検索

clear.gif


カレンダー
バックナンバー

2009年11月13日
ジャパンエキスポ ]
clear.gif

JXkouen.JPG 毎年7月にフランス・パリで行われるるジャパンエキスポの勢いに、ここ数年驚かされることが多い。2009年の来場者数はおよそ16万5000人、50人を越える日本からの特別ゲスト、そして日本文化に特化した国外最大級のイベントとしてアニメ・マンガの業界人がこぞって押しかける。
 しかし、その存在感の大きさ、知名度に対して、これまで主催者自身がイベントについて語ることは少なかった。11月13日に東京国際交流館で行われた文化庁国際文化フォーラム 国際文化芸術人会議の基調講演は、そうした数少ない機会となった。

 この講演はSEFA Event社ジャパンエキスポ代表のジャン=フランソワ・デュフール氏と副代表のトマ・シルデー氏による「『文化の受容と融合』~ジャパンエキスポのたどった道~」と題されたものだ。
 講演はジャパンエキスポの歩みやフランスでの日本文化の歴史を辿り、その中で日本のポップカルチャーの受容とジャパンエキスポの成功を語るものだ。比較的シンプルな構成だが、わずか10年間でのイベントの驚くべき成長ぶりを紹介するのに十分だ。
 しかし、文化庁の主催するシンポジウムでもあり、フランスで積極的に受け入れられる日本文化というポジティブな面が強調されたかたちとなっていた。一方で、例えば、現地のアニメDVDの流通会社(ディストリビューター)が直面する経営危機などの負の部分には触れていない。

 だから、こうしたシンポジウムは、「部分的な現象を取り上げて、楽観的な見方を煽る」との批判も出来るかもしれない。しかし、その映像や紹介される数字から伝わってくる熱気は、そうした批判さえも跳ね除ける圧倒的なものだ。
 つまり、そこに何かしらの意図があったとしても、実際にヨーロッパで起きている現象は嘘ではない。実際に16万人を超える来場者はそこに存在し、日本の文化を楽しむ大衆も現実の存在だ。それを局地的な現象として退けることは可能だし、それを単に驚くだけで眺めていることもまた可能だ。
 しかし、そこに存在する現象を、単なる現象に終わらせない何かが求められているのではないかと感じさせる講演だった。そしてこのシンポジウムを企画した文化庁の意図もまさにそこにあったに違いない。

4201.JPG そうした講演の内容をストレートに受け取る一方で、今回の基調講演から垣間見えるジャパンエキスポのビジネス戦略も興味深いものがあった。
 デュフール氏は、ジャパンエキスポの成功の理由を4つ挙げた。「タイミング」、「情熱」、「信頼」、「プロフェッショナリズム」である。しかし、それ以上に彼らの成功は、フランスのファンや社会が求めるものを的確に汲み取り、提供する戦略の確かさが理由である。

 実は今回、講演者のふたりはメディア芸術の言葉を多用すると伴に、アニメやマンガといったポップカルチャーだけでなく、日本の伝統文化への言及を多く行った。ふたりによれば、ジャパンエキスポは、ポップカルチャーだけでなく、新旧の文化を融合させた誰でも楽しめるイベントであると言う。
 そうした側面は確かにあるのだが、実際には圧倒的なマンガ、アニメ、ゲームの中のごく一部に過ぎない。むしろ、日本の伝統文化の強調は、シンポジウムの主催者である文化庁に対するリップサービスであると同時に、これから彼らがそうありたいと思う姿である。
 さらにこれまでは存在感の薄かったB2B向けのサービスを強調する。ジャパンエキスポは、ライセンスのマーケットでもあるということだ。これも現在そうであるというよりも、今後成長させたい分野とみられる。

 これらは世界有数の巨大なイベントになったジャパンエキスポが、単なるファン向けのイベントに終わらずに、次の段階の成長を目指していることを示している。つまり、日本とフランスの間で、文化的にもビジネス的にも重要な位置を占めることである。
 おそらくこれは日本の企業や行政からも望まれていることなのである。SEFA Event社にとっては、そのニーズを理解したうえでの目標だ。現在ジャパンエキスポに対して、その規模に目を奪われがちだ。しかし、今後は、その活動の広がりに注目が集まることになりそうだ。

文化庁国際文化フォーラム
http://www.bunka.go.jp/culturalforum/nittei/

clear.gif
posted by animeanime at 23:59 | (0)
イベント ]
clear.gif

dcexpo09.jpg 10月22日から24日に日本科学未来館を中心として開催されたデジタルコンテンツエキスポ2009では、次世代コンテンツ技術展(ConTEX)2009のAR(拡張現実)や国際3D Fair 2009 in Tokyoの立体視などに注目が集まったが、アニメーションに関するものも少なからず見られた。

 会場では、デジタルクリエーターズコンペティション2009やASIAGRAPH2009で受賞した作品の展示上映や視聴が行われていた。
 また国内の主なコンテストも紹介されており、そのうちCGアニメコンテストについては、9月に京都で上映会が行われた第21回の受賞作品を視聴出来た。

 シンポジウムやセミナーとしては、22日は「2000年代の個人制作アニメーションと環境変化」、「ASEAN+3諸国のCG制作」、24日は「アジアCG・アニメーション教育会議」、25日は「『ウサビッチ』の監督が語るCGワークフロー」、「アニメーション制作におけるモーションキャプチャーの存在」、「最新3Dコンピュータグラフィクス映画『ホッタラケの島~遥と魔法の鏡~』にみる演出論と制作手法をめぐる葛藤と技術的勝算」などである。

hayakawa.jpg 『ウサビッチ』の監督が語るCGワークフロー」では、『ウサビッチ』の監督であるカナバングラフィックス代表の富岡聡氏が、絵コンテなどのメイキングやプロデューサーとのやりとりなどを面白おかしく語っていた。
 今後の展開として、東京国際アニメフェア2009で発表した『やんやんマチコ』や10年前に自主制作した『SiNK』の最新動向も伝えられた。

 一方、高精細映像を追求している同時開催の第2回4Kデジタル映像祭でもトピックがある。第2回4Kデジタル映像祭では、月探査衛星「かぐや」の「The Moon in Google Earth 『SELENE/かぐや』」や小惑星イトカワから帰還中の「はやぶさ」の映画「『HAYABUSA』のメイキング~いかにして4K映像を作ったか~」など、基本的には鮮明なCG映像の紹介となっている。
 しかし「超高精細・大画面の特徴を最大限に生かすアニメーション表現~世界初の4Kドローイングアニメーション『塵芥集』のワークフロー~」では、それらとは異なるアプローチが試みられている。作者の早川貴泰氏は手描きの特性を生かし、解像度がフリーであるベクターを介した解決法を示している。

kanaban.jpg 2000年代の個人制作アニメーションと環境変化」では、そうした様々な事例や問題点も前提としていた。紹介された作品の制作手法もさることながら、そうした多岐に渡る活躍のフィールドにも触れられており、1つのキーワードではひと括りに出来ない多様さが見て取れた。

DIGITAL CONTENT EXPO http://www.dcexpo.jp/

当サイトの関連記事
「アニメーションの可能性を信じている」細田監督 経済産業大臣賞で
デジタルクリエーターズコンペティション2009 贈賞式開催
「インタラクティブを持ってきた方が面白い」宮本茂の仕事史
「ホッタラケの島」の佐藤監督 「CGアニメーターは役者」

2000年代の個人制作アニメーションと環境変化 紹介作品

 『ioCI』/『ガソリンマスク』(サンプル) 神風動画
 『Chaos of Fenia』(予告編) 伊藤国臣
 『BIBLIOMANIE』(予告編) 藤田純平
 『音のおもいで』/『雨の日は、何色?』 わたなべさちよ
 『公園一日』 竹内泰人
 『熱血宇宙人』 山元準一

clear.gif
posted by animeanime at 23:00 | (0)