王プロジェクト

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東京国際アニメフェア ]
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 東京国際アニメフェア2008にて、4月12日深夜よりフジテレビほかにて放送される『二十面相の娘』のスペシャルステージが開催された。
 ステージに登場したのは主役のチコを演じる平野綾さんである。今、最も人気の高い声優の1人である彼女が出演するということで、500枚の整理券は配布開始1時間を待たずに配り終えた。会場の周りには入りきれないファンも大勢詰めかけるステージとなった。

 まずは本邦初公開となるプロモーションビデオが上映され、初めて見るという平野さんも迫力ある画面に驚いた様子であった。
 『二十面相の娘』の原案となった江戸川乱歩の小説『怪人二十面相』は、小学生時代、推理小説が好きだった平野さんの愛読書であったという。
 これまで、元気な役柄が多かった平野さんだが、今回のチコ役は線の細いキャラクターで落ち着いた演技を心がけ、言葉遣いも昭和30年代の台詞を意識して芝居に臨んでいるという。

       20mensou.jpg

 ステージの途中では二十面相にちなんだパフォーマンスが繰り広げられた。マジシャンのハマック柳田さんが登場し、平野さんはマジックで消された格好となり一時退場。その後、お色直しをして現れた平野さんはエンディングテーマ曲の『Unnamed world』を熱唱し、会場を盛り上げた。
 最後に平野さんは「エンディングクレジットが流れるまで、誰が演じているか分からないような新しいお芝居を見せて行きたい。引き込まれてしまう映像なので、観ている方が冒険心を感じていただければ嬉しいです」と意気込みを語った。

『二十面相の娘』公式サイト http://www.chico-tv.com

原作: 小原愼司「二十面相の娘」
アニメーション制作: ボンズ、テレコム・アニメーションフィルム
監督: 富沢信雄
シリーズ構成: 土屋理敬
脚本: 土屋理敬、吉田玲子、高橋ナツコ、高橋郁子、福島直浩
キャラクターデザイン: 堀川耕一
総作画監督: 野口寛明
美術監督: 小倉宏昌
メカデザイン: 友永和秀
音響監督: 菊田浩巳
色彩設計: 山本智子
撮影監督: 宮川淳子
編集: 笠原義宏
音 楽: 三宅一徳
オープニングテーマ: 369 「霞」
エンディングテーマ: 平野綾 「Unnamed world」

【キャスト】
チコ: 平野綾
二十面相: 内田夕夜
ケン: 松風雅也
春華: 佐藤利奈
トメ: 新井里美
明智: 浜田賢二
空根探偵: 竹田雅則

(C)小原愼司・メディアファクトリー/「二十面相の娘」製作委員会

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2008年04月05日
東京国際アニメフェア ]
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 2008年春、期待の新作『ソウルイーター』が放送開始される。3月29日、東京国際アニメフェアの会場で、放送開始直前イベントが開催された。
 ステージには、マカ=アルバーン役の小見川千明さん、ソウル=イーター役の内山昂輝さん、ブラックスター役の小林由美子さん、中務椿役の名塚佳織さん、デス・ザ・キッド役の宮野真守さん、リズ・トンプソン役の渡辺明乃さん、パティ・トンプソン役の高平成美さん、死神様役の小山力也さん、そして五十嵐卓哉監督という豪華なメンバーが登場した。

 原作は月刊少年ガンガンに連載している大久保篤さんのファンタジー作品。19世紀ごろのヨーロッパをモチーフとした舞台で、魂を集める死神武器職人学校生徒の「職人」と「武器」役の少年少女たち3組を中心とした成長物語である。
 「武器」役は人間でありながら自ら得意な武器に姿を変えることができ、悪人の魂を食い、最終的に最強の「デスサイズ」を目指す。

 アニメ制作はボンズ、監督は五十嵐卓哉さんという『桜蘭高校ホスト部』を作り上げた人気タッグで送る今春の注目作である。
 前作でも主要なキャストを務めた宮野さんは、アニメの動きに負けないようにどんどんアドリブを入れているそうだ。また、キャストからは口々に作品の絵の美しさや動きに驚く声があがり、映像のクオリティの高さも期待できそうだ。

       souleater.JPG

 ステージでは、主題歌『resonance』を歌う西川貴教さんからの応援のビデオレターも届いた。「共鳴」という意味通り、宿命のような関係"〝絆"をテーマに楽曲を制作したという。T.M.Revolutionとしては3年ぶりの新曲になるから力も入る。
 既に第1話を観た西川さんは「主役の2人はまだまだ初々しい演技なので成長していって欲しい」と激励を送っていた。
 
 本作はテレビ東京系で夕方にて1年間放送される予定だが、深夜でも『ソウルイーターレイトショー』として同じものが放送される。
 本編の内容は変わらないが、予告やオマケ映像が追加されるという試みも行われる。原作の読者層も幅広い作品なので、それぞれの放送時間でファンを獲得できそうだ。

 最後に五十嵐監督は作品との相性やスタッフワークがとても上手くいっていることを話し、「僕が一番楽しんで作っていると思えるくらい幸せな作品。役者の皆さんも自信を持って選びました。アフレコはすでに8話まで終了しましたが、自信が確信に変わり、このスタッフと1年間やっていきたいと思います」と、大ヒットへの手ごたえを表した。

ソウルイーター 公式サイト http://www.souleater.tv/

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2008年04月03日
東京国際アニメフェア ]
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 2007年4月より放送が開始され、10代20代を中心に熱狂的なファンを生んだガイナックスのテレビアニメ『天元突破グレンラガン』のスペシャルステージが、東京国際アニメフェアの特設ステージで開催された。
 同作は「2007年度文化庁メディア芸術祭 アニメーション部門優秀賞」や、「第7回東京アニメアワード テレビ部門優秀賞・キャラクターデザイン賞」も受賞している。
 ステージに登場したのはシモン役の柿原徹也さん、ヨーコ役の井上麻里奈さん、ニア・テッペリン役の福井裕佳梨さん、ロシウ・アダイ役の斎賀みつきさん、キタン・バチカ役の谷山紀章さん、そしてカミナ役の小西克幸さんというメンバー。

 ちょうど1年前のアニメフェアでも放送直前で盛り上がっていたが、今回のステージはそれをはるかに上回る観客の熱狂ぶりであった。
 半年間の放送が終了した後、深夜の再放送でもファンは拡大し続けている。この日もそれを受けてこのステージに1000人規模を収容する特設ステージは満席になり、周囲に立ち見ができるほどである。

 今回のステージの特報は発表されたばかりの『劇場版 天元突破グレンラガン 紅蓮篇』である。公開日は2008年9月6日で、池袋シネマサンシャインほかにて全国ロードショウされる。 
 内容はテレビシリーズを再構築するもので、新作カットも多数加わる。また、再アフレコの情報が発せられると会場の盛り上がりは一層大きくなった。注目すべきは「第一弾」という点で、今後も映画が製作されることを窺わせる。

 特報の発表後、スペシャルゲストに中川翔子さんが登場し、同作の主題歌『空色デイズ』、挿入歌の『happy ever after』、そしてこれらに続く3部作として1stアルバムに収録された『calling location』を熱唱する間、アニメフェアのステージはさながらライブハウス状態と化した。
 中川さんは5月5日を皮切りに全国7講演のコンサートツアーを行う。また、7月にはロサンゼルスで行われるアニメコンベンションのアニメエキスポにも参加することが告げられ「海外の空もグレンラガンで衝いてきます!」と力強く語った。
 小西さんより劇場版の主題歌も中川さんが歌うことが告げられ、「様々なキャラクターたちに教えてもらったことの恩返しをしたいと思います」と嬉しそうに語った。

 最後にキャストと会場のファンで決め台詞「お前のドリルで天を衝け!」を絶叫し、終始ハイテンションなステージは終わり、劇場版への期待を高まらせた。
 
         guren.JPG

劇場版 天元突破グレンラガン公式サイト
 http://www.gurren-lagann-movie.net/

中川翔子 公式サイト http://www.nakagawashoko.com/

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2008年04月01日
東京国際アニメフェア ]
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 東京国際アニメフェア2008で、アニメーション制作ソフトのなかでの独自のプラグイン開発の現状と意義を紹介するシンポジウム「制作現場からの提言2008 「smoothing プラグ開発の現状」が行われた。
 このシンポジウムは、「プロフェッショナルのための デジタルアニメマニュアル」の監修などを行うデジタルアニメ制作技術研究会が主催する。同会は、毎年デジタルアニメ分野の制作技術における個別のテーマを取り上げて、現状と今後の進むべき方向を討論している。
 
smming.jpg そして、今回は、映像処理の段階で線を滑らかにするスムージングについて取り上げた。東京工科大学の三上浩司さんの司会でプロダクション I.Gの安芸淳一郎さん、アニメーション監督高木真司さん、高橋プロダクションの刀根有史さん、東京工科大学の研究員の渡辺賢悟さんらが登壇した。
 いずれもデジタルアニメーションの専門家で、基本ソフトに後付で付加されるプラグインの問題の重要性や開発の可能性が紹介された。

 討論の内容はやや専門的な部分もあった。しかし、全体ではプラグインの独自開発の重要性や、実際に開発する過程と結果については、制作の専門家でなくても十分理解が出来るものとなった。
 また、アニメ制作の最終段階の撮影で使用するソフトAfter Effectと併用されるスムージングのためのプラグインソフトの開発事例が今回特にフォーカスされている。

 スムージングのプラグインを特に取り上げるのは、昨年、これまで無料でユーザーに提供されていたスムージングのプラグインソフトKP-SmoothをAEプラグインが有料化する方針を打ち出したことが理由である。
 このソフトが既に業界スタンダードになっていることもあり、この結果アニメ制作現場では多いスタジオで年間数百万円の新たなコストが発生することになった。

smming2.jpg 高木真司氏は、今回のsmoothingの有料化から、制作における重要なプラグインをひとつのソフトに依存する危険性を指摘する。今回は、突然の有料化であるが、このほかにもサポートの停止や、ソフト自体がなくなる可能性もあるからである。
 また、今回の出来事の背景には、アニメ制作会社自身が、独自のソフトを開発出来ないと思われたこともあるのでないかと指摘する。
 そのうえで、今後のあるべき姿として、代替手段を持つこと、特定のソフトに依存しない制作が必要なのでないかと述べた。さらに、ソフトの開発については、とにかくやってみることが大切なのでないかと話す。

 そして、実際に渡辺賢悟氏が、昨年11月中旬からこの開発を進めた。12月中旬にはα版、1月中旬にはβ版、2月中旬には正式版をリリースしている。また、完成したプラグインソフトは既に無料で配布も行われている。
 開発に伴う様々な苦労はあるが、専門家外には短期間で独自に開発出来ることに驚きを感じる。逆に言えば、こうした開発に欠けているのは、知識でなく、開発のための人材や時間なのかもしれない。
 今回のような動きが今後もさらに広がっていく可能があるかどうか判らない。しかし、独自のソフト開発部門が少ないアニメーション業界では、大きな意味のある動きでないだろうか。

デジタルアニメ制作技術研究会 http://www.teu.ac.jp/clab/DAM/index.html

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東京国際アニメフェア ]
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 3月28日、東京国際アニメフェア ビジネスデーのシンポジウムとして、「日本アニメは「ステップ・アップ」を遂げられるか?欧州の日本アニメ事情」が開催された。講演者は日本貿易振興機構の輸出促進・農水産部 主査の豊永真美氏である。
 豊永氏は長年フランス・パリで、ヨーロッパにおける日本のコンテンツ産業の調査を行ってきた。毎年、東京国際アニメフェアでは、ヨ-ロッパのアニメ・マンガ事情の現状を報告しており、その情報量と分析には定評がある。それだけに今回のシンポジウムにも多くの人が集まった。

【欧州地上波の日本アニメ放送は日本よりも多い】
 アニメのヨーロッパ市場というと、日本では大きな注目を浴びる北米や中国を含むアジア市場の影に霞がちである。しかし、その人口、消費者の可処分所得の大きさから、実際にはこれらと並ぶ巨大市場である。
 さらに今回の豊永氏の説明によると、ヨーロッパ各国の地上波で放映されているアニメの時間の多くが、日本の東京キー局の放映時間すら上回るほどでメジャーな存在である。

 しかし、こうした状況のなかでも、現地の日本アニメに対する知識の少なさから問題も発生しているという。
 ひとつは日本アニメも含めてアニメーションは子供向けとの認識が強く、番組ごとの放映時間のゾーニングを間違い、問題を起こすケースがあることだ。これにはフランスの地上波夕方18時に『MONSTER』が放映された例や、スペインの地上波で18禁アニメが放映された例があげられた。
 日本は作品を販売する際にただ販売するだけでなく、作品がどういった種類のもので、どういった時間に放映するべきかの情報を提供すべきではないかと豊永氏は指摘する。一方で、大人向けのアニメは深夜アニメやDVDで市場性があり、今後もビジネスの可能性が高いという。

 またもうひとつの問題点は、こうしたヨーロッパでの日本アニメコンテンツの大量の導入の背景には、未だ日本アニメが安い、それゆえ価値が低いと考える風潮が残っていることもあるという。

【深刻なヨーロッパの海賊版問題】
 ヨーロッパ市場の大きな問題として、海賊版の問題を提起する。豊永氏によれば、ヨーロッパは日本で思われている以上に海賊版の量が多い。また、日本に較べて映像クオリティに対する意識は低く、インターネット上の違法コンテンツの利用も多いという。
 さらに、単なる海賊行為だけでなく、創作物のオリジナリティの盗用が頻繁に起きている実情も紹介した。不二家のキヤラクター「ペコちゃん」が金髪バージョンで、スペインの菓子メーカーに盗用された例ななどで、日本のキャラクター、コンテンツをあたかも自分のオリジナルの創作物であるかのように装う例があるという。ヨーロッパでビジネスを展開する際には、商標と著作権の重要性を認識するべきだという。

【欧州のアニメ・マンガ関連企業は大企業が多い】
 また、日本ではあまり知られることのないフランスのアニメ・マンガ企業の現状も興味深い内容となっている。豊永氏の考え方では、フランスの企業はたまたま日本コンテンツを発見してビジネスを始めた第一世代、日本のコンテンツを観て育ったオタク世代が起業した第ニ世代がある。これにさらに第一世代や第ニ世代の企業を買収した大企業からなる第三世代の企業があるという。
 そして、日本企業が気をつけるべきは、この結果、日本のアニメ・マンガを扱う企業の多くが巨大なメディアグループとなっていることだという。

 講演はこのほか、ヨーロッパの大国でありながら、これまであまり触れられることのなかったスペインの最新情報や、『NARUTO』におけるキャラクターブランドのヨーロッパ展開の実例など盛り沢山であった。
 講演後の質疑応答も含めて、短時間に多くの情報が詰め込まれた情報価値の高いものであった。来年以降もこうしたシンポジウムが、東京国際アニメフェアで行われることを期待したい。

日本貿易振興機構 http://www.jetro.go.jp/

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東京国際アニメフェア ]
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macrossweve.JPG 3月30日、東京ビッグサイトで開催された東京国際アニメフェアのサテライトブースで、アニメ監督の河森正治さんとイラストレーターの天神英貴さんがトークイベントを行った。
 トークイベントは、7月下旬からウィーヴが発刊する「マクロス・クロニクル」の創刊を記念するものである。「マクロス・クロニクル」は、今年で26周年を迎えるマクロスシリーズ全作品を網羅した分冊百科事典、マクロスシリーズ全てを網羅的に取り上げた初の書籍となる。

 河森監督は1984年の劇場アニメ『超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか』の監督、そしてこの4月から放映が始まる『マクロスF』の原作・総監督を務める。
 そして、天神さんは初期の『マクロス』作品から現在まで、様々なマクロスのメカを描き続けたイラストレーターである。今回の「マクロス・クロニクル」にも大量の新作イラストを書き下ろす予定で、今回のトークイベントの実現となった。

macrossweve2.JPG こうしたことからふたりのトークも、新しい書籍への期待と今までのマクロスシリーズのメカイラスト全般に及んだ。
 トークでは河森監督が今回アニメフェアのサイテライトブースに自ら描いたVF-1のイラストから始まった。監督がVF-1は描くのが難しいと話すと、天神さんはバルキリーの仕組みはいまだに謎だらけでイラストを描くのが大変と切り返す。
 河森監督はそうした設定は潜在意識のなかにあるけれど、必要な時にその場で決めることが多いのだという。一方で、試作品まで作ったのに変形方法がどうしても思い出せないバルキリーがあるといったエピソードも紹介した。

 天神さんは、もともとマクロスのメカを見た「デ カルチャー」(衝撃)がきっかけで今の仕事をしており、30年間同じ絵を描き続けているというぐらいマクロスシリーズと関わりが深い。
 それでも、これまではバルキリーなどの絵が多く、今回の「マクロス・クロニクル」では、デストロイドやモンスターを描けるのが楽しみだと話す。

macrossweve3.JPG 河森監督は、「マクロス・クロニクル」については、未だから明かせる隠れたエピソードを大量に掘り出し、30年間分(企画・構想時代を含む)の引き出しからどれだけ出せるかが勝負だと語る。そして、『マクロス』は長い歴史のなか様々なメディアで展開してきたのだから、今回も新しい発見がなければ面白くないという。
 これまでにない情報を盛り込んだもの、例えばリン・ミンメイのコンサートのセット・リストやコンサート会場のグッズ紹介はどうだろうかと提案した。

 ウィーヴによれば「マクロス・クロニクル」は、隔週刊というのは決まっているが、巻数自体は未定である。
 ファンの支援があればそれだけ長く続き、多くの情報が盛り込まれることになるので是非宜しくお願いしますと担当者からの言葉もあった。さらによりよい商品を目指しており、今後より多くのファンの要望を取り込んでいくという。
 
 80年代のロボットアニメには、時代を超えて愛される作品が多い。そのなかでもマクロスシリーズは、ガンダムシリーズと並んで、一大叙事詩にまで成長した稀有な作品である。
 新作『マクロス』や26年目に登場する大型企画も、そうした息の長い人気を反映したものである。

「マクロス・クロニクル」特設サイト http://books.shopro.co.jp/macross/
マクロスシリーズ公式サイト http://www.macross.co.jp/

ウィーヴ http://www.weve.jp/

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