| [ 0斉藤守彦の特殊映像ラボラトリー ][ 特撮本ぶっちゃけレビュー ] |
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斉藤守彦の「特殊映像ラボラトリー」 斉藤 守彦 ●時ならぬ、特撮本乱発の理由は? 年末から年始にかけて、書店に特撮関係の本が増えていたのには、ちょっと驚いた。新作のTVシリーズはともかく、特撮映画の類はオリジナル作品がほとんど製作・公開されていない状況であるにも関わらず、これだけ特撮関係の書籍が書店に並んでいる。さては誰かが特撮書籍ブームでも企んでいるのか…と思い、特撮ライター氏に聞いてみた。 「映画秘宝」でお馴染みの洋泉社から、特撮本が続けて2冊刊行された。ひとつはムックで「別冊映画秘宝/東宝特撮総進撃」。タイトル通り、東宝特撮映画の名場面や見どころをダイジェストしたものだ。これまでにもそうした出版物は山ほどあったが、このムックの面白いところは、著名人やライター、特撮関係者らにアンケートをとり、その人気投票の順に(1位は「サンダ対ガイラ」!!)作品を解説しているところだ。しかも単に特撮ライターが解説を書くのではなく、その作品をこよなく愛する人物、時には映画監督や特撮スタッフがエピソードや熱い思いを吐露する。つまり観客の視点で特撮映画の名作・傑作を語っているあたりがユニークだ。 (2)川北特技監督が存分に、そして赤裸々に語った「特撮魂」ほか [筆者の紹介] |
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斉藤守彦の「特殊映像ラボラトリー」 斉藤 守彦 ●川北特技監督が存分に、そして赤裸々に語った「特撮魂」 これも洋泉社が発行した書籍「特撮魂/東宝特撮奮戦記」。著者が川北紘一特技監督本人になっていることからも、川北氏の生い立ちから映画界入りまで、そして東宝での特撮修業から監督デヴュー、「さよならジュピター」「ガンヘッド」、ゴジラVSシリーズなどについて語り起こした、まさしくオール・ザット・川北紘一な一冊だ。 その川北紘一特技監督が心血を注いだ、平成ゴジラ・シリーズ=VSシリーズのすべてが網羅されているのが、キネマ旬報社発行の「平成ゴジラ・クロニクル」だ。A4判、厚さ2.1cm(筆者実測)、価格4600円(税抜き)という、まさに大冊。しかも総ページ数272ページの半分以上がカラーページで、VSシリーズ6作品の内容に詳しく触れているばかりか、秘蔵のメイキング写真や資料も満載とくれば、ファンにはたまらない。 http://animeanime.jp/special/archives/2009/10/13vs.html 本書の奥付の協力者に、飯塚康行氏の名前があるが、彼こそVSシリーズにおける、取材者としての生き証人だ。朝日ソノラマ「宇宙船」がVSシリーズ公開時に刊行した、文庫サイズ(「ゴジラVSデストロイア」のみB5判)のメイキング本には、詳細な取材記事と共に、飯塚氏の撮影した現場写真、特写写真が多数掲載されている。実はこれは飯塚カメラマンが撮影したものの、ほんの一部。特撮現場に通って膨大な数の写真を撮影する飯塚カメラマンの仕事ぶりは、筆者が「宇宙船」のライターをやっていた頃、朝日ソノラマ社長室のあるフロアのロッカーに保管されていた。我々ライターは編集作業の合間に、VSシリーズの特撮現場を捉えた、飯塚氏の未掲載写真を、こっそりと見るのが楽しみだったのである。ソノラマ亡き後、あの膨大な(復活「ゴジラ」から、ミレニアム・シリーズまであるはずだ)写真の数々は、今どこに保管されているのだろう。あれこそ出版に値するものだ。なんとか写真集に出来ないものだろうか。 (3)あの時の少年たちは、感涙必至の好著「ウルトラマンになった男」 |
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斉藤守彦の「特殊映像ラボラトリー」 斉藤 守彦 ●あの時の少年たちは、感涙必至の好著「ウルトラマンになった男」 最後にウルトラマンのスーツアクター(という呼び方は、当時なかったが)であった、古谷敏氏の回想録「ウルトラマンになった男」を取りあげたい。 本書での白眉は、古谷氏がウルトラマンという“主役でありながら、顔を出して演技が出来ない”ことに対する、俳優としてのジレンマが描かれていることである。苛酷な撮影に耐えかね、降板を申し出る決意をした古谷氏は、円谷プロへ行くべく渋谷からバスに乗る。ところが車内にいた4人の子供たちが、ウルトラマンの話題に夢中になり、興奮している様子を見て、降板を思いとどまる。このくだりは、素晴らしく感動的なエピソードだ。「ウルトラマン」をリアルタイムで見た読者の多くが、この時の4人の子供たちと自分を重ね合わせたことだろう。 本書の誕生は、2007年秋に古谷氏が成田亨展を見に行った際、成田夫人あてに名刺を置いて来たことが発端となった。その後取材を受けたことから、アンヌ=ひし美ゆり子が古谷氏と再会を果たし、彼女の勧めで“フルヤちゃんしか知らないウルトラマンの話”を語ることになり、それを書籍として実現させたのが、現在円谷プロでプロデューサーを務めているフジ・アキコ=桜井浩子だ。本書の執筆中も、アンヌは「アマギ隊員、ちゃんと書いてますか?」と連絡をし、著者を激励したという。「ウルトラマン」ではスーツアクターとして、「ウルトラセブン」では俳優として、古谷氏の人柄と仕事ぶりを知る、ふたりのヒロインの努力なかりせば、本書が世に出ることはなかっただろう。 (1)時ならぬ、特撮本乱発の理由は? |
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