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2005年10月20日
東京コンテンツマーケット2005 ]
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 10月19日と20日に、東京・丸の内の国際フォーラムで東京コンテンツマーケット2005が開催された。東京コンテンツマーケットは、日本のコンテンツ業界の発展を目的に主に発展途上のコンテンツ企業、クリエーターを集めた展示会である。
kaijo.JPG 毎年春に開催される東京国際アニメフェアは、どちらかと言えば日本の大手アニメ制作会社や版権を所有した企業などが日本アニメを海外に売り出すことに重点を置いている。これに対して東京コンテンツマーケットは、コンテンツを制作するクリエーターが、逆にそうした制作会社や優れた作品を欲している企業に対して作品を売り込む場所といえる。
 展示場に並べられた作品は、アニメやキャラクター、映画や関連機器まで様々な分野に及ぶが、共通した点は作品のビジネス化に対する熱意である。それは、同じクリエーターが展示を行なうGEISAIが、自己作品のアピールに終わりがちなのに対して商業化に向けて一歩進んだクリエーター達が集まっているといえる。

 会場の雰囲気は様々なコンテンツ集められているにもかかわらず、散漫な感じはせずに比較的まとまっていたと言える。それはこのイベントが、中小事業者の売り込みというテーマが明確なためであろう。
 ただ、出展者が作品展示を行い、興味を持ってくれる人を探すというだけでは売り込みの場としては力不足に感じる。出展者と企業を結びつけるもう一工夫が必要とされているのでないだろうか。

 主催者の独立行政法人中小企業基盤整備機構は優れたコンテンツを集めることで、新市場の創出を目指している。このため、このイベントは単にクリエーターや企業を集めるだけでなく、優れたコンテンツをTCMアワードとして表彰している。インタラクティブ部門、動画部門、静止画部門からなるこの賞は単なる表彰を行なうだけでなく、受賞作品は中小企業基盤整備機構が出資しているファンドへの推薦が行なわれる。
 また、コンテンツビジネスに対する理解を広げる目的で6つのシンポジウムを開かれた。アニメや資金調達、ブロードバンド、音楽配信などをテーマにしたそれぞれのシンポジウムは熱心な観客を多数集めていた。

TCMアワード受賞者
インタラクティブ部門 ㈲ディアフィールド
動画部門 ㈲さるちん
審査員特別賞 フジイミツグ
動画部門特別賞(BBジャパン賞) ㈲アノン・ピクチャーズ

東京コンテンツマーケット2005 

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東京コンテンツマーケット2005 ]
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 このシンポジウムでは、東映アニメーションとGDHという日本アニメを代表する新旧の対照的な企業が日本アニメを海外に売り込む現場について語った。両社の違いは今年創業50周年を迎える東映アニメーションと、設立から5年というGDHの歴史の長さの違いからも判るだろう。
 また、東映アニメーションは大衆向けの子供市場を得意とし、GDHがハイティーン以上のマニア向けの市場を得意とする点なども大きな違いである。両社は、日本アニメの海外販売を行なうが相当異なったビジネスモデルを持っている。

 しかし、東映アニメーションの大山常務とGDHの石川社長の話を聞くと、両社の違い以上に両社の共通点が少なくないことに気づかされる。例えば、両社共、会社の設立当初から世界に向けて日本アニメを売る意図を持っていた点である。東映アニメは会社設立の理念が、そもそも日本から世界にアニメーションを発信をすることにあった。1960年代には既に『白蛇伝』といった作品を海外に販売している。
 GDHも設立より海外市場を意識していた。同社は内部に海外を良く知る外国人スタッフを抱えていたこともあり、必然的に最初から海外市場を視野に入れていた。
 さらに、海外販売において人脈を重要視する点も両社共通である。大山氏がマーケットに出て行くことの重要性を強調していたことが印象深かった。石川氏は情熱を持った人に出会い、自社の作品やブランドを宣伝してくれる人の重要性について語った。
 ビジネスモデルや歴史が異なる両社に共通する経験や考え方は、逆に言えば日本のアニメ企業が海外でビジネスを展開する際の一般的な要素とも言えるかもしれない。

kaigai.JPG 逆に両社の違いは作品の制作でみられた。大山氏は作品の制作にあたっては、特に海外市場を意識しない、日本の子供に受けるものは世界の子供に受けると強調していた。
 しかし、石川氏は例えば『SAMURAI7』が米国向きの作品、『巌窟王』がヨーロッパ向けの作品と区別するように、各国のニーズに合わせた制作意図を持っていることと対照的であった。
 これは、子供向けが主流の東映アニメと大人向け作品が中心のGDHの差とも言えるかも知れない。
 また、海外との契約については、東映ア二メが弁護士などの専門家は問題が起きたときに協力をお願いするのに対して、GDHが最初から専門家に入って貰うとした点が異なっていた。

 シンポジウムの最後は、日本のアニメはなぜ海外で強いのかという問いかけで締めくくられた。大山氏はコミック原作の強さ、キャラクター造形の強さ、作品制作における少ないセル画枚数が生み出した演出上の効果を挙げた。
 石川氏もやはり日本のマンガ原作の強さを挙げた。米国の年間の全コミック出版の生産が5千万部に対して、日本では毎週、週刊誌のみで数千万部発行されているなど、激しい競争が日本のマンガのレベルをあげ、それが日本アニメの強さの根源にあるというわけである。

 今回のシンポジウムは、海外での人気ある作品を多く抱える企業の中心で実際にビジネス関わっているかたの話だけに貴重な内容であった。

東京コンテンツマーケット2005 シンポジウム
アニメ業界のトップに聞く!海外セールス裏事情
寺澤 幸裕氏(オメルベニー&マイヤーズ法律事務所
大山 秀徳氏(東映アニメーション株式会社 常務取締役)
石川 真一郎氏(株式会社GDH 代表取締役社長)

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東京コンテンツマーケット2005 ]
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知っ得!コンテンツファンド活用法
品田 英雄氏(株式会社日経BP 日経エンタテインメント!発行人)
土井 宏文氏(ジャパン・デジタル・コンテンツ信託株式会社 代表取締役)
亀田卓氏(株式会社電通 エンタテインメント事業局

 『コンテンツファンド活用法』のシンポジウムは、今回、東京コンテンツマーケットで開催されたシンポジウムの中では最も敷居の高いシンポジウムであったかもしれない。クリエィティブな分野からコンテンツへのアプローチが多いコンテンツビジネスの分野では、金融やファンドといったものに対する距離感を持つ人が多いからだ。
fund.JPG しかし、実際のシンポジウムは非常に判りやすかった。まず金融分野での実績を持つ土井氏がコンテンツファイナンスの仕組みや理論となる枠組みを説明し、その後に亀田氏が自らの具体例を出しながら運用の経験を説明した。さらに進行を担当する品田氏が、それを噛み砕いて行くという非常に理解しやすい流れとなっていた。

 ジャパンデジタルコンテンツ信託(JDC信託)で数多くのコンテンツファンドを手掛ける土井氏によれば、日本のコンテンツ市場の伸び率が他国に較べて低いという。それはコンテンツ市場に業界外部から資金が入らず、成長が制約されているためだと問題点を指摘した。そうした問題点を打開するために、資金の多様化が必要だという。
 JDCはこれまで特定目的会社(SPC)、信託ファンド、金銭信託といった様々なファンドを設定してきたが、資金調達の多様化がという考え方が背景にあるようだ。また、多様化という点から考えると、コンテンツファンドは製作委員会に代わる資金調達の方法というより、資金調達のあらたな選択肢のひとつという位置づけのようだ。
 また、土井氏によれば資金調達の多様化が、コンテンツの資金調達の市場の拡大につながるという。そうした中で今後50億円、100億円といった今より規模の大きなコンテンツファンドが現われ、大手金融機関も市場に参入することになるだろうと述べた。これにより業界の外からの資金流入が増えれば、最初に問題提起された資金不足による成長率の低さが克服されることになるのだろう。

 亀田氏の講演は、自らが手掛けた『ベビーフェースライブツアーファンド』、『ワールドカップパブリックビューファンド』、『ゴールデンライオンファンド』の経験が中心であった。こうした例を挙げながら、亀田氏は通常考えられているアニメや映画ファンドだけでなく、考えられるあらゆるエンターテイメントがファンドになり得るのだという。
 また、こうしたエンターテイメントをファンド化する際に重要なのは、顧客との関係とその満足感であると指摘した。つまり、投資家がそうしたエンターテイメント興行の一部に参加するといった一体感や特別なコンサートなどの付加価値がコンテンツファンドを売る際に大きな力を発揮するという。
 こうしたファンドが、今後登場の予想される今までより規模の大きなファンドや法人向けにファンドを売る時にも有効かについては若干の疑問は残る。しかし、投資家があまたある金融、証券などの投資先の中から、敢えてコンテンツファンドを選ぶといった時に、顧客の満足感という考え方は重要な要素になりそうだ。

 近年、コンテンツファンドは話題になることが多い。また、ファンドの設定も徐々に増えて来ている。しかし、まだまだ発展途上で未知な部分が多い。そうした分野で市場開拓を進める講演者達には、市場の先頭を走っているという自信が溢れていたように感じた。

東京コンテンツマーケット2005 

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東京コンテンツマーケット2005 ]
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クリエイターのためのゲリラマーケティングの薦め
森祐治氏(株式会社シンク 代表取締役CEO)
田中辰雄氏(慶応大学経済学部助教授)
小林弘人氏(株式会社インフォバーン 代表取締役会長)
竹内宏彰氏(株式会社コミックス・ウェーブ 代表取締役プロデューサー)

 10月19日、東京コンテンツマーケットの中で行なわれた『クリエイターのためのゲリラマーケティングの薦め』のシンポジウムは、個性的なゲストの各氏が集まり熱気の溢れるものになった。ただ、個々の講演者の話題が個別のテーマに集中してしまい、豊富な内容が十分消化しきれないという若干の不満は残った。3人の講演者のテーマはそれぞれが、独立した講演に十分な内容を持っていたからである。

 田中氏のテーマは、インターネットにおける違法なP2P音楽配信が商業販売に与える影響について、違法配信が必ずしもCD販売を減らせないというものであった。
 また、インフォバーンの小林氏は自らの経験の中からブログやポッドキャストの可能性を指摘した。そうした新しい技術を利用することで新市場を作り出し、ゲリラ的なマーケティングに可能性があるというわけだ。

anime.JPGアニメビジネスということで今回最も注目されたのは、『ほしのこえ』や『アニマトリクス』、『雲の向こう、約束の場所』でネット発の草の根マーケティングに大きな実績を持つコミック・ウェーブ社長の竹内氏の講演である。竹内氏は既存流通を利用した宣伝は、大資本や既にブランド力の確立された作品に強みがあると指摘する。だからこそ、そうでない作品には、既存と違う流通や売り出し方法、ゲリラ的な売出しが必要になるという。
 竹内氏は例として、『アニマトリクス』の発表の場に米国の最先端のマニアが集まるコミコンで制作発表を行なった効果や、『ほしのこえ』ではあえて当時は少数のユーザーしか存在しなかったブロードバンドで予告編を公開した経験を挙げた。いずれもファンの心理や社会的な話題性を仕掛ける効果的な方法であるというわけである。
 そのうえで、竹内氏はゲリラ的なマーケティングに必要なものとして大企業が導入に及び腰になる技術革新をいち早く利用しろ、市場形態の変化を把握しろ、マーケットメイクの意義(誰に、何を、どのように売るのか)といったものを挙げた。最後のメッセージは、主にクリエイターに向けてのメッセージではあったが、こうしたメッセージはクリエイターだけでなくプロデューサーや企画、マーケティングといったコンテンツビジネスに関わる全ての人にとって共通する課題であると言ってよいだろう。

東京コンテンツマーケット 

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