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2009年09月29日
イベント ]
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 日本の監督により日本で制作された注目のアニメが、2007年1月に米国の有力チャンネルSPIKE テレビで放映された。岡崎能士さん原作、木﨑文智監督による『アフロサムライ』である。
 アフロヘアの侍が、ラップをBGMに国籍不明の舞台の中、派手なアクションを展開するかなり個性的な作品だ。ときにはアバンギャルドにも見えるこの作品は、米国の若者たちから予想も上回る大きな支持を得た。

 そして、2009年1月にファンの強い要望もあり、続編『アフロサムライ レザレクション』が登場した。声優には、前作に引き続き米国の人気俳優サミュエル・ジャクソン、そして今回新たにルーシー・リューにマーク・ハミルと人気の役者が加わった。
 また映像も、前作を遥かに上回るスケールだ。剣と近代兵器が入り混じる世界では、一体何が起こっているのか判らないほど、人も武器も凄いスピードで動き回る。

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        (c)2009 岡崎能士・GONZO

 『アフロサムライ レザレクション』は、前作同様に大きな人気を獲得する。映像パッケージの売上高はシリーズ累計40万本以上、今年1月に発売されたゲームソフトの売上げも40万本を超える。
 遂には、米国のテレビ番組の最高峰エミー賞で、美術監督の池田繁美さんがアニメーション個人部門の審査員賞受賞、さらにアニメーション作品賞にもノミネートされるという快挙を成し遂げた。

 この『アフロサムライ レザレクション』が、米国リリースからおよそ10ヶ月、遂に日本上陸を果たした。12月から渋谷シネマライズほかで劇場公開されることが決まり、9月27日にシネマライズで完成試写会が開催された。
 試写会には、原作者の岡崎能士さん、監督の木﨑文智さん、そして先日、ロサンゼルスでエミー賞を受賞したばかりの池田繁美さんがそのトロフィーを携えて登壇した。

mr[1].ikeda.JPG まずは、LAで行われ授賞式の華やかな様子を映像で紹介。そして、それについて池田さんが、現場の様子や受賞の気持ちを語った。池田さんによれば「受賞が決まった時が一番静かなもので、候補にあがっている時に大騒ぎをしました」。
 そして、授賞式には夫婦で和服姿で登場したことについては、日本らしさを意識したようだ。今回の作品ではアメリカ人に受けるよう、アメリカの向けに作ったという池田さんのこうしたこだわりが、評価につながっているのかもしれない。

 前作に続いて高い評価を得た2作目について、木﨑監督は岡崎さんを「考えもしないようなアイデアが出てくるんです。凄い引き出しを持っていて、常人じゃ考えつかないような面白いアイデアを持ってらっしゃるんです」と大絶賛。
 それに対して岡崎さんは、「いや、監督、凄く厳しいんです。僕的には必死でした」と実は、相当アイディアを振り絞った様子だった。とにかく「単純にアフロ1より面白いもの、いいものを目指しました」と語る監督と岡崎さんの強力タッグがかつてない映像世界の実現の原動力となったようだ。

        afuromain2.JPG

『アフロサムライ:レザレクション』 http://www.afrosamurai2.jp/
12月よりシネマライズ他にてロードショー 

監督: 木﨑文智
原作: 岡崎能士
脚本: むとうやすゆき/LEO CHU & ERIC GARCIA ERIC CALDERON JOSH FIALKOV (英語版) キャラクターデザイン・総作画監督: 飯島弘也
美術監督: 池田繁美
音楽: The RZA
制作協力: SPIKE TV UPPITY FILMS 
アニメーション制作: GONZO 
製作: GONZO 
後援: X LARGE

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2009年09月28日
セミナー・講演会 ]
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押井守監督、西久保瑞穂監督、京都のイベント、HISTORICAにて
『宮本武蔵 ―双剣に馳せる夢―』に対する思いを語る

kyotokaizyo2.JPG 京都で9月26日から開催中のKYOTO Cross Media Experience2009の一イベント、HISTORICA。『Trans-media』と『Trans-culture』をキーワードに今年はじめて開催されたイベントのテーマは「越境するサムライ」ということで、26日、27日に同テーマにちなんだ作品上映とトークイベントが同市内の祇園甲部歌舞練場弥栄会館で行われた。
 その最終イベントに位置付けられたのが、押井守監督と西久保瑞穂監督によるセミナーだ。『宮本武蔵―リアルとフィクションの狭間にみる剣豪キャラクターの魅力』と題し、京都文化博物館森脇清隆氏司会のもと、様々なディスカッションが行われた。その前のセッションでは『宮本武蔵 ―双剣に馳せる夢―』が上映されていたこともあり、会場は250人あまりの聴講者をむかえ大いに盛り上がった。

押井脚本決定稿は、蘊蓄9割。「読物」としては最高の出来

directoroshii02.JPG まず冒頭で、押井氏が『宮本武蔵 ―双剣に馳せる夢―』の製作にあたったきっかけについて説明。もともと海外のドキュメンタリ系の放送チャンネルから、宮本武蔵に関するアニメをつくることに関するオファーを受けたことがきっかけだったという。
 結局、話は立ち切れになったが、アイデアそのものは温め続けた。そのような中で-そのアイデアをある企業が興味を持ってくれたという。ただ宮本武蔵に対する思い入れが深かった押井氏は、自分の作品を単にチャンバラ活劇にするつもりは当初からなかったということもあり、興味を持った企業に対しては人気漫画のような活劇になることは絶対にないと説明。それでも一緒にやりたいということで話が進んでいったという。

 これに対し、西久保監督がある日、メールで脚本が送られてきたが、そこにはすでに決定稿と書かれた事に驚きを覚えたと当時の状況を述懐した。
 西久保氏は、これを「押井氏にあとの仕事を自分にまかしてもらっているのだ」と理解し、作品の制作を粛々と進めたという。結果的に脚本と完成作品では、内容が半分ぐらい変わったという。
「押井氏の脚本は、冒頭のみがアクションでのこりは「うんちく」だった」と西久保氏。押井ファンは同氏が 作品の中で繰り広げる「うんちく」が好きなのだということを認めながらも、それでは、一般の人にとっては、エンターテインメントとして成立しないということから、「うんちく」とアクションをバランスよく織り交ぜる展開にしたという。

 これは、押井作品では、『機動警察パトレイバー2the Movie』以降の傾向であるしとし、このような変更でも押井氏が手掛けた作品として違和感がないだろうという確信とともに進めたとのことだ。ここで、押井氏が「作品を見ていて観客が居眠りしそうな瞬間にビクッと驚かすタイミング」と解説し、開場の笑いを誘った。

多彩な才能に恵まれた宮本武蔵をアニメという技法で解説

Mr.miyawaki.jpg 政治的な部分はカット、ダ・ビンチの部分はあくまでもさわりだけにとどめ、脚本にある巌流島のくだりを中心に作品化に努めたという西久保氏に対し、司会である宮脇氏が関心を示したのが、ダ・ビンチの部分。そこで、押井氏は、宮本武蔵が多才であったという事実や、左利きだったという体質、最後は客人として生きたという人生の顛末、そして双方に男色説の噂が出たという点に言及し、宮本武蔵と、ダ・ビンチの共通項について語った。
 また、講演では、剣豪といいながらも牢人であったという事実にふれ、これは、今でいえば「就活」にあたると押井氏。一見、格好良く見えながらも実際はそのような綺麗ごとでは済まされるものではなかったと、武家社会の厳しい現実を現代の状況をふまえて解説した。
 更に押井氏は「五輪書」が哲学書以上に優れたマニュアルだったと独自の見解を提示。剣を扱えるように分かりやすく指南しており欧米がマニュアル思考で、日本が非マニュアル思考であるといった定説に異を唱えた。また、二刀流は、馬上の戦いを前提とした剣法であるとし、厳しい戦いの中で400キロもの重さと勢いを戦いの場で生かさないはずがなく、宮本武蔵は、そのような実践的な剣術を編み出したのだと押井氏独自の武蔵論を唱えた。

映像表現とは自分の思い入れがある部分を徹底的にこだわること

Directornishikubo.JPG 一方、西久保氏は、浪曲を多用した点について、もともと音楽をやりたくてアニメ業界に入ったという自身の経歴にふれつつ、押井氏が自身の哲学を作品の中で語ることに思い入れがあるように、西久保氏も音楽には特にこだわったとした。同時にその音楽へのこだわりを突き通せるという楽しみがなければ映像づくりに参加する意味がなくなってしまうと自身の音楽に対する並々ない思いを語った。
 また、西久保氏は、宮本武蔵を「時代に今ひと時遅れてきてしまった人物」とし、人それぞれに「ひと時遅れてしまった」という感覚があるはずでそれを表現したかったと、作品に対する自分の思いを明かした。

 最後にアニメドキュメンタリーという形式について、押井氏は今回の作品を教養映画としてはとても意義のある作品となったと自らの作品を評し、「全国の小中学校の図書館には是非、お買い上げいただきたい」と笑いを誘いながらも、完成したものは間違いなく授業や、NHKの地上派でも放送できると自信を示した。

directoroshii01.JPG また、現在を「日本人が日本人であることを忘れている時代」と定義し、だからこそ本作品で「日本人とは何か」を改めて提示する必要があったとクリエイターとしての思いを熱く語った。

 時間にして60分というものの、あっという間に過ぎて行った感が強い本セミナー。『宮本武蔵 ―双剣に馳せる夢―』のDVDがリリースされる際は、押井氏が最終稿として渡した脚本全文が同梱される可能性を西久保氏が示唆したこともあり、今後の展開が期待された。

KYOTO Cross Media Experience2009  http://www.kyoto-cmex.com/

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イベント ]
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 9月27日、京都コンピュータ学院でCGアニカップが開催された。CGアニカップは昨年、関西空港で初開催された。CGアニメコンテストの入選作品から選抜された作品と、海外作品とが競う形式で実施される。昨年の海外作品は韓国・中国・台湾で、韓国作品の圧勝となっている。
 今年は第21回CGアニメコンテストとCGアニカップが、共にCG ANIME EXとしてKyoto Cross Media Experience(Kyoto CMEX)の1イベントに組み込まれる形で開催されている。そして、フランスで開催されているコンテスト「e-magiciens」との日仏親善試合という形式で実施された。

        cganicup1.jpg

 e-magiciensでは、フランス以外からも作品が応募されている。『コピーシティ』のDenise Hauser氏は、同作を日本でも知名度の高いイギリスのロイヤル・カレッジ・オブ・アート(RCA)で作品を制作した。
 そのほかはいずれもフランスの作品であるが、Geoffrey Skrajewski氏の『坑内配達夫』は名門校のシュパンフォコム(Supinfocom)で制作された。なお、e-magiciens代表のMarie-Anne Fontenier氏は、シュパンフォコムの学校長でもある。

 『靴下のために』のCarlo Vogele氏は、近年急速に注目を集めている実力校のゴブラン(Goblins)の出身である。同作は今年のアヌシー国際アニメーションフェスティバルの学生部門で受賞するなどしている。
 在Carlo Vogele氏は、ピクサーに勤務しており、来年劇場公開される『トイ・ストーリー3』の制作にも携わっている。

 そうした強豪の集うなか、次鋒の上甲トモヨシ氏が制作した『Lizard Planet』、副将の椙本晃佑氏が制作した『the TV show』、大将のKAN氏が制作した『スターマイン』の3作品が白星となり、3-2で日本が競り勝った。
 日本の作品とフランスの作品ではテイストに差があるものの、フランス作品の上映順は日本作品がそれぞれ上映されるごとに発表されるためか、どことなく作品の内容に共通点の見られる配慮もなされているように思われた。
【真狩祐志】

CG ANIME EX http://cganime.jp/EX/
Kyoto Cross Media Experience http://www.kyoto-cmex.com/

当サイトの関連記事
NHK大阪 12月5日かんさい特集でCGアニカップ放送
CG ANIME EX 第21回CGアニメコンテスト受賞作品発表

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[CGアニカップ日仏親善試合 対決作品]

CGアニメコンテスト 日本代表チーム                  

先鋒 『memory』 山元準一      
次鋒 『Lizard Planet』 上甲トモヨシ
中堅 『セカイ系セカイ論』 山本蒼美
副将 『the TV show』 椙本晃佑
大将 『スターマイン』 KAN

e-magiciens フランス代表チーム

先鋒 『最後の一葉』 Edouard Labrosse
次鋒 『コピーシティ』 Denise Hauser
中堅 『屋根の上の羊』 Remy Schaepman
副将 『靴下のために』 Carlo Vogele
大将 『坑内配達夫』 Geoffrey Skrajewski

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2009年09月25日
イベント ]
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 9月24日から幕張メッセで始まった東京ゲームショウ(TGS)2009は、アニメやマンガ関係者とっても見逃せない大型イベントである。コンテンツのマルチメディア展開が益々活発する中で、アニメ・マンガからのゲーム化、ゲームのアニメ化、マンガ化は日常茶飯事となっているからだ。
 それだけにアニメ、マンガ関連の大きな発表が、TGSの中で行われることも増えている。開催初日の9月24日には、PSP向けのマンガ配信サービスやマイクロソフトによるアニメプロジェクト『Halo Legends』の公開、『.hack//Link』アニメ化などが発表されている。

 そうしたアニメやそのキャラクターとの結ぶつきの大きなゲーム会社に、バンダイナムコゲームスやスクウェア・エニックスの名前を挙げることが出来る。
 特に、アニメやマンガ事業に力を入れるスクウェア・エニックスは、12月10日発売予定のWii向けソフト『鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST -黄昏の少女-』を大きく取上げていた。

       hagaren-genga.JPG

 荒川弘さんの原作からスピンオフするかたちで登場する『黄昏の少女』は、原作に匹敵するストーリー性がウリである。TGS展示ホールのスクウェア・エニックスブースでは、ゲームの紹介に合わせてアルの巨大なフィギュアなども展示する。
 なかでも目を惹いたのは、ゲーム中のアニメーションパートの複製原画展示である。ゲームの原画は、あまり目にすることがないものだけに興味深いものだ。その絵からは、作品のアニメーションパートがかなりのハイクオリティで制作されていることが分かる。

guin mobile.JPG また、スクウェア・エニックスの特長は、ゲーム、アニメだけでなく、オンライン、モバイルとのアニメ、マンガの連動にも力を入れていることだ。
 9月24日に発表があったばかりのPSP向けのマンガ配信は、早速4タイトルでのデモストレーションを行っている。

 同社のマンガ作品をモバイルで提供する「ガンガンモバイル」の紹介も、TGSという会場では異色のものだ。アニメ関連では10月から配信開始を予定する「GUIN SAGA mobile」も大きく紹介されていた。 
 『GUIN SAGA』は9月にBSでの放映を終了するが、10月からいよいよ地上波放送を開始する。これに合わせた新たな動きのようだ。

スクウェア・エニックス http://www.square-enix.co.jp

鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST -黄昏の少女-
http://www.square-enix.co.jp/haganefa2/
ガンガンモバイル 
http://www.square-enix.co.jp/mobile/mgangan.html

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セミナー・講演会 ]
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 9月24日に開幕した東京ゲームショウ2009の基調講演に、日本の大手パブリッシャー5社のトップが揃って登場するシンポジウムが行われた。シンポジウムのタイトルは、「グローバル時代におけるトップメーカーの戦略と展望」である。
 登壇したのはスクウェア・エニックス代表取締役和田洋一氏、カプコン代表取締役辻本春弘氏、ソニー・コンピュータエンタテインメント SCEワールドワイド・スタジオ プエレジデント吉田修平氏、コナミデジタルエンタテインメント取締役副社長北上一三氏、そしてバンダイナムコゲームス代表取締役鵜之澤伸氏である。 
 国内家庭用ゲームソフトの有力メーカーの経営者が、自ら2009年、現在のゲーム業界の状況を分析する興味深い内容となった。

       TGS2009key1.JPG

 シンポジウムでさらに興味深かかったのは、異なった立場の異なった特徴を持つ5社にもかかわらず、現状の考え方、見方について意見が一致する点が多かったことである。逆に言えば、異なる企業トップが共通して感じるトレンドは、ゲーム産業の大きな潮流とも言える。
 そのひとつめは、現在の景気に対する見方である。世界的な景気の後退と、ゲーム産業との連動について各氏は否定的だ。例えば和田氏は今年同社に大ヒットタイトルが数多く出ていることもあり、「現在の景気はクレジット(信用)に影響を与えたもの。借金をして買う家や車には影響があるが、ゲームはもともと借金をして買うようなものでない」と状況を説明する。鵜之澤氏は「IRで景気悪化を言い訳に使っているところがある」と述べるなど、一様に現在の景気とゲーム業界の業績との連動に否定的である。

 もうひとつゲスト陣が大きな関心を示したのは、ネットとモバイルである。大手パブリシャーが、携帯などを中心としたカジュアルゲームやSNS的な展開に遅れを取ったとの思いがあるようだ。
 北上氏は携帯電話の優れたところは1人1台持っているところ、本当のゲームはそうあるべきなのにコンソール機はそうは行かないと携帯性の重要性に目を向ける。辻本氏も「『モンスターハンター』は携帯で持ち運べて、見せながら人に勧められる口コミ効果がある」と、携帯の優位性を語る。

 しかし、オンライン、携帯ゲームの課金モデルには頭を悩ませている。吉田氏は「アイディアは沢山ある。ただし、課金方法、リリース方法が見えないといけない」とビジネスリスクを指摘する。鵜之澤氏は、「我々はパッケージモデルから抜け出せない。パッケージなら1本7000円、59ドルで売れる。でも、その値段で、ダウンロードで売れると思えない。一方で小さな売上では会社は回せない」と悩みは深い。
 逆に言えば、課金の問題を克服すれば、状況は大きく変わるのかもしれない。辻氏は「課金モデル、小額課金をクリアすれば未来はある」と強く主張する。また、和田氏も「求められているブレイクスルーはクリエイティブでなく、ビジネスモデルだ」との見解だ。

       tgs2009key2.JPG

 一方、海外市場については、海外マーケットと国内マーケットの違いについて焦点があたった。鵜之澤氏は、「海外に行くのはビジネスを拡大するのではなく、開発費が上がると今までのマーケットだけでは成り立たないから。出て行かないわけに行かないのだ」と現在の日本企業の立場を示した。しかし、「米国のパブリッシャーと同じものを作っても仕方がない。日本の強みはそこにない」と独自の道を進むべきとする。
 吉田氏はより具体的に、「ハリウッド的なものは米国が得意。日本の強さはインタラクティブとアイディア」とする。辻本氏はそれを「アーケードゲームの伝統」とする。「体感ゲームが流行る中、アーケードゲームのノウハウを持つ日本企業に可能性がある」と話す。
 こうした流れは、和田氏の「グローバルという市場は本当はないんです。いろいろなセグメントの積み重ね。多様なニーズに応えられることが必要」との発言に集約されるかもしれない。つまり、グローバルな市場に行っても、日本と同じでは駄目、それぞれの市場を理解しなければマーケットは拡大しないということだ。
 
 ゲーム産業は、日本のエンタテイメント企業のなかでも最も国際化の進んでいる分野である。そうした中で、「世界で受けるものは共通でない」との意識が主流になっていることは興味深い。
 アニメでもマンガでも映画でも、時としていいものはどこの国に行ってもいいのだといった主張が通りがちだ。しかし、ゲーム産業が直面する問題はゲームだけでなく、世界市場を狙う全てのエンタテインメント産業に共通するものだ。

東京ゲームショウ2009 公式サイト http://tgs.cesa.or.jp/index.html

「グローバル時代におけるトップメーカーの戦略と展望」

スクウェア・エニックス代表取締役 和田洋一
カプコン代表取締役 辻本春弘
ソニー・コンピュータエンタテインメント SCEワールドワイド・スタジオ プエレジデント
吉田修平
コナミデジタルエンタテインメント取締役副社長 北上一三
バンダイナムコゲームス代表取締役 鵜之澤 伸

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2009年09月19日
イベント ]
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ulutramanfamily.jpg 埼玉県川口市のSKIPシティ 彩の国ビジュアルプラザ映像ホールで、9月19日から「新ウルトラ伝説体感大怪獣バトルスペシャルリサイタル」の幕が開いた。これは人気の特撮番組『ウルトラギャラクシー大怪獣バトル』シリーズにフォーカスした特別イベントである。
 親子連れが多いシルバーウィ-クに合わせて5日間、毎日3回のステージショーが行われる。『ウルトラギャラクシー大怪獣バトル』シリーズは、2007年からBSテレビなどで放映されてきたこともあり、初日の19日は大勢の観客で賑わった。

 今回、リサイタルの開幕には、12月12日から全国公開される劇場映画『大怪獣バトルウルトラ銀河伝説THE MOVIE』の主演レイ役の南翔太さんも登場し、訪れたファンを喜ばせた。
 また、今回の映画に新登場する新ウルトラマン・ウルトラマンゼロの登場も話題になるだろう。訓練用アーマーを装着した姿のウルトラマンゼロはこれから全国各地に現われる予定だが、今回は全国に先駆けたものだ。

ulutrama_cartain call.jpg また、ショーは『大怪獣バトル』シリーズの世界のダイジェスト版上映や、11月発売予定の新作DVD『ウルトラマンメビウス外伝ゴーストリバース』の主題歌を唄うボーカルユニットvoyagerの生ライブ、ウルトラヒーローと怪獣たちのアクションショー、映画の予告編上映など、盛だくさんの内容となった。

 スキップシティでは12月19日からは映像ミュージアムで、企画展「ウルトラSKIPミュージアム」を開催する。ウルトマンシリーズを通じて特撮映像の魅力と楽しさを紹介するものとなるという。
 CGやVFXなどデジタル映像の文化、産業を振興するスキップシティならの企画と言える。実は、SKIPシティは、『ウルトラマン』シリーズを制作する円谷プロダクションの作品へロケーション協力なども行っている。映像の中に出てくるその場所で、映像の魅力を体験するそんなことも可能だ。
画像:(c)円谷プロ (c) 2009「大怪獣バトルウルトラ銀河伝説」製作委員会

SKIPシティ http://www.skipcity.jp/
「新ウルトラ伝説体感大怪獣バトルスペシャルリサイタル」チケットはローソンにて販売

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2009年09月15日
アーティスト ]
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 アニメや特撮での力強い歌声で、アニメファン、特撮ファンから高い人気を誇るサイキックラバーが、9月13日渋谷のパセラにてインストアライブを行った。このライブは、9月2日に発売されたセカンドアルバム『Psychic LoverⅡ』の購入者を対象としたものだ。
 集まったのはサイキックラバーの熱烈なファンたち。この日、2回行われたライブはいずれも熱い血気で包まれた。

 2回のライブは、それぞれにテーマが設定されている。1回は『侍戦隊シンケンジャー』や『デカレンジャー』などでかためた特撮サイド。そして、2回目は『TYTANIA』をはじめとするアニメサイドである。どちらもファンには聴き逃せないものだ。

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 12時からスタートした特撮サイドは名のとおり、特撮ソング満載の楽曲を観客の前で熱唱した。まずは『侍戦隊シンケンジャー』で幕をあけるも、さすがは特撮サイドだ。
 ほとんどのお客さんが教えるまでもなく「あっぱれ!」とともに刀を抜き去る振り付けを披露し、客席とステージ上の息の合ったやりとりが見受けられた。
 彼らの制作した曲の中でも、『SWAT ON デカレンジャー』や『冒険者 ON THE ROAD』などツボを押さえた選曲で続々と特撮ソングが続き、最後にYOFFYは客席をあおりながら下に降りて1列目の人と端から端までタッチしてサイン会へ突入。ひとりひとりと話ながらサインと握手を続け、1回目のイベントは終了した。

 2回目は14時からのアニメサイド。より熱気と密度の増した客席にサイキックラバーが登場。まずは新曲『LET'S TRY TOGETHERで幕を明けた。
 NHKで放映中の『TYTANIA』から『LOST IN SPACE』を熱唱し、「ねぇ、今日はアニメの曲歌うとか言いつつ、ゲームの歌を歌ってもいいかな?(笑)」と『Blaze Out!』へと流れる。

       sllive2.jpg

 MCではIMAJOの衣装がニューアルバムのジャケットと同じ部分にYOFFYが触れ、「サイキックラバーの着せ替え人形と呼ばれてるもんね」(YOFFY)といじられるJOE。
 「衣装に無頓着なので着てほしいのがあれば送ってくれ」(JOE)というかけあいもありつつ、『最後!アニメじゃないの歌ってもいいかな?今日7時半に起きたもんね!?』と今日で54筆目の「侍戦隊シンケンジャー」を最後に披露。100名以上の「チャンチャンバラ」の振りで会場の熱気はピークとなった。30分ほどのイベントではあったが、観客席は大いに沸いた。

 サイキックラバーはこの後、10月4日に、より本格的なワンマンライブ『PSYCHIC LOVER LIVE2009-LET'S TRY TOGETHER-』を予定している。今回の熱気をさらに会場となる東京 Shibuya DUOまで、送り込むことになりそうだ。
 そこでは「チャンチャンバラ チャンバラ チャンバラバラ チャンバラ」も登場するはずだ。ワンマンライブのチケットは現在ローソンチケットにて発売中。税込み5500円(ドリンク代500円別)、10月4日は、18時にスタートの予定だ。

【当日のSET LIST】

■ 特撮SIDE @東京
  1. 侍戦隊シンケンジャー
  2. デカレンジャーアクション
  3 .SWAT ON デカレンジャー
  4 .冒険者 ON THE ROAD
  5. LET'S TRY TOGETHER
  6. 呪文降臨マジカルフォース
    (アンコールなし)

■ アニメSIDE @東京
  1. LET'S TRY TOGETHER
  2. LOST IN SPACE
  3. Blaze Out!
  4. SUBLIMINAL I LOVE YOU
  5. ナンバーワン・バトルブローラーズ
(アンコール)
  6. 侍戦隊シンケンジャー

犬死には御免だぜ! サイキックラバー Blog
http://blog.excite.co.jp/yoffy4649/10992463/#10992463_1

[PSYCHIC LOVER LIVE2009-LET'S TRY TOGETHER-]
2009 年10月4日(sun)
東京 Shibuya DUO
OPEN  17:00 START 18:00
チケット料金 5500円(税込) ※ドリンク代別途 500円

ローソンチケット Lコード:72156
受付電話番号:0570-084-003(Lコード要)※24時間受付 
総合問合せ:ラムズ 03-5368-2151(平日10:00~17:30)

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2009年09月13日
イベント ]
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 10月3日、「テイルズ オブ」シリーズの劇場映画『テイルズ オブ ヴェスペリア~The First Strike~』が全国公開される。映画は世界累計販売本数が1000万本を超える大型ゲームソフトシリーズの初の劇場映画化だ。それだけに、ファンからの注目も大きい。
 そうしたなか映画公開を前に、9月12日に東京都内でブロガーのための先行試写会が行われた。トレンドに敏感なブロガーたちが最新の映像を観て、ネットを通じてその感想を語って貰うという企画だ。素直な意見を述べることが多いブロガーたちだけに挑戦的な試みである。

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  (c)2009 NBGI/TOV Project Original Character Design (c)藤島康介

 結果はどうだったのだろうか?会場の雰囲気から見ると、かなり成功だ。およそ1時間半の上映の後、物語が大団円を迎え、クレジットが流れた後、自然に拍手が巻き起こる。来場者の満足度はかなり高かったようだ。
 実際に映画の見所は多い。今回の『テイルズ オブ ヴェスペリア~The First Strike~』は、2008年に発売されたゲームソフトを映画化したものである。ゲームソフトのアニメパートでも度々シリーズに携わったプロダクション I.Gが、アニメーション制作を手掛ける。映像は3Dパートを豊富に取り入れるなど、原作らしさにこだわったものとなっている。

 また、千住明さんよる荘厳な劇伴音楽、ゲームでは語られなかった物語など、観客を満足させる仕掛けが多数用意されている。原作そのままのキャスト陣も、そのひとつだ。
 ふたりの主人公のうち、大らかで血の気の多いユーリは鳥海浩輔さんが演じる。そして、もう一人の生真面目なフレンは宮野真守さんが担当する。人気声優ふたりの競演による、この対照的なキャラクターが物語に深みを与える。

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 今回のブロガー試写会には、このユーリ役鳥海浩輔さんが登場し、映画について語った。今回映画での演技については、「ゲームと映画ではあまり変えていません」とこれまでと同様に全力投球の様子。
 ただ、映画のユーリについては、「若くて、青い。ゲームでは出来上がった人間だけれど、今回は自分の感情が出ている」と前日譚ならではのユーリの若さが表れていると語る。
 そして、今回映像のついた本編を初めて観た鳥海さんは、「すごいですね。普段は映画館ではあまり観ないのですが、大画面は違います。大画面で観るべきです」と出来上がった作品に大満足な様子だ。

 試写会には、もう1人ゲストが招かれていた。ゲーム版『テイルズ オブ ヴェスペリア』のプロデューサー樋口義人さんである。
 今回の映画は「原作からそんなに昔でなく、ちょっとだけ前の話」と言う樋口さんは、その微妙な昔という背景に相当力を入れたようだ。「物語に矛盾が出来ないように、かなり気を遣った」という。そうした事実関係だけでなく、「ユーリとフレン距離感、さじ加減に苦労した」と話す。それだけに、映画はゲームと連続した大きな物語として登場する。公開までおよそ1ヶ月足らず、ファンの期待に応える作品となりそうだ。

『テイルズ オブ ヴェスペリア~The First Strike~』 
http://www.tov-movie.net/
10月3日(土)より、シネマサンシャイン池袋ほか全国ロードショー

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  (c)2009 NBGI/TOV Project Original Character Design (c)藤島康介

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2009年09月10日
セミナー・講演会 ]
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『センコロール』宇木敦哉監督、
   立命館大学で、クリエイティブスピリットについて大いに語る

CAP001.JPG 立命館大学映像学部は、9月5日、「キャリアビジョン形成セミナー『センコロール』に見る個人制作アニメからメジャーデビューをする方法」と題し、同作品の試写会ならびに関係者によるトークショーをおこなった。
 『センコロール』は講談社アフタヌーン四季賞にて四季大賞を受賞した宇木敦哉氏が個人で制作した30分の劇場用アニメーション。現在、東京の池袋テアトルダイヤ、並びに大阪のテアトル梅田で公開中だ。

 当日、ゲストとして登壇したのは、宇木敦哉監督、本作品のエグゼクティブプロデューサーで株式会社シンク取締役の竹内宏彰氏、そしてアニプレックス側からエグゼクティブプロデューサーの岩上敦宏氏の3人。
 これに加え、立命館大学客員教授で、『アルプスの少女ハイジ』、『母をたずねて三千里』の作画監督や『ポケットモンスター』シリーズの監修などで知られる小田部羊一氏が参加した。会場は、冒頭の試写会も含め、同学部の地下にあるシアター型教室でおこなわれた。
『センコロール』は現在公開されている東京、大阪以外では、初公開であることもあり、会場は70名もの参加者で湧きかえった。

何かを表現したいという強い思いの先にアニメがあった

CAP02.JPG 試写会にひき続き、前述のゲストスピーカーによるトークショーが繰り広げられた。冒頭で宇木監督がアニメ制作をはじめたきっかけについて説明。
 もともと北海道の教育系大学で美術全般について学びながら何かを表現したいという思いをもっていたものの、当初アニメはその表現方法のひとつとしてしか認識がなかったとのこと。各種漫画賞などに自身の漫画を投稿しつつ、ショートアニメを手書きで制作。それを竹内氏に見せたことが『センコロール』制作のきっかけになったという。
 竹内氏は、最初にすこしだけ見たときは、CGで作った一般的な動画に見えたもののそれが手書きだということを聞いて驚愕したとのこと。

 「宇木監督の作品の特徴は『動画がいきいきと動く』これに尽きます」と宇木による作品の魅力について竹内氏は語り、その才能に惚れこんだ事がすべての始まりであるとした。
 一方、岩上氏はYou tubeの動画革命東京チャンネルで『センコロール』のトレーラーを見つけたのがこの作品をアニプレックスでプロデュースしていくきっかけであったことを指摘。作品の全てが個人で作られていた事にやはり衝撃を覚えたと、当時の心境を吐露した。

 精緻に作りこまれた映像の連続でありながら、制作環境は、つくりはじめの頃は「iMac」、制作後半はノートPCと大変シンプルなもの。ソフトも「Photoshop」と、「After Effect」、編集は「Premiere」でと、参加者にとってもなじみ深いツール群によって開発されたという事実を聞いた瞬間、驚きを隠せないといった雰囲気で会場が一瞬どよめいた。

後編(インスピレーション重視の漫画的ストーリー構築/小田部羊一教授も絶賛!宇木監督の作画能力)に続く

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         (c)宇木敦哉/アニプレックス

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セミナー・講演会 ]
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インスピレーション重視の漫画的ストーリー構築

 一方、ストーリー構築について、宇木監督は、トレーラー制作時は、物語の仔細や、設定の全てを思い浮かべる事が困難だったため、竹内氏と相談し、頭の中で瞬間的に表れたイメージを中心に集めたものをトレーラーにしたことを明かした。
 これを受けて、竹内氏はこのプロセスを非常に漫画家的だったと、かつてコミック雑誌編集者だったときの自身の経験を踏まえつつ指摘。本編制作時も、インパクトの強いシーンを「パっ、パっと思い浮かべる」という作業からはじまり、それら一連のシーンを如何に物語としてつなげていくかを考えるのが制作を進めていくうえで重要だったと当時の状況を述懐した。

 このストーリー構築工程について、岩山氏は、「通常のアニメ制作においては世界観や、設定など細かく決定してからストーリー構築に入るとのが一般的。もし同じような形で制作にはいったら今のような形の『センコロール』は作れなかったのではないか」と、『センコロール』独特の制作スタイルを改めて強調した。
 一方、宇木監督は、『センコロール』の「いきなり世界感に投げ込まれる」物語冒頭の雰囲気を「意図的に演出」したことを明かし、 「世界観を説明することに時間を費やすよりは物語を語る選択した」とその理由を語った。これについて竹内氏は、最近の作品はあまりにも丁寧に設定や世界観を説明しすぎると分析。今回のように視聴者の想像力を掻き立てる事も作品づくりでは重要であるとした。

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         (c)宇木敦哉/アニプレックス

 この後、岩上氏が、『センコロール』をプロデュースしていく過程について語った。Youtubeで作品に出会った事や、Supercell のRyoを起用した経緯、声優陣の選定などについて詳細を明かした。
 これを受けて竹内氏は、『センコロール』のトレーラーは、当初、日本よりも海外からのアクセスのほうが圧倒的に多かったと説明。作品が文字を必要としないアニメだからこそこのような現象が起きているとし、自らの才能を世界に示していくうえで、映像がこれまでにもまして重要になるとした。
 岩上氏は、竹内氏の意見に同調しつつ、これからの時代にプロデューサとしてコンテンツ産業に携わる上で、動画共有サイトなどウェブ上に存在する様々なツールを活用することの重要性を説いた。

小田部羊一教授も絶賛!宇木監督の作画能力

CAP003ver.JPG ここで、小田部羊一教授が登壇。宇木監督に作品に関わる様々な質問をした。
 「作画をはじめてからどの位の年月を経て、ここまでの作画技術を取得したのか」との質問に対し、「大学での独学から数えて3年」と宇木監督は回答。小田部氏もある程度の仕事が出来るアニメータにと成長するまでに3年がかかったということから、宇木監督も一般的なアニメータと同様の努力を積んで現在まで至っていることが明らかとなった。

 また、「作品を完成するまでにどの位かかったのか」との質問に2年半と答えた宇木監督に、ここまでのクオリティの作品がそう簡単に完成しないだろうという自身の推測が正しい事を確認し、安堵の表情を浮かべた。
 最後に、ここまでこだわりを持って、しかも一人で一般的な劇場用アニメの域まで達した作品を作り出した事に感銘の意を、しめしこれからの活躍を期待して宇木監督にエールを送った。

 最後に、いい作品をつくりあげる条件として、限りないこだわり、情熱、そして心から伝えたいメッセージが必ず必要だと竹内氏は指摘。『センコロール』も公開ギリギリまでどこかの箇所がわずかながらに変化している点をあげ、そのようなこだわりは宇木監督にも顕在である証左とした。
 この後、質疑応答に突入。予定時間を大幅にオーバーしての対応でもまだ質問は尽きず、シンポジウム終了後もしばらくは、宇木監督、竹内、岩上両プロデューサーが学生からの質問攻めにあう大盛況ぶりだった。

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         (c)宇木敦哉/アニプレックス

 10月28日にはDVDがリリースされる予定だ。完全生産限定版にはその後について描かれた宇木監督描き下ろしの漫画が同梱される。

前編(クリエイティブスピリットについて大いに語る/何かを表現したいという強い思いの先にアニメがあった)に戻る

『センコロール』 公式ホームページ http://www.cencoroll.com/

アニプレックス http://www.aniplex.co.jp/
シンク http://www.think.ne.jp/
立命館大学映像学部 http://www.ritsumei.ac.jp/eizo/
動画革命東京 http://www.anime-innovation.jp/index.html

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2009年09月08日
イベント ]
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betumahyousi.jpg 長年、少年マンガ誌として人気を集めてきた「週刊少年マガジン」から、マンガ界に新たな風を起こすべく、9月9日に新たなマンガ雑誌が登場する。ファンタジーをコンセプトに掲げる「別冊少年マガジン」である。
 業界のトップを走るマンガ家陣を擁してスタートする同誌は、森田浩章編集人によれば「奇妙奇天烈な作品が揃った。今までのマンガ界になかったような作品たち」という。今後は月刊マンガ誌として20万部の発行を予定する。

 その豪華な作家陣には、『みなみけ』の桜庭コハルさん、『さよなら絶望先生』の久米田康治さん、スクールランブル』の小林尽さん、『愛と誠』のながやす巧さんら。創刊号では16作品が並ぶ。そこからは、編集の力の入った様子が伝わって来る。
 そうした作家陣の目玉のひとりとなるのが、『金色のガッシュ!!』の連載終了から1年半の沈黙を破り、今回は満を持して新連載『どうぶつの国』を送り出す雷句誠さんである。

 9月8日には、雑誌の創刊を前にして、この雷句誠さんも姿を見せた創刊記者会見が、東京・銀座のApple Store Ginzaで開催された。記者会見では翌日の発売を前にして、創刊号の披露が行われた。
 表紙を飾るのは、『どうぶつの国』の主人公モノコ。まるで動物の着ぐるみの様なユニークな姿が意表をつく。雷句さんはこのキャラクターについて、「着ぐるみではありません。誰がなんと言おうとタヌキです」と紹介する。

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 そもそも今回の『どうぶつの国』は、このキャラクターが始まりだという。タヌキのキャラクターの隣に赤ちゃんという絵が気に入り、そこから物語が展開する。
 今回のテーマは「生きる」と「子育て」と、社会性も盛り込んだ。「子供を育てる前から、どうして子育て?」との質問には、「不安で。子供ってどうやったら育つのかなと思いました」とのことだ。そして、「子供だけでなく大人にも見て欲しい」と幅広い読者に届けたいと作品をアピールする。

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 『どうぶつの国』は動物しかいない国に紛れこんだ人間の赤ちゃんが、物語の鍵になる。北海道の旭川動物園にも取材にいったという雷句誠さんが描く多彩な動物たちもウリだ。
 今回の記者会見では、リアルな野生の動物はなんでも知っているというナイジェリア出身のボビー・オロンゴさん、そして動物と言えばこの人 畑正憲さんも応援に登場。大のマガジンファンというキャイ~ン 天野ひろゆきさんも駆けつけた。さらにミスマガジンの小林さりさん、菊里ひかりさんも出演する。
 動物トークではやや暴走気味で大賑わい。明るく、楽しく、はっちゃけた大型雑誌の創刊に相応しい船出となった。

講談社 コミックプラス  http://kc.kodansha.co.jp/
別冊マガジン http://kc.kodansha.co.jp/magazine/index.php/04783

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イベント ]
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 ロシアの国民的キャラクターのTVアニメ化『チェブラーシカ あれれ?』(テレビ東京系)の制作発表が9月3日、都内で行われ、主人公・チェブラーシカの声を担当する大橋のぞみと、監修の中村誠が登場した。

 中村曰く、「日本でも有名な『チェブラーシカ』ですが、まだ知らない人にも、そのかわいさをわかってほしいと思い、今回制作に至りました」とのこと。もともとコマ撮りの人形アニメである同作がTVアニメ化されるのは、今回が初めてである。
 声優初挑戦となるのぞみちゃんは、「最初は緊張して、難しかったけど、チェブラーシカがかわいくて、楽しく(アフレコが)できました」と、かわいらしく語り、報道陣の頬をゆるませた。

 「好きなセリフは『あれ? あれれ?』です」と、のぞみちゃん答えると、中村は、「のぞみちゃんの声を聞いたときから、チェブラーシカの声は彼女しかあり得ないと思っていました。
 実は、のぞみちゃんの『あれれ?』がかわいくて、サブタイトルに『あれれ?』の一言を入れたんです。のぞみちゃんが名づけ親なんですよ」と、タイトル秘話について明かした。
 記者発表の最後には、実物大(?)のチェブラーシカが、横歩きでかわいらしく登場。究極に愛らしいのぞみちゃんとの2ショットを披露し、またもや報道陣の頬をゆるませた。

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 『チェブラーシカ』は、ロシアの児童文学作家、エドゥアルド・ウスペンスキー作の絵本に登場するキャラクター。ロマン・カチェーノフ監督によって、4作のコマ撮りアニメ映画が制作されている。
 日本でも、映画やグッズが人気を集め、女性を中心に親しまれているキャラクターだ。初のTVアニメ化に加え、日本でコマ撮りの映画が制作されることも決定しており、中村が「もちろん、映画のほうものぞみちゃんにチェブラーシカ役を演じてもらうつもりです」と語ると、「次もがんばります!」と、のぞみちゃんもやる気満々の様子だった。
【遠藤麻衣】

『チェブラーシカ あれれ?』 http://www.cheb-tv.com/
10月7日より、テレビ東京系『のりスタ100%』内にて、毎週水曜日朝7:30~スタート

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2009年09月06日
イベント ]
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hue-wlvalin.JPG 9月11日から全国ロードショーされる『ウルヴァリン:X-MEN ZERO』の公開に先立って、主演のヒュー・ジャックマンが来日した。9月3日、東京のエンタテイメントの中心ともいえる六本木ヒルズに姿をみせ、大勢のファンの歓迎に応えた。
 ヒューは、『X-MEN』のウルヴァリン役で大ブレイクした人気スター。ハリウッドで最もセクシーな俳優に選ばれるなど、映画の主人公ウルヴァリンと同様に、ワイルドな魅力で注目を集める。

 この六本木ヒルズでもハーレー・ダビッドソンでレッドカーペットを疾走し、ファンの大歓声を受けていた。今回のヒューの来日は、勿論『ウルヴァリン:X-MEN ZERO』のためである。ヒューは映画に主演するだけでなく、実はプロデューサーも務めている。ステージに上がり、「ドラマ」、「アクション」、「ロマンス」などの映画の魅力を紹介する。
 映画は5月に米国で劇場公開されると週末興収で断トツの1位に立ち、北米で1億8000万ドル、ワールドワイドで3億6000万ドルを稼ぎ出したスーパーヒット作になった。映画ではこれまで秘められてきたウルヴァリンの若き日の話が語られる。兄弟の確執や最愛の女性との悲劇などの見所の多さが大ヒットの理由だ。

 さらに今回、プロデューサーとしてのヒュー・ジャックマンから、大きな発表が行われた。世界的なヒットを受け、既に『ウルヴァリン:X-MEN ZERO』の次回作、続編の製作が決まっているというものだ。しかも、その次回作の舞台は日本になるという。
 もともと、『ウルヴァリン』の原作シリーズに、日本を舞台にした人気ストーリーがあることから、それをベースに物語を発展させるという。

 人気エピソードということもあるが、この選択にはヒュー自身の意向も反映している。この日も、最初、日本語で挨拶を行ったヒューは、大の親日家として知られているからだ。沿道のファンに応え、予定時間を大幅に超えることも気にしない日本ファンへのサービスぶりからも分かるだろう。
 そして、ヒューは次回の映画のために日本でのオーディションもやりたい、日本の役者とも共演したいとも語る。

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 そこで登場したのは『X-MEN』の大ファンという佐藤隆太、紋付袴姿で自らの特大履歴書を持参して、続編への出演をアピール。ヒューからは、かなりポジティブな返事を貰い期待も膨らむ。
 さらに、やはりヒューの大ファンの川島なお美さんが、着物姿で応援にかけつけた。夫鎧塚さん特製ケーキを持参した。最後は、3人でケーキカットに乾杯と映画の公開を祝った。

『ウルヴァリン:X-MEN ZERO』
公式サイト http://www.XMEN-ZERO.jp
9月11日(金)TOHOシネマズ 日劇他全国ロードショー
20世紀フォックス映画 配給

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X-Men Character Likenesses TM & (c) 2009 Marvel Characters, Inc. All rights reserved. TM and (c) 2009 Twentieth Century Fox Film Corporation. All rights reserved.

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2009年09月02日
セミナー・講演会 ]
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CEDECDRTOMINO2.JPG 講演時間は1時間20分だったはずである。そして、実際に、時計をみればきっかり1時間20分しか進んでいない。しかし、わずか80分の中にいかに多くのテーマと論点が含まれていたことか。
 パシフィコ横浜会議センターで開催されたCEDEC2009の2日目の基調講演に立ったアニメ監督富野由悠季氏の「慣れたら死ぬぞ」と題されたレクチャーはそう感じさせるのに十分だった。とにかく盛りだくさんの内容だ。

 出だしは、映画、アニメ、ゲームの関係である。富野氏は、かつてマンガ映画と呼ばれたアニメは、それに先立つ映画から下に見られていたこともあり、仕事を教えて貰うことはなかったと語る。
 そうした例を引き合いに出しつつ、映像に頼った作品という点でアニメはゲームの前にある、仕事の仕方に同じ方向があるのではないかと、自身がゲームを語ることの意味を説く。

 しかし、一方で 富野氏はゲームの現状に対して辛口だ。それは意図的に聞き手を挑発しているようだ。例えばゲーム開発者たちを前にして、「テトリス」以来、真に新しいゲームは生まれていないと断定する。「新しいハードウェアが出て、それに合わせて新しいソフトが出るだけで、新しくなっている気分なのでは?」と問いただす。
 また、CGで描くキャラクターに対しては、「CGの絵は絵になっていない。CGの作画は理系の仕事。それがCGの絵がつまらない理由」とする。

 勿論、これは批判ではない。全て、今回の演題「慣れたら死ぬぞ」につながったものだ。富野氏は、ゲームの本質は数種類しかないとし、新しいゲームを創造するのがいかに難しいか承知済みだ。しかし、そこで敢えて挑戦的に話すことで、発言に対する反発から新しいものが生まれてくると信じているように見えるのだ。
 CGアニメについても、CGはペンや筆とは少し質が違うものと話す。「CGアニメには輪郭線がない。影使わずに輪郭線が出せたら凄いだろう」、「CG作画の仕事は、デザイナーから絵描きの仕事に移りつつある。CGの作画表現はこれから変わる。それはピクサーの様なものでないはずだ。もっとやれるはずだ」とポジティブな未来を広げる。
 そして新しいやり方については、「そのハウ・ツーは僕には分からない。分かっていれば自分でやる」と、これからの世代が生み出すことに期待する。

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 こうした言葉は会場に、これからの時代を背負うゲーム関係の若者が多かったことと無関係でない。富野由悠季監督のアニメ作品に繰り返し立ち上がるテーマがあるように、富野氏の講演には同様にそのタイトルは異なっても同じテーマがしばしば現れる。
 そのひとつは「若者論」だ。富野氏は「若者の才能をつぶすな」、「若い才能を大切にしろ」、「若者と仕事をしろ」と繰り返す。だからこそ富野氏は、若者を前にした時に饒舌になるのだ。
 そして富野氏は若者に対して、「原理原則で考えろ。しかし、原理主義に陥るな」、「自分の個性を信じるな。自分の能力だけを信じると大きな作品は達成出来ない。自分の位置づけを客観的に理解しろ」と若者にメッセージを送り続ける。

CEDEC2009 http://cedec.cesa.or.jp/2009/

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