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2010年03月31日
東京国際アニメフェア ]
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 東京国際アニメフェア2010の開幕前日、東映アニメーションが『GAIKING』の新作パイロット映像を公開すると発表し、衝撃を与えた。この『GAIKING』は、同社がテレビシリーズなどで展開してきた『大空魔竜ガイキング』の3DCG版である。
 パイロット映像は約2年をかけて制作された。使用される技術は、Light Stage。このLight Stageは、これまで開発が続けられてきたモーションキャプチャー技術だ。2004年の『スパイターマン2』から最近の『アバター』に至るまで、数々のハリウッド映画で使用されているが、特に人間の顔の表情までも仔細に再現することが出来る利点があることから重宝されている。今年の第82回アカデミー賞においては、アカデミー科学技術賞も受賞している。

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 東京国際アニメフェア2010の最終日である3月28日には、開発者のジュールズ・アーバック氏とクレイ・スパークス氏が来日した。しかも、この日に東映アニメーションが自社ブースで行うこのイベントの持ち時間30分のためだけに来日したというから驚きだ。
 当日は来日した2人と同社のプロデューサーである池澤良幸氏が登壇した。パイロット映像を見た後、「多分みなさん、これ『実写とCGを一緒にしただけでしょ?』っていう風に思われるかも知れませんが」と池澤氏は始めた。
 「映画の制作、映像制作のところでは次の世代に入っております。アニメーション会社がCGを作るのかっていう風な疑問があるのかも知れませんけど、実はこのLight Stageという技術で色んなものがひとつになる可能性を秘めてまして、そこのところで何か一緒に出来ないかという風なところからこのプロジェクトを始めてった流れになっております」。

 続いて「Light Stageって技術なんですけれども、もともとジョージ・ルーカスやスティーブン・スピルバーグなどが出身の南カリフォルニア大学の技術開発として始まりました」とジュールズ・アーバック氏が話を進めた。
 「『スパイダーマン2』、『ハンコック』、『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』など、様々な映画でこの技術が応用されてきました。今までの映画の中で、高度な技術が要求されるところにLight Stageの技術が応用されてきたわけですけども、今回の『GAIKING』では、この技術が長編映画で出来るところまで対応出来るようにとのことで新たに開発されたものとなっております」と、Light Stageの概要を示す映像を見ながら説明した。
 それからクレイ・スパークス氏が「今回、東映アニメーションの方から『GAIKING』のフルサイズということで色々な資料を出して頂きました。おもちゃの大きいサイズのモデルですとか、書かれたものの資料ですとか、原案のところで忠実になるように考えていました」と『GAIKING』の3DCGモデルから輪郭線をレンダリングして回転させた映像を見ながら解説を加えた。
 「そこで修正が必要になるところ、部分的な直しが必要なところで手を加えていきました。出来上がってきたものを、実際にCGのビルの中にですね、細かい部分とかを加えていって、最終的にリアルに見えるようなものをということでデザインを仕上げていきました」。
 イベントの30分は慌ただしく過ぎ去り、ジュールズ・アーバック氏とクレイ・スパークス氏は足早に会場を後にした。

 東映アニメーションのブースでは会期中連日、この『GAIKING』のパイロット映像は非常に高い関心を持って来場者に迎えられていた。なお、Light Stageのこれまでの概要については、南カリフォルニア大学がYouTubeで公開しているので、そちらで確認することが可能である。
【真狩祐志】

USC ICT http://www.youtube.com/user/USCICT
東映アニメーション http://www.toei-anim.co.jp/

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東京国際アニメフェア ]
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 3月28日、東京国際アニメフェア2010のクリエイターズワールドに隣接するミニステージで、バーナムラボラトリーによる「近況報告(ワルナイもあるよ)」が開催された。
 バーナムラボラトリーは昨年もミニステージでイベントを行っており、それから1年経った時点での経過報告を兼ねていた。今回もプロデューサーの里見哲朗さんと監督の市川量也さんが登壇した。里見さんは最近では、4月3日からテレビ東京系で放送が開始される『トランスフォーマー アニメイテッド』のプロデュースも行っている。

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 タイトルに含まれる「ワルナイ」とは、3月1日にオープンした携帯サイトのゲッキンで配信されている『SOSTVワルプルギスナイトフィーバー』のことである。作品の内容は、戦争により荒廃した惑星「ワルプルギス」に生き残った少女、ガーネットとクリスが「TV番組風の面白いSOS映像」を作って救援を求めるというもので、毎週月曜日と金曜日に各話が配信されており、4月いっぱいは無料配信とのことだ。
 また「漫画版を30日から同じサイトで配信開始するんですが、基本的には僕が頼んでノーと言わない人を集めてます。スタッフもキャストも。漫画の方は完全にオリジナルストーリーです。また違うテイストのものがザクザクと上がってます。楽しみにしていてください」と里見さんは話した。

 そして4月21日には、DVD付きオープニングテーマ曲CDが発売になるという。オープニングテーマ曲を歌っているのは、劇中でキャロット役として声をあてている金田朋子さんだ。「金田朋子を正しく使おうというのがコンセプトで、歌を歌わせてみたらこういうことになってしまった。しかもシングルカットすると」(里見)。
 そのCDに付属のDVDには、オリジナルキャラクターのPVを収録する予定だそうだ。「アイマス(アイドルマスター)みたいなのをつけようかなと。ちょっと踊らせるようなのを作ってます」(里見)。

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 その一方「『星に願いを3』のPVを作るっていってブースをとってたのに、何もあがってない」と里見さんがツッコミを入れると、市川さんは「夏コミまでには間に合わせたいと思ってます。本編を」と返した。これまでの販売に関しては好調で「おかげさまで1が今ここにある在庫くらいなんですけど、あと5枚くらい。2が在庫切れになりまして、とらのあなの方も在庫切れで、『星に願いを』については何も販売するものがなくなってしまったという」(市川)。それから「せめて『イヴの時間』くらいには売れてほしいよね」(里見)と希望を込めた。
 このほかミニステージでは、ビジネスデーに今回のクリエイターズワールド出展者によるプレゼンテーション、パブリックデーには第9回アニメアワード公募部門受賞作品の上映などが行われていた。
【真狩祐志】

週2コミック ゲッキン http://www.comic-gekkin.com/
バーナムラボラトリー http://www.barnumlaboratory.com/

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TAF バーナムラボラトリー「星に願いを」 続編は学園モノ?

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2010年03月30日
イベント ]
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 ハロルド作石さんの大ヒットマンガを実写映画化、そしていま最も注目される俳優たちが演じる『BECK』が9月4日に全国ロードショーされる。3月30日、東京・渋谷のSHIBUYA‐AXで「映画『BECK』EVOLUTION会見(製作報告会見)」が開催された。
 会見には堤幸彦監督をはじめ、映画でロックバンドBRCKのメンバーを演じる水嶋ヒロさん、佐藤健さん、桐谷健太さん、中村蒼さん、向井理さん、それに忽那汐里さんが登壇した。映画公開までまだおよそ5カ月あるが、実は映画の撮影はもう終わっている。堤監督は、「現在は編集の途中、さらに試行錯誤を続けている」と話す。

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 BECK演じる5人は揃ってメディアの前に登場するのは初めてだが、久しぶりの再会に喜んだ様子も見られた。映画は最高の音楽を目指して結成されたロックバンドBECKの友情と絆、成長の物語である。演じる役者たちの間にも、熱い友情が育った。撮影が行われた2009年夏は、熱い思い出となって彼らの胸に刻まれようだ。
 こうした熱い思いは、また奇跡も引き起こす。映画のラストシーンともなる野外フェスティバルの撮影で起きたそんな奇跡のエピソードを佐藤健さんが披露した。このシーンは物語の設定では最初はどしゃぶり最後の一曲で雨があがるという設定になっているが、当日はなんと脚本通りの天気になったのだという。
 この1500人ものエキストラが参加する最後のライブシーンの撮影については、監督もみんなが一緒になった時に出て来るパワーが現れたと話す。「自分でも鳥肌が立った」と、劇中でも大きな見せ場となりそうだ。

 最後に水島さんが、「ワンシーンワンシーン全身全霊をかけてやりました。この熱い思いを伝えてください」と作品をアピール。
 堤監督は「14歳、15歳の頃からロック漬けでした。ロックをテーマにした映画をいま撮ることが出来ました」と作品への強い思い入れを語った。そして、「世代を超えてロックを楽しみたい。ロックを前にして10代も50代もない」と熱いメッセージ、広い映画ファンに向けて作品を送り出す。

 またこの日、米国と英国の超大者バンド レッド・ホット・チリ・ペッパーズとオアシスによるダブル主題歌の決定も発表された。音楽面からも作品の世界をさらに盛り上げる。
 累計1500万部を発行の大ヒットマンガが人気俳優たちによりどうやって演じられたのか、映画公開に向けて今後さらに盛り上りそうだ。9月4日の公開までもうしばらくだ。

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映画『BECK』 http://www.beck-movie.jp/
9月4日公開

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2010年03月29日
東京国際アニメフェア ]
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 3月27日、東京ビッグサイトで第9回東京アニメアワードの表彰式が開催された。第9回東京アニメアワードの各受賞結果については先月発表されている。
 アニメーションオブザイヤー以下7部門で受賞した『サマーウォーズ』の細田守監督も来場し、「この度はこのような栄えある賞を頂けて本当に光栄です。スタッフ、キャストを代表致しまして、御礼申し上げます」と、壇上で挨拶を行った。

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 細田監督は昨年のアニメフェアで『サマーウォーズ』の制作発表をしたことにも触れた。「公開が8月1日ですので、あと5ヶ月弱、原版4ヶ月弱な感じなんです。けれども、制作発表をしている裏で、フィルムがまだ2分くらいしか出来ておりませんでした。殆ど出来ていない状態から、公開に間に合わせた。1年前の我々、スタッフの努力を考えますとこれは大したものです」。
 そのような裏話から「どうしても間に合わない時に、東映以外からもどこからと手が差し伸べられて、作っていく。いつも今回はヤバイだろう、今回は絶対落ちる、っていわれても何故か不思議とそういった奇跡が起こります。作品が出来上がっていくことを毎作品実は繰り返しているんじゃないかと思います」と、東映動画(現:東映アニメーション)時代の話も経緯も含めて挨拶を終えた。

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 「この『サマーウォーズ』は家族の30人くらいの大家族が団結して世界の敵と戦うんです。けれども、実はみんなで団結して戦うという精神性ってのは、実はアニメーション業界と同じかなと思います。アニメーションをみんなで協力して作品を一生懸命作る。そういった経験は、業界全体から教わったものではないかと思います。本当に今日はありがとうございました」。

 一方、公募部門でグランプリを受賞した『TOKYOファンタジア』のG9+1も壇上に集い、和田敏克氏が挨拶した。
 「本当に40年以上に渡って現役で活躍されてきたG9のメンバーと+1の僕で、合作で作品を作ろうということで集まったメンバーです。このメンバーは1年に10歳づつ年を取っていくんですけども、5年経ちましたので、50歳年を取ったことになります」と。
 「50年分くらい作品を作って、上映会を開いて、みんな本当に大切な仲間と思えるくらい仲良くなって、これからも明るく楽しく作品を作っていきたいと思っています。今年も1本準備しておりますので、またご覧頂けたらと思います。このように栄えある賞を頂きまして、メンバー一同、本当に嬉しく思っております。どうもありがとうございました」。

 最後に東京都産業労働局の真田正義次長が、石原慎太郎都知事の挨拶を読み上げた。「今年もこの、アニメアワードには国内外から優れた作品が数多く集まり、審査委員会では選考に大変苦労したと聞いています。クリエイターの皆さんも更に感性を研ぎ澄まし、多くの人の感動を誘う新たな表現、作品作りに果敢に挑戦し、国際的に飛躍されることを望みます。アニメは日本が世界に誇るコンテンツであり、海外の多くの国で親しまれております。また様々な国際映画祭に於いて受賞するなど、高い評価を受けております。将来が期待されるアニメ産業ですが、その基板となっていくのが人材です。厳しい世界競争に勝ち抜くには、優れた才能を発掘し、世界的なトッププロに育成することが欠かせません。これからも世界に誇れる優秀な作品に出会え、東京から世界に夢を発信出来ることを期待しています」。
【真狩祐志】

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東京国際アニメフェア http://www.tokyoanime.jp/

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2010年03月27日
東京国際アニメフェア ]
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one piece2.JPG 毎年、人気アニメ、最新アニメが次々に登場して注目を集める東京国際アニメフェアだが、その中でもひと際注目を浴びるのが特設ステージを利用した大型ステージイベントである。3月27日には、テレビアニメ開始から10年を超えた『ONE PIECE』のスペシャルイベント「ONE PIECE 10th MEMORIAL STAGE」が開催された。
 長さ30分のステージが主流の中でこのステージは60分と長めの時間を取り、特に力の入ったものとなっている。声優トークあり、ライブステージありの盛沢山のイベントである。このため当日の会場は、立ち見も多数でる超満員、1000人のファンが集結した。

 ステージに登場したのはルフィ役の田中真弓さんをはじめ、「麦わら一味」の声優陣が勢ぞろい、山口勝平さん、岡村明美さん、大谷育江さん、平田広明さん、矢尾一樹さん、山口由里子さん、中井和哉さん、チョーさんと10周年ならの豪華メンバーである。
 ステージでは声優陣に10周年にちなんだ数々の質問などで盛り上った。「10年間で一番感動したのは?」、「10年間で一番燃えたバトル」、「10年間で起きた最大事件」などなどの数々である。これまで明かされなかったアフレコの驚くべき舞台裏が次々に明らかになった。
 
 また、各人が好きな必殺技を言うコーナーでは、番組の中ではほとんど登場しなかったレアな技が次々と登場。それを生で披露する贅沢なもの。
 さらに「食べてみたい悪魔の実?」では、流水の音がいつでも流せる「TOTOの実」、アフレコでどんな口パクででも合わせられる「ピタピタの実」などユニークなアイディアが続出した。

one piece1.JPG トークイベントの後は、矢口真理さん、大沢あかねさん、さとう里香(矢口真理とストローハット)さん、きただにひろしさん、テキーラ☆まさはる(5050)さんらが次々にライブで楽曲を披露。こちらも贅沢な企画だ。
 そして、最後には会場に集まったファン全員が麦わら帽子を被り全員麦わら一味状態、そこで記念写真を撮りイベントを締めくくった。
 ステージの盛り上がりは、劇場興行収入47億円、原作単行本初版発行部数300万部、さらに3月17日発売された主題歌アルバム「ONE PIECE MEMORIAL BEST」がオリコンウィークリーチャートアルバム部門1位といった『ONE PIECE』人気を感じさせるのに十分な内容であった。

アニメ『ONE PIECE』 公式サイト http://www.toei-anim.co.jp/tv/onep/
東京国際アニメフェア2010  http://www.tokyoanime.jp/ja/

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2010年03月25日
東京国際アニメフェア ]
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 3月25日、東京ビッグサイトで開幕した東京国際アニメフェア2010のステージⅡにて『HEROMAN』キックオフイベントが開催された。この『HEROMAN』は、アメコミの巨匠であるスタン・リーさんと日本のアニメーション制作スタジオであるBONESがタッグを組んだことで早くも話題を呼んでいる作品だ。
 イベントにはBONES代表取締役の南雅彦さんと監督の難波日登志さん、声優の小松未可子さん(ジョーイ役)、小幡真裕さん(リナ役)、チョーさん(デントン役)が登壇した。このほか、スタン・リーさんやオープニングテーマ「Roulette」を歌うTETSUYAさん、エンディングテーマ「CALLING」を歌うFLOWがビデオメッセージを寄せるなど、豪華な進行となっていた。

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 『HEROMAN』について難波監督は「内容的には分かりやすい、ストレートな完全無敵の勧善懲悪モノ、ヒーローものだと思っていいと思います」と切り出した。「原作者がスタン・リーだということで、アメコミをベースにしていると思われがちなんですが、それプラス、スタッフでの味付けを行って素晴らしい料理を作り上げたような作品」になっているという。
 「最初スタンからもらった原作・原案・プロットなんですけど、これがテレビシリーズとかという意識ではなく、こういう作品を作りたいという思いだったので、まずこれをテレビシリーズで出すのに、どれだけの分量でなければならないのかとかあって」との南さんの発言に対し、難波監督は「見せてもらったら物凄い密度のものではあったんですけど、お話をもらって読ませていただいた感想として、これは1年間かけても作れないかも知れないという予測があって見ていたんですけども、実際お話を詳しく聞いたら内容の濃いお話だったんですよね」と応じた。
 具体的には「テレビシリーズだと8話9話くらい」(南)で、「そのくらい展開もスピーディーで飽きさせない。それをアニメ化出来たんではないかと自負してます」(難波)とのことだ。

 また『エウレカセブン』や『エヴァンゲリオン』などのデザインをやっているコヤマシゲトさんが参加しているのがトピックでもある。「今回メインでキャラクターとかヒーローマンのデザインをやって頂いて、日本だけでなく海外にも通用するデザインを上げることが出来た」(南)。
 そして「年月が苦労の塊みたいなとこがあって、やっぱり丸4年この作品を作らせてもらっていたんで、早くみんなにみせたい」(難波)と、制作期間の長さにも言及した。
 「内容は保証しますので期待してみてもらいたいと思います。そこは無駄にかけた時間じゃなくて、本当にこの作品を作るための時間だったと思います。色々な物凄い数の人が参加することによって作られてるアニメーションなんですが、その人達の思いが反映される。このヒーローマンに思いを賭けてくれたスタッフの数がものすごくて、それがいい意味で作品のクオリティの高さとか内容の濃さとかに反映されてると思います」(難波)。

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 それから声優へと話が移った。アニメのオーディションを受けたのが初めてというジョーイ役の小松さんは、「とにかく最初は緊張でしたね。どのようにマイク前に立って演技すればいいのかとか、映像を見ながら演技するというアニメのアフレコの仕方というのを初めて知ったので、とにかく周りがベテランの方々に助けて頂きながら収録をしてきました」と感想を述べた。「ジョーイも仲間とヒーローマンに支えられて成長したい、成長したり戦って行くんですけども、自分の生活にもそういうことは例えられると思うし、ヒーローというのも自分1人では成り立たないと思うんで、自分にとってのヒーローって何だろうなと思いながらこの作品を感じていただけたらと思います」。

 またリナ役の小幡さんは「リナはジョーイが一番大好きなんですけど、性格は世話焼きだったり自分が知らないことがあったら知りたいし、ジョーイたちが行くなといったら私もいくみたいな感じでついていっちゃうくらい。いざピンチな時には私を守ってねってジョーイに言える、そういう女らしいところもある可愛らしいキャラクターです。行動力とかおてんばなところは似てるので演じやすかったです」と述べた。「ヒロインとしてジョーイといい感じになる回とかもありますんで、是非見てください」。
 一方ベテランのチョーさんは「ルンルン気分でした。わくわくしながらですね、毎回撮りに行きました」と若い2人を見守るような感じだった。「新しいもの、若いもののパワーをいただけるんですね。だから凄く楽しかったです」。

 そして難波監督も「結構な数の人たちのオーディションの中で勝ち抜いたのがこの2名だと思って頂いていい。そのくらい役に合っているし、将来性もある。本当にいい演技をしてくれていると思います。選んでよかったと思います」とエールを送った。

 最後に楽曲についても語られた。劇中ではMETALCHICKSのほか16のアーティストが提供している。「この作品自体はアメリカと日本のコラボみたいなとこがある感じでして、アメリカの空気をより、この作品に反映させるためのミュージシャンは誰だろうというところも関係していて、お願いすることになったということです」(南)。楽曲の幅広さも見所だということで期待が高まる。

 『HEROMAN』は4月1日の18時より、テレビ東京系6局で放送が開始される。これに先駆けてスクウェア・エニックスからコミックスの1巻が発売になっていることも踏まえ、どのような作品なのかを堪能してほしいとイベントが締められた。
【真狩祐志】

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ヒーローマン http://www.heroman.jp/

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2010年03月22日
セミナー・講演会 ]
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 3月6日、福岡市の天神イムズで「第3回ゲームフロンティア in 福岡」が開催された。「ゲームフロンティア in 福岡」はGFF、九州大学、福岡市の産・学・官によって組織された福岡ゲーム産業振興機構の主催により行われている。
 イベントそのものを盛り上げているGFFは、地元のゲーム会社であるレベルファイブ、サイバーコネクトツー、ガンバリオンが2003年に発起した業界団体である。そのGFFの加盟社も翌2004年に計8社となって以降も、順調に増えている。

 まず「未来の福岡ゲーム産業プレゼンテーション」としてGFF、九州大学、福岡市のほかに提携している韓国やオランダからの来賓による代表挨拶、そして「第3回福岡ゲームコンテスト表彰式」が行われた。
 コンテストの各部門のうちゲームソフト部門で受賞した作品には、賞金以外にGFF加盟社からのデバッグレポートというユニークな副賞が与えられる。大賞には福嶋祐紀氏の『cloudphobia』が選ばれた。『cloudphobia』は7年かけて全て1人で開発してきたものだけあって、デバッグ箇所が殆どなかったそうだ。

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 その後のゲームクリエイターズ・セミナーでは、第1部でカプコンの稲船敬二氏が基調講演「ゲーム産業の未来像」を行い、第2部では第1部を踏まえつつフォーラム「クリエイターへの道、そして10年後の姿」を行った。フォーラムは「『ゲーム業界腐ってる!』と恐らく言うだろうなと思ってました」と、司会を務めた日野氏による稲船氏の講演内容に関する感想から始まった。
 各氏の近況で、映像にまつわるものもいくつか聞かれた。稲船氏は、自身が手がけた同社のゲームを原作とした実写映画『屍病汚染 DEAD RISING』について軽く述べた。映画は今年公開予定で、既に編集が終わっている。「とっても面白かったんで、第2弾もやりたいと思ってます。すっごいチープなホラー映画。B級どころかD級。お金が使えなかったというのもあるんですけど、お金が使えないことを言い訳にしてはいけない。誰かのせいにしてはいけない。使えなきゃ使えない映画を作ればいい」と、ここでも基調講演の内容を踏まえた。

 「ウチはCGですけどやらせて頂いてます。第2弾の映像作ってて。うまくいけば夏前に発表は出来る」と松山氏も応じた。サイバーコネクトツーは、18日にニンテンドーDS用のゲーム『Solarobo ソラロボ(仮)』の発表も行った。
 「本業は我々ゲーム屋じゃないですか。本業って言い方もおかしいと思いますけど、ゲームだけが好きなんじゃない、エンターテインメントが好きなんだということはよくおっしゃられてる」との意見に対し、稲船氏は「僕はゲームは手段ですね。クリエイティブをやりたいんで。ゲームというアウトプットを使うことが多いだけであって、クリエイティブを作りたいというのが基本ですね」。
 ガンバリオンの山倉千賀子氏は『ワンピース』シリーズのほかに、発表がこれからになる「今までガンバリオンで作ったことがないような」目下開発中のタイトルがあるという。「ゲームでまだまだやり残してることが沢山あって、もっとゲームのプロというか職人のような域に達したいなと」。
 日野氏は自身について「シナリオライター的な動きが凄く多いですね。締切にいつも追われていて、本読み締切本読み締切って。自分で書いたりしてるんですよ。アニメの脚本を」と、同社のゲームが原作で現在放送中の『イナズマイレブン』などの話に触れた。

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 このほか「福岡に来るとここのお3方は元気に仕事されてますけど、本当に東京に行くとですね、あそこが潰れたとかここが潰れたとか、リストラが始まったとか、凄く多い」、「技術がなくなってきてる日本と、技術ばかり追い求めてる海外と、ちょっとバランスが崩れて来てるのは確か」(以上稲船氏)、「会社がどうこうというよりは、クリエイター個人がどうかということに集約されると思うんですよ。よくこうだから出来ませんとか、出来ない理由はいいから、出来る方法を述べよう」、「他の人が出来ないって言ってるなかでこうすれば出来ます!って言えればその人は特別になれる」(以上松山氏)、「長期でも技術的なことを考えていかなければならないんですけども、今の状況がこうだからと簡単に諦めてしまわずにコツコツとしっかり信頼を得られるソフトを作る」(以上山倉氏)など、熱い意見が様々に飛び出して会場を包み込んでいた。
【真狩祐志】

福岡ゲーム産業振興機構 http://www.fukuoka-game.com/

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2010年03月18日
セミナー・講演会 ]
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 インド最大のメディア・エンタテイメント分野のビジネス会議「FICCI FREAMAS」が、3月16日から18日までムンバイで開かれている。「FICCI FREAMAS」はインドで最も古い経済団体FICCIが主催をし、ムンバイを中心に世界的に注目されるインドのメディア産業、エンタテイメント産業のビジネス交流と振興を目指すものだ。
 会議の目玉は、世界トップクラスの業界関係者が一堂に介して、基調講演やシンポジウム、トークなどを行うことである。業界関係者は、インドのほか米国やヨーロッパ各国、東南アジア、中東、大洋州、アフリカにまで及ぶ。

 また、今回のFICCIは、特に映画の3DやHDテレビなどのテクノロジーの発展に目が向けられている。同時に、インドのアニメーション産業も大きなテーマとなった。既に欧米各国からの制作受託で成功し、さらに市場の拡大が見込まれるからことから業界を超えてアニメーションに関心が集まる。
 会議では、期間中3つのアニメーション産業をテーマにしたシンポジウムが設けられた。このうち初日に開催された「The Animation Industry:Evolving Markets Worldwide」の基調講演を、日本のアニメスタジオ マッドハウスの創設者である丸山正雄氏が務めた。その個性で世界で独特の存在感を見せる日本アニメのトップ スタジオからの参加だけに大きな注目を浴びた。

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 丸山氏がテーマにしたのは、「日本のアニメの強さ」である。丸山氏はアニメが国内でDVD市場、映画市場のかなり部分を占めエンタテイメントの主要産業となっているとし国内での日本の強さ、そして海外で受け入れられている国外に向けての強さについて語った。
 そのうえで日本のアニメの転換ポイントになったのはテレビシリーズ『鉄腕アトム』とする。その際にアニメーション制作がこれまでの24コマのフルアニメーションから、3コマアニメーションに移行したことでドラステックに制作やビジネスが変わった。これがアニメの絵の動きをハードにし、独特の表現につながった。

 シンポジウムの出席者は、このほか地元インドのCrest AnimationのCEO A K Madhavan氏、ドリームワークスの海外部門統括のShelly Page氏、オランダのアニメーション製作会社Kids Planetの設立者 Erica Reijmerk氏、そしてカートゥーンネットワーク 東南アジアのディレクター Krishna Desai氏である。
 多国籍な参加者ということもあり、議論は世界各国様々な話題に拡散した。国境を越えたコラボレーションでは、Reijmerk氏が「世界のアニメーション放送局は増加している。その中で共同製作のチャンスも拡大している」とビジネスチャンスの大きさに言及する。
 また、Page氏も「才能が豊かであれば、制作地域、クリエイターの国籍は構わない。豊かな才能が多いインドは、多くのポテンシャルを持っている」と指摘する。

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 「インドのアニメーション産業は果たしてどのくらい成長するのか?」との問いに丸山氏は、日本の『鉄腕アトム』ような変化のきっかけになるようなビッグヒットが出た時にインドのアニメーション産業は急成長するだろうと答えた。
 トークの中心は、制作コストや資金調達などにも及んだ。この中で会場から、「インド政府はアニメーション産業支援にもっと力を入れるべき。現状は十分でない」と発言があり、登壇者と激論になった。
 これに丸山氏が意見を求め、「日本のアニメは過去40年以上政府の支援のないなか育って来ました。最近では韓国政府が、日本に追いつき追い越せと自国のアニメーションを支援しています。これで日本が40年かかったことを20年で成し遂げるかもしれません。それは羨ましくも思います。でも、日本のアニメがここまで伸びたのは、現場のスタッフとスタジオの力です。私はそうあるべきだと思っています」と発言した。
 これに対して会場から大きな拍手が沸き、アニメーション産業の基盤が制作現場の力であることは、世界共通であることを感じさせた。

FICCI FREAMAS http://www.ficci-frames.com/frames2010/frames.html

「The Animation Industry:Evolving Markets Worldwide」

3月16日 
インド・ムンバイ市 Hoetl RENEASSANCE, MUMUBAI
17時―18時半

「モデレーター」
A K Madhavan, CEO, Crest Animation Studios Ltd.

「基調講演」
丸山正雄 マッドハウス創設者、 プロデューサー

「パネル」
Shelley Page, Head of International Outreach, DreamWorks
Erica Reijmerink , CCO & CO-Founder, KidsPlant BV, The Netherlands
Krishna Desai, Director, Programming, South Asia, Turner International Ltd.

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2010年03月06日
その他 ]
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 今年で第30回を迎えた日本SF大賞は、30周年という節目の年であると同時に、これまでにないかたちのものとなった。日本SF大賞受賞作『ハーモニー』の著者伊藤計劃氏、日本SF大賞特別賞『グイン・サーガ』の栗本薫氏がいずれもが故人となっているからである。
 3月5日に、日本SF作家クラブが主催する日本SF大賞と特別賞、日本SF新人賞、それに大藪春彦賞選考委員会主催する大藪春彦賞の3つを合わせた徳間文芸賞贈賞式が東京・丸の内で行われた。贈賞式は、作品を顕彰する独特の華やかさと伴に、34歳で世を去った伊藤計劃氏、56歳でなくなった栗本薫氏の早過ぎる死を悼みながらのものとなった。

sf1.JPG 故人となったことを強調すると大賞の受賞理由が、それ自体にあるかのように誤解されるかもしれない。しかし、当日、審査委員のひとり飛浩隆氏による日本SF大賞の選考会経緯からは、それが作品の高い評価になされたことが理解出来る。
 同氏によれば選考会は大激戦となり、候補に挙がった5作品はいずれも高い評価を得たという。最終的に『ハーモニー』と上田早夕里氏の『魚舟・獣舟』の2作品の争いになったが、作品の手堅さと完成度の高さ、革新性から『ハーモニー』に軍配が上がった。

 また飛氏は、今回は近年になくSF小説のレベルの高かったと言及した。日本SF大賞はその受賞対象作品を、SF小説だけでなく、マンガや映像作品なども含む異色の文芸賞である。このためこれまでの受賞作品には、マンガやアニメなども含まれる。例えば昨年第29回の受賞作は磯光雄監督のテレビアニメ『電脳コイル』である。
 ところが今回は、候補作5つが全てSF小説であった。SF大賞新人賞の解説でも山田正紀氏が日本のSFは第2の黄金期を迎えていると述べたように、そのレベルは過去になく突出しているようだ。
 そうしたなかで頂点に輝いた伊藤計劃氏の才能の高さを考えると、失われたものの大きさを感じる。飛氏は、「伊藤氏の作品は数が少ないけれど、是非読んで欲しい。特に若い人には忘れられない作品となるはず」と語る。
 
sf2.JPG 日本SF大賞特別賞の栗本薫氏は、その多作さ故の受賞だ。同氏の死によって未完に終わったヒロイックファンタジー『グイン・サーガ』は、正伝130巻外伝21巻と一人の作家によって書かれた小説としては、前人未到の領域に達していた。
 作品は30年間にわたりその筆力が衰えることなく、日本のファンタジー小説の開拓者としても大きな役割を果たした。今回の特別賞はその偉業を讃えるものである。 
 日本SF大賞、日本SF大賞特別賞の受賞に対して、日本SF作家クラブの新井素子会長から賞状が、昨年のSF大賞受賞者である磯光雄氏からトロフィーが渡された。生前の栗本薫氏と個人的にも親しかった新井素子氏が、受賞者の代理として出席した故栗本薫氏の夫である今岡清氏に深々と頭を下げたの印象的であった。

 また、SF新人賞では、伊野隆之氏の『森の言葉/森への飛翔』と山口優氏の『シンギュラリティ・コンクェスト』への受賞が行われた。
 審査の経緯を発表した山田正紀氏からは、「今のSF界は大変なことになっている、とても野心に満ちた作品が溢れている」と、候補作品のレベルの高さが述べられた。しかし、そうした中で、今回を持って日本SF新人賞を終了するという残念な結果も発表された。

日本SF作家クラブ http://www.sfwj.or.jp/
徳間書店 http://www.tokuma.jp/

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第30回日本SF大賞
『ハーモニー』 伊藤計劃
特別賞: 『グイン・サーガ』 栗本薫

候補作品
『あなたのための物語』 長谷敏司
『アンブロークン アロー』 神林長平
『魚舟・獣舟』 上田早夕里
『下りの船』 佐藤哲也

第11回日本SF新人賞
伊野隆之  『森の言葉/森への飛翔』
山口優  『シンギュラリティ・コンクェスト』

最終候補作
大間了  『魔草男爵の館』
希木偶人  『捕虜改造用人工惑星NEG-NI』
樽井砂都  『月影パンダ』
森田こうし 『異世界創造遊戯』

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2010年03月05日
セミナー・講演会 ]
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adaa092.jpg 2月16日から28日まで、福岡アジア美術館にて2009アジアデジタルアート大賞展が開催された。会期中日の20日は、表彰式とシンポジウムが行われた。
 「クリエータからのメッセージ -コンテンツ教育へむけて-」と題されたシンポジウムは九州大学芸術工学研究院講師の松隈浩之氏が司会を務め、ADAA大賞の柴田大平氏(作品名:『The Light of Life』)、カテゴリーA動画部門優秀賞の白川東一氏(同:『Mr.Shape』)と松下健太郎氏(同:『ZURERUZ』)が登壇した。

 ひと口にアニメーションと言っても、表現手法の側面から俯瞰すると対象が幅広くなる。媒体のポリシーによるところが大きいものの、一般的にはアニメーションと聞いてまず思い出すのは人物などのキャラクターを動かす作品だ。しかしPV、デザインといった広告の分野での需要が圧倒的に多いにも関わらず、そこまで念頭に置かれることが意外と少ないように思われるのは、短編としてひと括りに扱われている場合が多いからでもあるだろう。
 登壇者のなかでも特に柴田氏はWOW、白川氏は空気(KOO-KI)といった会社に在籍している。彼らの会社も広告の分野では広く知られた存在で、就職先を選ぶ際にも学生に人気が高い。
 空気はアニメーション業界の関連ではアニマックスのモーションロゴも制作していたりする。また白川氏は昨年は赤塚不二夫展用に天才バカボンのキャラクターを利用したアニメーションを制作していた。オリジナルでは『ぴったんこ!』がオタワ国際アニメーションフェスティバルにノミネートされた。

adaa093.jpg このアジアデジタルアート大賞に限らず、各種様々なコンテストにおいては、必然的に作品を作らざるを得ない状況に追い込まれるのが学生であるために応募作品の大半が学生作品となってしまっている。このシンポジウムでは社会人の受賞者も登壇していたことから、業務としての制作の合間に、いかに僅かな時間を見つけて自身のオリジナル作品を制作するかが焦点となったのは、ある意味貴重である。
 「社会に入ってからは当然好きなことなんか出来ないですよ。好きなことは出来ないんですけど、年を重ねるに従って、その隙(好きなことをする隙)はちょっと出来てくる。その時に社会に出てから培ったスキルと、学生の時に自分が追い求めていたものがクロスしてるというか、そんな感覚を今持っているので、10年後、15年後にちょっとステキな瞬間が来るんじゃないかな」(白川氏)。ちなみに白川氏は学生時代に制作した『ロボットニュース』が、1998年の第10回CGアニメコンテストで佳作だった。
 このほか「(自主的に制作する場合は)締切があるわけじゃないのでずっとやってると永遠に終わらない」(柴田氏)、「年を取ってくると残り時間を計算して生きてしまう。あと何作品作れるんだろうという危機感」(白川氏)、
 「目標があるとしてそこに近づくにはどうすればいいかとかを常に考えて、仕事もなるべく早く終わらせる」(松下氏)といった意見が交わされた。

 またYouTubeやニコニコ動画などのサイトの登場にも話題が及んだ。これには「色んな人に見てもらう機会が本当に多いので、凄く良いことだと思う。むしろ利用すべきだ」(柴田氏)といった意見のみでなく、「ただそれで終わりでないので、その先を考えてるのかなと。そこで満足してることに意味を感じない。映像は結果から作るものではあるんですけど、ずっと点を作る作業が線になって面になることを将来的に見据えて」(白川氏)、「個人投稿出来ることによってパブリックなものから趣味趣向が凄く細分化されている。そのジャンルが好きな人だけで満足してしまう。それではいけないなと。パブリックなものを意識して作る」(松下氏)といった建設的な意見も出た。

 クリエイターの活動領域としては、映画祭・コンテストと同人誌即売会で大別されてしまいがちではあるが、こうした意見からすると、作品制作の心構えの根本は全く同じであることに改めて気付かされるに違いない。
【真狩祐志】

アジアデジタルアート大賞 http://adaa.jp/

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2010年03月02日
セミナー・講演会 ]
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fcm102.jpg 2月15日、福岡コンテンツマーケット2010がアクロス福岡で開催された。2006年から開始された福岡コンテンツマーケットは、福岡をはじめとした九州内のコンテンツ制作関連企業が出展している。
 また今回は、Game Tools & Middleware Forum 2010との併催となった。2003年から東京と大阪で開始されており、2007年からは福岡でも開催されるようになった。こちらはゲーム開発者を対象としており、オートデスク、ヒューレット・パッカード、ヤマハ、ボーンデジタル、ソニー・コンピューター・エンターテインメント、ダイキン工業などが出展し、各種セミナーも行われていた。

 福岡コンテンツマーケット2010の関連セミナーとしては、ゲーム制作中核技術者向けのデジタルコンテンツアカデミーセミナーやペンシルが主催するD2K ITビジネスセミナーも開催された。
 D2K ITビジネスセミナーは、今回Twitterがお題とあって早くから関心が高く、会場は満席の人気となった。当日は、日本語版のサポートを行っているデジタルガレージから佐々木智也氏が招かれていた。Twitterは今月に入って、福岡のゲーム会社・レベルファイブの日野晃博社長や東国原英夫宮崎県知事らも開始している。

fcm103.jpg イベントが開催された15日は、19日から日本テレビ系で放送が開始されるTwitter連動企画「クチコミ戦隊つぶやくんジャー」のプレスリリースも行われた。オープニングはTHE Berichがアニメーションを制作している。  
 The BERICHのプロデュースを行っているファンワークスは、2007年に福岡コンテンツマーケット内でコンテンツビジネス最前線セミナーを開催したことがある。
 一方、先週11日は蛙男商会のFROGMAN監督が来福し、『秘密結社 鷹の爪 THE MOVIE3 ~http://鷹の爪.jpは永遠に~』の舞台挨拶とサイン会を天神東宝とTOHOシネマズ久山で行った。蛙男商会のプロデュースを行っているDLEも、今月からテレビ西日本など九州・沖縄地区のフジテレビ系列で、べんぴねこ氏の制作による『ピチ高野球部』の放送を開始した。

 福岡県によると、福岡コンテンツマーケット2010の来場者数は見込んでいた1000人をほぼ達成出来たとしている。
 このほか福岡では、16日から28日まで福岡アジア美術館で2009アジアデジタルアート大賞展、アクロス福岡で21日にファミリークラシックコンサート「ドラゴンクエストの世界 in 福岡」、3月6日に天神イムズで「第3回ゲームフロンティア in 福岡」が開催される。
【真狩祐志】

福岡コンテンツ産業拠点推進会議 http://www.f-contents.jp/

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